コールセンターにAIを導入するには?メリットや費用感、サービスを紹介

AIの時代が到来し、コールセンターへのAI導入も一般的になってきました。AIの力を借りてコールセンターの業務を効率化したい、でも導入方法が分からない、失敗の不安があるという企業も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、コールセンターへのAI導入のメリットやデメリット、費用体系・費用感、おすすめのサービスなどを紹介します。具体的な導入事例、スムーズにAIをコールセンターに導入するための注意点も解説します。
コールセンターでのAI活用

コールセンターにAIを導入する前に、まずはコールセンターで活用されているAIの概要や活用方法について解説します。
コールセンターAIとは
まず、コールセンターで利用できるAIとはどのようなものかを説明します。コールセンターでは、電話やチャットでのお客様からの問い合わせに対応することになります。コールセンターAIとは、この業務自体を代行したり、人のスタッフのサポートをAIが行うサービスのことを指します。
AIはお客様との会話を認識することができ、その内容を文字起こししたり、初期対応をAIが行ったり、コールセンタースタッフに対して回答のヒントとなる情報を表示したりといったことが可能です。また、問い合わせ内容や顧客情報などをAIが分析することでマーケティングへの活用なども可能です。
コールセンターAIの導入状況
コールセンターAIは現在、どれくらい導入されているのでしょうか。楽天コミュニケーションズが行った調査では、『自社のコンタクトセンターにおけるAIの活用状況は、52.7%が「活用している」、40.5%が「活用に向けて準備中」』となっています。コールセンターの大半がAIの活用に取り組んでいる状況となっていることがわかります。
コールセンターAIの利用方法としては、『「AIチャットボットによる応対の自動化・省力化」(66.8%)が最も多く、次いで「AI-IVR(自動音声応答システム)による応対の自動化・省力化」(50.7%)、「顧客の感情分析による応対品質向上」(47.8%)』となっています。
また、ナイスジャパンの調査によると、コールセンターへの生成AIの活用状況は、導入・運用している企業は17.2%で、導入を進めている企業は32%でした。コールセンターの半数程度がAIの活用に乗り出していることがわかります。
ここでは、「世界のコールセンター AI市場規模は、2023 年に 16 億米ドルと評価され、2024 年の 19 億 5000 万米ドルから 2032 年までに 100 億 7000 万米ドルに成長すると予測」されており、今後も導入が進むと思われます。
コールセンターでAIが求められている理由
このようにAIが求められている理由は何なのでしょうか。
コールセンターでAIの導入が進む理由としては、オペレーターの離職が増えていることが原因として挙げられます。コールセンターから異職種へ転職した経験がある人へのアンケート調査によると、平均勤続年数は2年5カ月であり、回答者の8割が3年以内に離職していました。そして、コールセンターのオペレーターが辞める原因としては、「ストレスが多い」がもっとも多くなっています。コールセンターにAIを用いることで、オペレーターのストレスを軽減することができ、それによって離職を減らすことができるのでAIが求められていると思われます。
また、コールセンターでは、人材の確保も課題となっています。少子高齢化に伴う労働人口の減少により、コールセンター業務に人手を割り当てることが難しくなっている企業は少なくありません。加えて、コールセンター業務は専門知識やクレーム対応など精神的負荷の高い業務も含まれるため、採用してもすぐに定着しないケースがあるでしょう。このような人材確保の難しさを背景に、AIを導入することで限られた人員でも対応件数を維持できる体制づくりが進められているのです。
コールセンターでのAI活用シーン
コールセンターではさまざまな業務がありますが、AIはどのようなシーンで用いることができるでしょうか。活用方法とともに解説します。
問い合わせ対応
コールセンターではお客様からの問い合わせに対しての対応を行いますが、この業務にAIを用いることができます。
コールセンターには、商品やサービスについての問い合わせ、施設に関する質問、企業や社員についての質問など、さまざまな問い合わせが寄せられます。こういった問い合わせ内容の多くは、営業時間、料金プラン、手続き方法など、あらかじめ想定できる定型的な質問が占める割合が高いです。定型的な一次対応をAIに任せることで、限られた人員でも問い合わせ全体をカバーしやすくなります。
AIを活用すれば、24時間365日いつでも対応できますし、営業時間外の問い合わせにもAIが即座に回答できるため、顧客を待たせることなく満足度の向上にもつながります。
