無人化とは?無人化できる業務、サービス・事例を紹介!

AIやDXの普及によって、あらゆる業界で無人化による様々な業務の自動対応が進んでいます。システムによって無人化をすることで、人件費などを抑えられますし、様々なメリットが得られるでしょう。
自身の業界や業務のなかで無人化できるものはないかと考えている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、無人化によって得られるメリットや無人化が有効な業務、無人化を行えるサービスを解説します。事例なども紹介しますので参考にしてください。
無人化のメリット
無人化による自動対応には以下のように多くのメリットがあります。
コスト削減
無人化をすることでコストを削減することができます。
人のスタッフを雇用して業務を行ってもらうには、様々なコストがかかります。給与や社会保険料などの人件費、人のスタッフに教育するための教育費、人が働くための場所や機器にかかる設備費など、多くのコストが必要になります。無人化システムであれば、こういったコストを大きく減らすことができる可能性があります。
人件費を抑えるとともに、システムが業務を行うので教育にかかる費用も抑制できます。人のスタッフの採用には多くの費用がかさみますが、無人化システムにより複数のスタッフが行う業務を集約することもできるので、より大きな効果が期待できます。
サービス品質向上
無人化することで、サービスの品質を向上させることが可能です。
人のスタッフが対応する場合、対応可能な日時がスタッフの勤務時間に制限されるため、深夜や休日の対応が難しくなります。無人化システムを導入すれば、24時間365日いつでも対応が可能となり、顧客への対応力が大幅に向上します。
さらに、スタッフによるサービスでは、個々のスキルや状況によりサービスの品質にばらつきが生じることがありますが、無人化システムであれば、常に一定の品質でサービスを提供することができます。無人化システムにはサービス品質を一貫して高めるという大きなメリットがあります。
データ蓄積
無人化システムでは、データの蓄積を行うことができます。
人のスタッフが対応する場合、顧客とのやり取りや顧客情報の記載漏れなどが起こり得ます。システムであれば、顧客への対応の内容や購入履歴、属性などのデータを漏れなく自動で保存してくれます。
こういったデータを分析することでマーケティングに活用することができ、新しいサービスの開発やアップセル、クロスセルの効率化も同時に行えます。
また、顧客データを蓄積しておくことで、顧客それぞれに最適なタイミングで、最適なサービスを提供できるようになるでしょう。
無人化が有効な業務
無人化による業務の自動対応には多くのメリットがありますが、では無人化できる業務にはどのようなものがあるのでしょうか。
受付
受付の業務は無人化が有効です。
企業や施設の受付では、用件の確認や担当者の呼び出し、会議室の用意などの業務を主に行っています。こういった流れの決まった業務は、AIチャットボットやAI音声対話システムなどで無人化することができます。
このようなAIシステムでは、受付に来た人へ話しかけて用件を確認し、担当者を呼び出したり会議室を抑えて案内するなどができます。AIシステムであれば、複数の案内も同時に行えますし、外国語への対応も可能です。
問い合わせ対応
社内、社外からの問い合わせ対応も無人化することが可能です。
問い合わせ対応は、多くのコストがかかる業務です。社外からの問い合わせに対しては対応する人と設備、教育が必要ですし、社内問い合わせに対応するヘルプデスクでも、人員やシステム、FAQサイトなどが必要になります。こういった問い合わせ対応を無人化できれば、人件費や設備費などを大きく減らすことができるでしょう。
また、人のスタッフによる対応では間違った対応を取る可能性がありますが、無人化システムであれば過去データや読み込ませたプログラムを参照するため、常に正しい対応ができる可能性があります。
営業
営業も無人化ができる業務のひとつです。
会話ができるAIシステムなどを利用すれば、お客様に対してヒアリングを行い、最適なサービスの提案ができる可能性があります。初期の接客のみをAIが行い、営業担当者に引き継ぐという利用もでき、営業活動の効率化が期待できます。
また、メールや電話といった遠隔の手段で営業を行うインサイドセールスにおいても、無人化することが可能です。リストやデータを学習させることで、見込み客に対してアプローチを自動化するという使い方もできるでしょう。
施設案内
施設案内も無人化しやすい業務です。
