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ロボット導入に利用できる補助金、助成金とは?補助金の種類を紹介

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補助金

ロボットに関する補助金・助成金が続々と登場しています。

近年、ロボットは工場などだけでなく接客や配膳、受付などにも導入されることが増えました。ただ、自社にロボットを開発・導入しようと思ったときには、コストが課題になることも多いと思います。

そこで今回は、ロボットを導入するときに活用できる補助金や助成金を紹介します。ロボット導入のメリットなども解説するので参考にしてください。

ロボットを導入するメリット

ロボット
まず、ロボットを導入することで、どのようなメリットが得られるのかを解説します。

人件費削減

ロボットの導入により、人件費の削減ができます。接客や受付などでは対応するスタッフが必要でしたが、ロボットを導入すればそういった人を配置する必要がなくなる、もしくは配置する人数を減らすことができます。

人件費は大きな支出ですが、それを減らすことで大幅なコスト削減が可能になるのです。

また、人材確保のための求人も不要になることから、採用に関する費用も削減できます。

作業効率アップ

ロボットは、指示を正確に実行することから、作業効率が高まります。

人間の場合、どうしてもミスが起こりますし、体調の変化にも左右されます。ロボットであれば、指示に対して正確に行動しますし、体調に左右されることもなく決まった成果を出してくれます。

配膳や接客、受付などにおいても業務をロボットが行ってくれることで、人間のスタッフは分析や戦略策定などのコア業務に集中することができ、より生産性を高めることができます。

サービス品質の向上

ロボットを利用することで、サービス品質の向上も期待できます。

例えば、外国人相手の接客。人間が実践するためには外国語の習得が必要ですが、ロボットであれば外国語のデータをインプットさせておけばよいだけです。

本来外国語を話せるスタッフを雇う必要がありますし、ひとりで複数の国の顧客に対応するのは難しいです。ですが、ロボットを利用すれば1台で世界のあらゆる言語に対応することが可能になります。

このように、ロボットを導入することであらゆるサービスを向上させることができるのです。

ロボットについては以下の記事でより詳しく解説しています。
『接客ロボットとは?ロボットのメリット・デメリット、事例を紹介』

ロボット導入には補助金が利用できる

ロボットには多くのメリットがありますが、導入にはシステムの開発や設計、導入における調整、運用などが必要になります。そのため、ロボットをいざ導入したいと思っても、コスト面から断念するという方も多いと思います。

そんな方におすすめなのが、国や自治体が行っている助成金や補助金です。国や自治体は、ロボットを普及することで、少子高齢化によるリソース不足を解消するとともに、生産性を高めてより経済を発展させることを目的として、助成金や補助金を給付しています。

こういった補助金を利用すれば、負担を抑えながらロボットを導入することができます。補助金には様々なものがあり、複数の補助金を組み合わせることも可能なので、有効に活用しながらロボットを開発・導入しましょう。

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ロボット導入に利用できる補助金

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ロボットの導入に関して利用できる補助金として、3大補助金と呼ばれるものがあります。これは事業再構築補助金、IT導入補助金、ものづくり補助金です。さらに、各自治体は補助金を給付しており、ロボットの導入に利用することができます。それぞれについて解説します。

事業再構築補助金

事業再構築補助金とは

事業再構築補助金とは、ポスト・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための補助金です。新市場進出、事業・業種転換、事業再編など、思い切った事業再構築を補助する意図で給付されています。

企業規模や枠にもよりますが、100~1億5千万円という補助額を支給してもらえます。補助率は1/2~1/3となっており、新事業にかかる投資の大きな部分を支援してもらえます。

この補助金は新事業に対しての補助金なので、ロボットを活用した新しい事業を行う必要があります。例えば、ロボットを利用した店舗の運営やロボットを提供するサービスの立ち上げなどが考えられます。

応募状況によっては早めに終了することもあるとされているので注意が必要です。

事業再構築補助金の条件・内容

補助金額は枠と従業員の数によって異なります。枠には成長枠、グリーン成長枠があります。

成長枠

要件としては、取り組む事業が過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していることとされています。補助額は以下です。

従業員数20人以下 100万円~2,000万円
従業員数21~50人 100万円~4,000万円
従業員数51~100人 100万円~5,000万円
従業員数101人以上 100万円~7,000万円

補助率は以下です。

グリーン成長枠(エントリー)

成長枠と同じように追加してください

従業員数20人以下 100万円~4,000万円
従業員数21~50人 100万円~6,000万円
従業員数51人以上100万円~8,000万円
中堅企業等100万円~1億円

補助率は成長枠と同じです。

グリーン成長枠(スタンダード)

成長枠と同じように追加してください

中小企業者等100万円~1億円
中堅企業等100万円~1.5億円

補助率は成長枠と同じです。

IT導入補助金

IT導入補助金とは

IT補助金とは、中小企業・小規模事業者を対象に、ITツールを導入する経費の一部を補助するものです。

自社の課題やニーズに合ったITツールを導入することを目的とした通常枠と、サイバーセキュリティのリスク軽減を目的としたセキュリティ対策推進枠、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化を推進することを目的としたデジタル化基盤導入枠があります。