カスタマーサポート
コールセンターではカスタマーサポートも行いますが、ここでもAIを用いることができます。
カスタマーサポートでは、顧客が購入した商品やサービスに対する操作方法への説明、契約に関する確認、不良品受付、交換対応などを行います。こういった業務に対しても、AIにFAQやマニュアル、顧客情報などを学習させることで対応が可能になります。
また、企業などではPCやソフトウェア、メール、ネットワークなどに関する操作方法の説明、質問対応を行うテクニカルサポートの業務もAIが対応できます。
注文受付
コールセンターではAIが注文受付を行うことも可能です。
注文の受付では、電話やチャットなどで注文の商品の情報を確認するとともに、顧客情報のヒアリングなども必要になります。AIは商品のデータベースや顧客情報を学習することで、会話を進めるだけでカタログ通販や定期購入などの注文ができるのです。
AIは自然な会話が可能なので、曖昧な質問への確認やお客様の好みから提案なども可能です。
クレーム受付
クレームの受付にもAIを用いることが可能です。
クレーム対応はオペレーターにプレッシャーがかかる場面でありますし、対応を誤ると企業は大きな影響を受けてしまいます。AIに対して、クレームに関するマニュアルや顧客情報を学習させることで、AIがオペレーターに対して正しい対応や回答のヒントなどを表示することができます。
それによって人のオペレーターの負担を軽減するとともに、より正しい対応ができるようになり、企業の損失を抑えることができるでしょう。
予約受付・変更対応
コールセンターでは予約の受付や変更対応にもAIを活用できます。
予約受付では、日時の確認や空き状況の照会、必要事項のヒアリングなど、やり取りの流れがある程度パターン化しています。AIに予約システムや空き状況のデータベースを連携させることで、電話やチャットでの会話を通じて予約の登録や変更をそのまま完了させることが可能になります。
また、既存の予約について「日時を変更したい」「キャンセルしたい」といった要望にも、本人確認を行ったうえでAIがそのまま対応できるため、オペレーターを介さずに手続きを完了させることができます。
一次架電・アウトバウンド対応
コールセンターでは、企業側から顧客に電話をかける一次架電やアウトバウンド対応にもAIを活用できます。
アウトバウンド対応では、案内内容や確認事項がある程度決まっているケースが多く、AIが自動音声で発信し、定型的な内容を伝えるだけで完了する業務が少なくありません。人が一件ずつ架電する場合と比べて、AIであれば同時に多くの架電を処理できるため、短時間で大量の顧客に連絡を取ることが可能になります。
例えば、支払い期日のリマインド、キャンペーンやセミナーの案内、アンケートの一次架電などは、AIによる自動音声対応との相性が良い業務です。一方で、契約内容の交渉や解約の引き止めなど顧客の反応に応じた柔軟な対応が求められる架電はAIだけでは対応が難しく、人による架電が必要になります。

コールセンターでAIを利用するメリット
コールセンターでのAI活用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、コールセンターにAIを導入するメリットを紹介します。
従業員の工数削減
コールセンターにおいてAIを活用することで、スタッフの作業負担を減らすことができます。
コールセンターの業務においては、音声通話終了後の書き起こしや要約を人が行うには多くの時間がかかります。しかし、AIを用いることで会話中の音声を自動で文字に起こしてもらえますし、要約なども短時間で行ってもらえます。
日本経済新聞の記事によると、『平均すると5割弱の業務時間の削減効果を見込んでいた』とのことです。AIによって、人の工数を大きく減らすことができるのです。
スタッフのストレス緩和
AIをコールセンターに用いることで、スタッフのストレスを緩和することができます。
コールセンターでは理不尽な要求やクレームを受けることがあります。こういった場面では、顧客から罵声を浴びせられたり謝罪をしなくてはならなかったりといったことでストレスがかかります。
AIを利用すれば適切な対応方法を提案してもらうことができますし、お客様への回答を表示してもらうことで自分で考える負担を減らせます。また、自身の心理状況をAIに話すことでストレスを緩和するという使い方もできます。
また、お客様のなかには人のスタッフと直接話すことにストレスを感じる人もいますが、AIを使用すればそのようなストレスを減らせるので、本来コールセンターを利用しない人も利用する可能性があります。
コストの削減
コールセンターにAIを導入することでコストを大きく削減できます。通常、コールセンターの運用には多数の人材を必要とし、それらの人々を雇用するのには大きなコストがかかります。コールセンターの場所や設備も必要ですし、研修などの教育に対するコストも必要になってきます。これらはコールセンターを運営する上で大きな負担になります。
