多言語対応するには?多言語対応の方法、メリット、サービスを紹介
現在の日本では多言語対応が急務となっており、多言語対応は現在多くの事業者において課題になっています。
そこでこの記事では多言語対応が必要になっている理由を解説するとともに、多言語対応で得られるメリットや多言語対応をする方法やサービスを紹介します。
多言語対応が求められる背景
多言語対応はなぜそこまで急務となっているのでしょうか?その背景を解説します。
インバウンドの増加
多言語対応が必要になっている大きな理由には、インバウンドの増加があります。
近年、コロナ禍で大きく減った訪日外国人客数は、2023年では2505万人、2024年3月3,081,600人、4月は3,042,900人、5月は3,040,100人と、2024年は単月で300万人を超えています。このように、円安もあって訪日外国人客が爆発的に増えているのです。
このように訪日外国人客が増加することで、多くの場面で外国語での対応が必要となり、多言語対応が求められているのです。
在留外国人の増加
また、在留外国人の増加も多言語対応が求められている背景です。
「令和5年末の在留外国人数は、341万992人(前年末比33万5,779人、10.9%増)で、過去最高を更新」となっ
ています。これは、在留外国人とは中長期在留者と特別永住者を合わせたものであり、日本に中長期間暮らす人になります。もちろん日本語を話せる人もいますが、外国語での対応も必要になるでしょう。
また、政府は特定技能制度見直しをすることで外国人材受け入れを拡大する見通しです。これによって、さらに在留外国人は増加することになり、多言語対応が必要になると思われます。
多言語対応ができるツール
多言語対応が必要になっていますが、これを人間が行うのは大変です。そこで利用できるのが多言語対応ツールです。多言語対応ツールには様々なものがありますので、それぞれ紹介します。
音声対話AIシステム
音声対話AIシステムとは、音声認識と発話の機能を持ったAIと対話できるというシステムです。モニターなどを設置するだけで、商品やサービスに関する質問や情報提供、提案をAIが外国語で行ってくれます。大規模言語モデルによって、人間と会話をしているような自然な会話が可能です。
大量のデータをAIが学習することができるので、自社独自の商品知識や専門用語などに関しても答えることができます。複数の外国語に翻訳できるので、あらゆる外国人に対して1台で対応が期待できます。
接客や総合受付、フロア案内など幅広いシーンでの利用が期待できます。
接客ロボット
接客ロボットとは、ロボットが対面での顧客対応を行ってくれるというものです。
対話AIが組み込まれているロボットであれば、お客様からの質問に自然な言葉で答えることができます。自分で移動をしてお客様に声かけを行って案内をしたり、配膳をしたりといったことができます。
外国語をロボットにインプットすることで、ロボットが人間に代わって外国人への対応を行ってくれます。外国人の関心を引くことができ、より話題性を高めたり顧客満足度を高めたりといったことにも寄与するでしょう。
接客ロボットについては以下の記事で詳しく解説しています。
『接客ロボットとは?ロボットのメリット・デメリット、事例を紹介』
翻訳機
翻訳機とは翻訳機能を持った小型のデバイスです。
人間のスタッフが手に持って日本語で話すことで外国語に翻訳した音声を発信してくれます。また、外国語での回答も日本語に翻訳をしてくれ、多言語対応ができます。
高い翻訳精度があるのと、長い文章でも自然に変換してくれるので、接客や案内の場面における多言語対応で使用するのに有効です。人のスタッフが柔軟に対応ができるので細かなニュアンスについて確認ができますし、より高いレベルの外国人への接客が行えます。
翻訳アプリ
翻訳アプリは、スマートフォンにダウンロードすることで多言語対応ができるアプリのことです。
音声を聞き取って翻訳した音声を発話したり、カメラで読み取った文字を翻訳してくれたりといった機能があります。
スマートフォンを用意するだけでよいのでコストを抑えられるとともに、ネット検索などスマーフォンに備わった様々な機能が使えるのが魅力です。
多言語対応ツールのメリット
では、多言語対応ツールを利用するメリットとはどのようなものでしょうか。
コスト削減
多言語対応ツールを利用することで、コスト削減を行うことができます。
多言語対応ツールによって雇用するスタッフの人数を減らすことができるので、人件費を削減できます。多言語を話せる人を採用するのは大変ですが、ツールであれば1台ですぐに対応が可能です。