施設の案内においては、場所や設備の確認、商品や店舗の確認など、特定の目的に対する案内が基本的な業務になります。複雑な質問がないからこそ、システムによって無人化がしやすいといえます。対話AIシステムなどを利用すれば、利用者の質問に対して施設の案内を自動化できる可能性があります。
外国語に対しても、AIであればひとつのシステムで複数の外国語に対応が可能であり、外国語での対応のためのスタッフを雇用する必要がありません。
接客
接客業務も無人化が可能な業務です。店舗や施設において、お客様をおもてなしをするスタッフをシステムによって無人化できるのです。
飲食店や小売店などの店舗での商品の案内や販売、ホテルやアミューズメント施設などでの接客、病院やスポーツジムなどでの案内など様々な場面で接客が必要ですが、これらをシステムに代行してもらうことで無人化できる可能性があります。
AIシステムなどは、人のスタッフと同じように会話をしながら接客をすることができるので、サービスの質を落とさずに無人化ができます。
配膳・配送
配膳や配送の業務も無人化できる業務です。
飲食店における配膳のためには多くの人のスタッフが必要ですが、これをロボットが行うことで、無人化ができるのです。配送に関しても、ロボットが代行することが可能です。
今後、ロボットによって無人化されることが期待されている分野です。
ピッキング
倉庫内の製品を集めるピッキングの作業は無人化することができます。
自動倉庫システムや自動搬送ロボットなどを利用することで、倉庫への入出庫や管理を自動化できます。
AIを組み込んだロボットやクレーン、シャトル台車などが自動で製品をピックしてくれるので、ピッキング業務の人員が必要なくなりますし、身体的な負荷を減らすことができます。
レジ
フルセルフレジやセミセルフレジなどは現在も多くの店舗で利用されていますが、レジも無人化することができます。
店舗で会計をするためには、バーコードなどを読み取る人員が必要でしたが、それをカメラや顧客自身が行うことで無人にできるのです。
不正利用を防ぐための対策を行う必要はありますが、レジの無人化によって人件費削減や24時間営業の実現など多くのメリットが得られるでしょう。

無人化を行えるサービス
様々な業務を無人化できることがわかりましたが、実際に無人化するためのシステムにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、いくつか無人化に寄与するサービスを紹介します。
対話AIシステム
対話AIシステムとは、AIが人の発話を聞き取り、音声で対話することができるシステムです。
まるで人と話しているかのように対応ができるので、受付や接客、案内、ヘルプデスクなど質問に対する回答が必要な業務を無人化できる可能性があります。電話での会話なども可能なので、コールセンターやインサイドセールス、問い合わせ対応などでの利用も期待できるでしょう。
やりとりのデータを蓄積しマーケティングに利用したり、FAQなどでデータをまとめたりと、無人化だけでなく様々なメリットが得られるシステムです。当サイトで紹介している「接客オンデマンドAI」もこの対話AIシステムとなります。
AIチャットボット
AIチャットボットとは、テキストチャットでの質問に対して、自動で回答をしてくれるサービスです。おもに問い合わせ対応や施設案内などを無人化することができます。
データを学習させることで、AIがあらゆる質問に答えてくれます。さらに、データや蓄積されたログをもとにAIが自己学習し、より正確な情報を回答できるようになります。
モニターを設置するだけで導入できる手軽さもAIチャットボットのメリットです。
ロボット
ロボットは、人のスタッフが現実空間で行っている業務を無人化することができるサービスです。
製造を行うような産業用ロボットや、配膳や配送を行うロボット、建設業で用いられる点検ロボット、医療や福祉・介護業界で用いられるロボットなど様々なものがあります。
ロボットを用いることで、人間には負担の大きい作業や危険性を伴う作業などを無人化することができ、経営者だけでなく作業者にも大きなメリットが得られると期待されています。
無人化が有効な業界・業種
ここまで、無人化できる業務内容や無人化を実現できるサービスを紹介してきましたが、どのような業界や業種で無人化が可能なのでしょうか。無人化が有効な業界・業種を紹介します。
小売業界
小売業界ではレジの無人化が可能です。店舗のレジをセルフレジにしたり、カメラを利用した無人会計システムを導入することで、無人にすることができるのです。
小売店舗において大きな費用のかかるレジスタッフの人件費を減らすことで、コストを削減できるでしょう。また、家電量販店などでの商品説明なども、音声対話AIなどを活用することで無人化ができます。
