バーチャルショールームとは?作り方、事例、メリットを紹介

今、多くの企業がバーチャルショールームを活用しています。バーチャルショールームは仮想空間を活用した新しいビジネスであり、メタバースという言葉なども一般的になりました。バーチャルショールームには、従来型のショールームにはないメリットがたくさんあります。
ただ、比較的新しい分野であるため、興味を持ちながらも一歩を踏み出せない人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、バーチャルショールームの作り方と種類、活用事例などを紹介します。販路拡大や付加価値の向上を狙っている方は、ぜひ参考にしてください。
バーチャルショールームとは?
バーチャルショールームは、PCやスマートフォンのブラウザやアプリなどからアクセスできるショールームのことです。Googleストリートビューのようにメタバース内の世界を移動しながら、3Dモデルで再現した製品やソリューションをチェックできます。
さらに、次のようなこともできます。
- 製品の購入
- キャンペーン実施、クーポン配布
- 製品のカラーや仕様のカスタマイズ
- バーチャルでの試乗、試着
- 問い合わせ、予約受付
- オンライン接客
- ウェビナー配信
近年ではインテリア、不動産、自動車、BtoB製造業など様々な業界で活用されており、販売促進やマーケティングに大きな効果を発揮しています。
バーチャルショールームのメリット
バーチャルショールームを利用するメリットは次の5つです。
- コストを抑えられる
- 顧客体験の向上
- 地理的・時間的な制約がない
- 陳列が難しい商品にも対応できる
- データを蓄積できる
それぞれについて説明します。
コストを抑えられる
バーチャルショールームは物理的な空間を必要としないため、借地料、内装工事費、維持管理費等のコストを削減できます。また、オンライン上で運営されるため、受付スタッフや清掃スタッフの人件費も削減できます。
リアルショールームにありがちな、コストが高い割に来場者が増えないといった課題を解決し、効率的な販売戦略を実現できます。
顧客体験の向上
バーチャルショールームは、サービスサイトやWebカタログだけでは伝わりにくい、製品のサイズ感や使い方まで案内できるため、顧客体験の向上を実現できます。
また、ECサイトやオンライン接客サービスと連携することで、購入やレンタル、お試しといったアクションまで誘導できます。
リッチな体験とスムーズな導線設計により、顧客に驚きと満足な体験を提供できます。
地理的・時間的な制約がない
バーチャルショールームは、地理的・時間的制約がないので、幅広い層へのアプローチが可能です。リラルナショールームではお店に足を運んでもらわないといけないので、どうしても顧客が限られます。
バーチャルショールームであれば、リアルショールームのように天気や交通網の乱れに影響を受けることもありません。インターネット環境さえあればだれでも、どこからでもアクセスできるため、より幅広い層にアピールでき多くの集客を見込めます。
陳列が難しい商品にも対応
バーチャルショールームは、産業機械や工業機械のように大型で構造が難しい製品であっても、視覚的にわかりやすく説明できます。
3Dモデルで部品の形状やサイズ、テクスチャまで再現でき、ユーザーはそれらを自由に回転させて、隠れた部分や内部構造まで把握できます。試作品や高額な製品の場合は、店舗に置くことが難しいかもしれませんが、バーチャルショールームであればそういった心配はありません。
データを蓄積できる
バーチャルショールームでは、データ解析ツールを用いて顧客の行動データを収集・蓄積できます。
リアルショールームでは、顧客情報を取得するためにアンケートや面談を実施する必要がありますが、バーチャルショールームではそれらの手間を省くことができます。
どの製品をクリックして、どのようなアクションを取ったのかまで追跡できるため、これらのデータをマーケティング戦略や製品開発に役立てることができます。

バーチャルショールームのデメリット
バーチャルショールームにはメリットが多いですが、もちろんデメリットもあります。そういったデメリットを紹介します。
商品に触れられない
バーチャルショールームはバーチャルだからこそ、商品に直接触れたり操作感を実際に確認できないというデメリットがあります。質感や使用感などはたしかに感じることができないことが多いです。
しかし最近では、近年のVR技術の進化により、自宅に家具を配置してみたり、自分と同じ体型のアバターで衣類を試着するなど、現実に近い仮想体験サービスが次々と登場しています。
これらの技術をバーチャルショールームと融合させることで、商品に触れられないというデメリットを軽減できるかもしれません。
来場者の熱意にばらつきがある
バーチャルショールームはいつでも、誰でも、どこからでもアクセスできるため、来場者の熱意にばらつきがあります。リアルショールームの方が、実物を確かめたいという確度の高い顧客が集まりやすい傾向にあるでしょう。
ただ、バーチャルショールームではWeb広告やSNS広告などの広告を活用して、見込み客を集めることもできます。バーチャルだからこそ、Webなどを使って熱意の高い顧客を集められるのです。
バーチャルショールームを作る方法
バーチャルショールームを作る方法は以下の3つです。
- 360°VR撮影で実空間を立体的に再現する
- CGで制作する
- メタバース上にショールームを制作する
それぞれについて説明します。
360°VR撮影で実空間を立体的に再現する
リアルショールームを持っている企業は、Matterportなどの360°VR撮影サービスを使うことでバーチャルショールームを制作できます。
Matterportとは、独自の赤外線スキャンカメラによって、現実空間を3Dモデルで再現できるサービスのことです。住宅、オフィス、向上、店舗などあらゆる種類の空間を撮影して、その結果をWeb上に公開できます。
4Kの高画質で細部まで再現できるため、臨場感あふれる顧客体験を提供できます。また、仮想空間内に動画やテキスト、図表などのコンテンツを埋め込むことで、コンバージョンポイントを設計することも可能です。
CGで制作する
リアルショールームを持たない企業は、実店舗がなくてもバーチャルショールームを3DCGで制作できます。
CGなので360°VR撮影に比べるとリアルさに欠けますが、自由度は高くなります。レイアウトは自由自在であり、製品のカラーやテクスチャをチェンジしたり、向きや角度を変えてチェックしたりするなど、バーチャルの良さを最大限生かした空間を構築できます。
ただ、360°VR撮影に比べて制作に時間とお金がかかります。
メタバース上にショールームを制作する
メタバース上にショールームを制作することもできます。メタバースとはユーザーがアバターを使って社会生活を送れる仮想世界のことです。
メタバース内では、アバターを介して来場者とコミュニケーションを取ったり、一緒にショールームを歩くことも可能です。また、VRヘッドセットやARグラスの装着により、没入感のある体験を提供できます。
若い世代へのアプローチを強化したい企業や、異業種のコラボレーションにチャレンジしたい企業におすすめです。