また、人を採用した場合には毎回教育が必要ですが、多言語対応ツールであれば学習をさせたAIを利用するだけでよいので教育コストを抑えることができます。さらに、人が利用するPCなどの設備費などのコストの削減も期待できます。
このように、多言語対応ツールはコスト面での様々なメリットが得られます。
売上増加
多言語対応ツールを利用することで、売上増加が期待できます。
多言語対応ツールを利用すれば、どのような外国語のお客様に対してもツールで対応できるので、外国人への対応ができずに売上機会を逃すという事態を防ぐことが可能です。
より丁寧な接客をすることも可能になり、アップセルやクロスセルなどで売上をより増やすことも期待できるでしょう。また、多言語対応ツールを利用することで話題になり、口コミなどで顧客を増加させられる可能性もあります。
スタッフの負担軽減
多言語対応ツールを利用することで、スタッフの負担軽減を行うことができます。
人間のスタッフが多言語対応をするとなると、わからない場合の戸惑いやイレギュラーな対応に大きな負担を感じる傾向があります。多言語対応ツールであれば、人は操作をするだけですし、普段の業務と同じ回答を日本語でするだけでよいので、負担を大きく減らすことが期待できます。
また、24時間365日対応など長時間稼働となると、多くのスタッフが必要になりますし身体への負担も大きくなりますが、ロボットであればいつでも稼働することが可能ですし身体への疲れなども感じません。
多言語対応ができるサービス4選
多言語対応ができるツールのメリットを紹介しましたが、多言語対応をしたいときに利用できるサービスを紹介します。
接客オンデマンドAI
「接客オンデマンドAI」は、モニターに表示されたAIアバターが質問を聞き取り、音声で回答をしてくれる音声対話型AIシステムです。
GPT(OpenAI)連携により、膨大な情報を学習させることができ、商品やサービス、施設の情報など、あらゆる情報を学習させることができ、幅広い質問に答えられます。大規模言語モデル(LLM)を利用していることで、自然な文章で回答ができます。
複数の言語を翻訳することで多言語対応が可能。外国人観光客などの案内や接客に利用することができます。接客や施設案内など、対面での会話が必要なシーンで活用するのにおすすめのサービスです。
AIサービスロボット GreetingBot Mini
「GreetingBot Mini」は、AIを搭載した移動型のロボットです。
人と自然なコミュニケーションを取ることが可能で、企業の受付や医療施設や商業施設などの場面で活用することができます。カメラがついており、こちらからの声かけも可能。受付や施設においてこちらから声をかけて案内をすることができます。
30ヶ国語もの多言語に対応しており、英語や中国語以外の言語のお客様の案内もできます。
ポケトーク
「ポケトーク」は、ボタンを押して話しかけるだけで翻訳してくれるAI翻訳機です。
74言語で音声とテキストに、11言語ではテキストのみの翻訳に対応。最適なエンジンを採用しているので自然な発音で回答します。
多くの言語で、翻訳結果をテキストで表示できるので、相手に見せることで対応することもできます。また、カメラで撮影したものを翻訳することもできるので、メニューや書類などの翻訳も可能です。
Papago
Papagoは、ネイバーが提供している翻訳アプリで、スマートフォンにダウンロードすることで利用できます。
テキスト翻訳、音声翻訳、会話翻訳、画像翻訳が可能です。会話翻訳ではリアルタイムで翻訳結果を出してくれるので接客のシーンなどでの利用がおすすめです。スマートフォンで撮影した画像の翻訳も可能です。
14ヶ国語に対応しています。韓国語や中国語などにも対応しています。
まとめ
多言語対応は、今後あらゆるシーンで必要になってくるでしょう。多言語対応をするには様々な方法があるので、目的や利用シーンに合わせて選んでみてください。
接客オンデマンドAIは、受付や販売、接客のシーンで広く利用できるサービスです。特に、GPTや大規模言語モデルの利用により、膨大な情報を学習させ、自然な文章で外国人と会話ができることが特徴です。無人化をして、コスト削減やスタッフの負担軽減に役立てられます。
運用時には再学習をさせることができるので、やりとりでわからなかった部分や新しい情報を回答できるようにすることもできます。アフターサポートも充実しており、こまめに調整する体制なので、自社で専門的スタッフを用意する必要がありません。
外国人への接客対応ができる多言語サービスについては、以下で詳しく解説しているので参考にしてください。