ただ、商品の陳列などは人間が行わなくてはならない点には注意が必要です。将来的には陳列なども行えるロボットが開発される可能性はあります。
アパレル業界
アパレル業界でも無人化が可能です。豊富なデータベースがあるので商品の紹介や提案などを音声認識AIが行うことができますし、レジの無人化が可能です。試着などもARによって可能になってきています。
店舗で人のスタッフが行っている接客や試着案内、会計作業が必要なくなるので、人件費を大きく削減できます。
ただし、品出しや売り場作りなどの作業はまだ無人化が難しいかもしれませんが、一定の業務は無人化ができるでしょう。
フィットネス業界
フィットネス業界でも無人化が進んでいます。
フィットネス施設ではスマートロックや受付システムを採用することで受付を無人化し、さらに予約管理システムや会員管理システム、入金管理システムなどを採用することで、完全に無人化をすることができます。
入会・予約・決済をすべてオンラインで対応することができるので、ユーザーはスマートフォンひとつで利用できます。
フレキシブルオフィス業界
シェアオフィスやコワーキングスペースなどのフレキシブルオフィス業界では無人化が可能です。
シェアオフィスやコワーキングスペースでも、自動受付システムやスマートロック、決済システムを設置することで無人化が可能です。
店頭にQRコードを表示するだけで利用してもらえることから、利用までの手軽さも魅力です。

無人化を実現した事例
システムによる無人化は様々な業界において進んでいます。ここでは、無人化を実現した事例を紹介します。
家電量販店でAIが接客
家電メーカーであるハイセンスジャパン株式会社では、自社製品のテレビ販売コーナーでAI接客を実施。
販売コーナーに置かれたタブレットから、自社製品の情報を学習したAIが接客を行います。お客様の住環境や用途に合わせてAI販売員がテレビ選びを案内。全国の家電量販店に対して導入を行うことで、人件費を抑えながら接客機会を最大化することが期待されています。
自社のテレビの独自機能や特徴を学習しているので、メーカー販売員を送り込むことなく営業が可能ですし、店舗スタッフが効率的に接客する用途にも活用できています。
参照:https://www.bemotion.co.jp/ondemand/case/hisense
社内問い合わせ業務をAIチャットボットで無人化
引用:クラスメソッド株式会社(https://classmethod.jp/news/20231003-gen-ai-helpdesk/)
クラスメソッド株式会社では、社内問い合わせ業務に生成AIチャットボットを利用して無人化を実施しました。
総務・労務・経理・法務・情報システムなど多岐にわたる社内問い合わせをチャットボットが代行。社内の問い合わせに対する一次対応をチャットボットが行うことで、人の負担を大きく減らすことに成功しました。
70%を超える人が回答が役に立ったと評価しており、その対応品質も問題ないことがわかります。
参照:https://classmethod.jp/news/20231003-gen-ai-helpdesk/
カメラとAIで無人店舗を実現
引用:株式会社セキュア(https://secureinc.co.jp/news/detail.html?id=2048)
株式会社セキュアは、無人の実験店舗「セキュアAIストアラボ2.0」を新宿住友ビル地下1階にオープンしました。
この店舗は入店前にマートフォンのアプリをダウンロードし、クレジットカード情報を入力。監視カメラのみで購入者と購買品を特定し、退店時に自動で会計を行います。
天井に設置した15台の監視カメラとAIによって、正確に顧客と商品を把握し会計を行うことができ、無人で店舗を運営することが可能です。
参照:https://mujintenpo.jp/column/case-studies/
まとめ
無人化することによって様々なメリットが得られます。無人化できるところは無人化することで、人のスタッフは注力すべきコア業務に集中することができます。無人化が可能な業務は多くあるので、自社でも無人化ができないか確認してみましょう。
接客オンデマンドAIでは、人のスタッフに代わって対話型AIシステムがあらゆる業務を行える場合があります。GPT連携により膨大なデータを学習させることができるので、あらゆる質問に回答が可能。人からの発話を聞き、自然な文章で最適な回答、提案を行います。
受付や問い合わせ対応、営業、施設案内など、幅広い業務を無人化することができます。ぜひご相談ください。