バーチャルショールームの事例
ここでは、業界・業種別に接客オンデマンドでのバーチャルショールームの事例を紹介します。
ユニベール(インテリアカーテン)
ユニベールは、インテリアカーテンの企画開発から縫製、流通まで一貫して行う企業です。
Matterportを活用したバーチャルショールームと、リアルの体験型ショールームを金沢・東京・大阪に展開しています。バーチャルショールーム内には、ECサイトへのリンクを挿入して商品のサンプル請求ができる導線を設定しています。
アウトランダー(車)
引用:アウトランダー|バーチャルショールーム(https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/outlander_phev/special/vr-showroom/)
三菱のアウトランダーの外観、内装をMatterportで撮影し、各パーツに動画やイラスト、テキストなどのリンクが挿入されています。
これまでスペックや平面的な確認に留まっていましたが、バーチャルショールームによって車両の色合いや形状、内装の雰囲気まで確認できます。
オークマ(工作機械)
引用:オークマバーチャルショールーム | オークマ株式会社(https://www.okuma.co.jp/showroom/)
オークマは、工作機械のリーディングカンパニーです。本社にあるGCSセンタのショールームを3DCGで再現しています。
製品にカーソルを合わせると、仕様や加工事例、寸法などを動画でチェックできます。ユーザーに製造ラインを見ているような体験を提供しています。
大和ハウス(住宅)
大和ハウスは、メタバース上に住宅展示場を展開しています。
展示場内では構造躯体まで見学したり、配置する外装、内装、設備などを細かく趣味レーションできます。ゲーム感覚で住宅展示場を内覧でき、色替えなどスムーズにできるのでイメージがわきやすいです。
バーチャルショールーム制作は「接客オンデマンド」におまかせ
接客オンデマンドは、バーチャルショールームをはじめとした接客サービスのデジタル化を実現するDXソリューションサービスです。業種・業界を問わず、幅広い領域で新たな顧客体験とコミュニケーションを支援します。
接客オンデマンドでは、Matterportを利用した360°VR撮影による制作やフルCGによる制作を行っており、メタバース展示会サービス「ZIKU」を利用してバーチャルイベントスペースに出店することもできます。
バーチャルショールームの制作はもちろん、オンライン接客やアバター遠隔接客システムの提案・人材確保も可能なので、バーチャルショールーム内での接客システムなどもまとめてサポートできます。
接客オンデマンドなら、バーチャルショールームにおける以下のような課題を解決できます。
- バーチャルショールームのノウハウがない
- 制作や運用の人的リソースが足りない
- 過去に開催したけど成果がイマイチ
企画から運営までワンストップでサポートできるので、社内負担を大幅に軽減します。導入後のカスタマイズや運用支援まで行っているのが大きな特徴。社内にリソースがなくてもしっかりとサポートします。
また、アクセスログやユーザーの行動履歴の蓄積、分析によって営業活動やオペレーションの最適化を提案し、リード獲得を加速させます。

まとめ
バーチャルショールームは、場所と時間の制約を受けることなく効果的に製品やブランドの魅力を伝えられます。リアルのショールームを各拠点、部署ごとにゼロから作るよりも圧倒的に低コストであり、陳列が難しい産業機械や工業機械など、BtoB商材をPRする場としても最適です。
近年ではAIアバターが接客に対応するまでに進化を遂げており、バーチャルショールームで接客を行うスタッフも最小限に抑えることができます。
接客オンデマンドでは、360°VR撮影、フルCG、メタバース展示会への出店が可能で、オンライン接客やアバター遠隔接客システムの提案・人材確保などもまとめてサポート。運用面における手厚いサポートもありますので、まずはお気軽にご相談ください。