ロボットも広い意味ではITツールになり、通常枠を利用することができ、補助金を活用することができます。

IT導入補助金の条件・内容

補助金の対象は業種ごとに資本金と従業員数が設定されています。中小企業(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)が対象となります。

業種 資本金・従業員
製造業、建設業、運輸業 3億円・300人
卸売業 1億円・100人
サービス業(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) 5,000万円・100人
小売業 5,000万円・50人
ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) 3億円・900人
ソフトウエア業又は情報処理サービス業 3億円・300人
旅館業 5,000万円・200人
その他の業種(上記以外) 3億円・300人
小規模事業者
業種 従業員
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 20人以下
製造業その他 20人以下

ロボットの導入には、通常枠を利用することになりますが、以下のように定められています。導入費の1/2以下、450万円以下で補助してもらえます。

A類型B類型
補助額5万円~150万円未満150万円~450万円以下
補助率1/2以内1/2以内

ものづくり補助金

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金とは、中小企業による生産性向上のための革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金です。

ものづくり補助金では、新商品の開発や生産、提供プロセスの改善を行う設備投資が対象になるので、これに該当するロボットの開発や導入であれば利用ができます。

例としては、配膳ロボットの導入や受付へのAIロボットの開発、導入などに利用できるでしょう。

ものづくり補助金の条件・内容

補助率は中小企業や小規模事業者、型によって異なり、その額の1/2、もしくは2/3が補助されます。

ものづくり補助金の補助対象者は以下です。

業種資本金従業員(常勤)
製造業、建設業、運輸業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業
(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)
5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ゴム製品製造業
(自動車または航空機用タイヤ、チューブ製造業
、工業用ベルト製造業を除く)
3億円900人
ソフトウエア業、または情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種(上記以外)3億円300人

ロボットに利用できる各自治体の補助金

ロボットの開発や導入には、自治体の補助金も活用できます。一例として以下のようなものがあります。自社の所在地の自治体を確認しましょう。

自治体補助金
北海道介護ロボット導入支援事業費補助金
秋田県令和4年度秋田県介護ロボット等導入推進支援事業費補助金の計画募集
宮城県介護ロボット・ICT導入支援事業
山形県令和4年度山形県ICT導入支援事業費補助金/介護ロボット導入支援事業費補助金
茨城県地域医療介護総合確保基金「ロボット介護機器普及支援事業」及び「ICT導入支援事業」
栃木県介護労働環境・処遇改善事業「介護ロボット導入支援事業」と「ICT導入支援事業」
群馬県介護ロボット等導入支援事業
千葉県千葉県介護ロボット導入支援事業費補助金
埼玉県埼玉県介護ロボット普及促進事業費等補助金
東京都デジタル機器導入促進支援事業、次世代介護機器導入促進支援事業
神奈川県ロボット導入支援補助金、ロボット関連産業等促進事業補助金、神奈川県ICT導入支援事業費補助金
新潟県新潟県介護ロボット導入支援補助金
長野県ICT導入支援事業、介護ロボット導入支援事業
山梨県テクノロジーを活用した業務効率化モデル事業
富山県富山県介護ロボット導入促進事業補助金
岐阜県ICT導入支援事業費補助金、介護ロボット導入促進事業
石川県介護施設ICT・IoT導入促進事業費補助金
福井県福井県ICT導入支援事業補助金
滋賀県介護職員職場環境改善支援(介護ロボット導入支援)事業費補助金、介護職員職場環境改善支援(ICT導入支援)事業費補助金
愛知県中小企業デジタル活用支援補助金
三重県三重県介護従事者確保事業費補助金(ICT導入支援事業)
大阪府「大阪府介護ロボット導入活用支援事業補助金」
奈良県令和4年度奈良県介護人材確保対策総合支援補助金
和歌山県令和4年度介護ロボット等導入支援事業補助金
鳥取県令和4年度鳥取県介護分野ICT導入支援事業」/「令和4年度介護ロボット導入支援事業
島根県令和4年度介護ロボット等導入に係る意向確認
岡山市設備導入サポート補助金
広島県広島県介護事業所ICT導入支援事業、広島県介護ロボット導入支援事業
徳島県令和4年度介護ロボット導入支援事業「実施希望調査」と令和5年度の「実施予定調査」
愛媛県介護ロボット導入支援事業、ICT機器導入促進事業費補助金
山口県介護ロボット導入支援事業、「介護事業所ICT導入セミナー」の開催
香川県ICT導入支援事業、介護ロボット導入支援事業
高知県介護ロボット・ICT機器(準備中)
福岡県令和4年度福岡県ICT導入支援事業費補助金、令和4年度DX推進補助金
大分県介護サービス事業所ICT導入支援事業、介護ロボット導入支援事業
熊本県令和4年度介護職員勤務環境改善支援事業費(介護ロボット)補助金
宮崎県宮崎県介護ロボット導入支援事業

まとめ

この記事で紹介してきたように、ロボットの開発や導入に利用できる補助金は多々用意されています。コスト面がロボットの導入の課題になっている場合には、補助金を活用することで導入を進めましょう。

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補助金を活用してのロボット導入を考えている方はぜひご相談ください。