しかし、AIを活用することで質問への自動応答、要求への即時対応などの従来のオペレーターが担当していた多くのタスクを自動化でき、人員削減が可能です。また、AIのシステムがあればよいので、場所や設備を大幅に小さくすることができます。
そのため、人件費の削減や過度な業務負担によるスタッフの離職、それによる採用費・人材育成費の負担、設備に対するコストを抑えることができ、全体的な運用コストを大幅に下げることが可能です。
もちろん、AIシステムの導入の費用やAIへの事前学習や運用時の学習のためにはコストが必要ですが、人を採用するよりもコストを抑えることができます。
属人性の改善
AIを活用することで、コールセンター業務における属人性の改善も期待できます。人が対応する場合、個々の担当者による対応内容の差異や、知識のレベル、レポートの品質、コミュニケーションスキルの違いなどが出てきます。
AIではひとつのAIシステムがすべての対応を行うので、回答の内容・品質は一定になります。また、顧客管理システムなどと連携することで、顧客データをもとにした回答なども可能であり、人が行うような顧客に寄り添った接客も可能です。AIを導入することで、属人的な差異を最小限に抑えることができ、より良いレベルのサービスを提供可能なのです。
また、AIはデータの活用もできます。既存のスタッフの会話データなどをAIで分析することで、スタッフごとの問題点を把握し解決できます。これによりサービスの品質を向上させられます。
対応力の向上
AIの導入により、コールセンターの対応力を大きく向上させられます。
人間のスタッフのみが対応する場合、どうしてもリソースに制限があります。深夜などに対応するのは難しいですし、もし24時間対応にしたとしても深夜は人材が足りず、対応が遅くなることなどもあるでしょう。
AIであれば365日24時間稼働が可能ですし複数の問い合わせにも対応できるので、常に迅速な対応ができます。自社に関する情報だけでなく、一般的なデータベースの情報から回答することも可能なので、人よりも広い質問に対応することができます。行動予測ができるAIなどを活用すれば顧客の課題を正確にとらえ、最適なタイミングで提案もできるでしょう。
また、AIのなかには表情や話し方をもとに感情を分析するものがあります。こういったものを利用すれば、顧客の感情をとらえながら回答をすることが可能で、より満足度を高めることができるでしょう。
このように、コールセンターにAIを導入することで、時間や情報、内容、顧客層などにおいて対応力を向上させることができるのです。
コールセンターでAIを利用するデメリット
コールセンターでAIを活用するときにはデメリットもあります。
時間と費用がかかる
コールセンターでAIを利用する場合、すぐに業務を開始できるというわけではありません。自社の情報やシナリオ、FAQなどをAIに対して学習させるための時間とコストがかかります。
また、AIシステムではシステムの初期の導入費用とシステム利用料、運用費用などがかかります。回答数ごとに費用がかかるものなどもあるので、運用時にも相応の費用がかかります。
人が対応する場合と比較しての時間的費用的コストを比較して、AIを活用するかどうかを判断するのがよいでしょう。
顧客に間違った回答をするリスク
コールセンターAIでは、顧客に間違った回答をするリスクがあります。AIは進化しており自然な日本語で回答ができるといえ、どうしてもおかしな回答をすることがあるのです。
こういった事実に基づかない誤った情報を生成する現象のことは「ハルシネーション」と呼ばれますが、ハルシネーションが起こってしまうとお客様を混乱させてしまいますし、最悪損失を与えてしまうかもしれません。
最大限こういったハルシネーションが起こらないように学習やテストを繰り返すとともに、誤った対応が発生したときに対応する体制や準備が必要になります。AIがミスをしたときの責任の所在もはっきりとさせておいたほうがよいでしょう。

コールセンターAIの費用体系・費用感
コールセンターAIの料金体系
コールセンターAIの料金体系は、主に次の5つのパターンに分けられます。
| 料金体系 | 概要 | 特徴 |
|---|---|---|
| 初期費用+月額固定制 | 導入時にシステム構築やAIの学習にかかる初期費用を支払い、その後は毎月定額の利用料を支払う方式 | 機能やプランのグレードによって金額が変わるのが一般的 |
| ID・ライセンス課金制 | 利用するオペレーターの人数(IDやアカウント数)に応じて月額費用が決まる方式 | 人数が増えるほど費用も比例して増えるため、小規模から大規模まで柔軟にスケールしやすい |
| 従量課金制 | 通話時間(分単位)や処理件数、応対件数に応じて費用が発生する方式 | 利用量が少ないうちは低コストで始められるが、通話量が多いコールセンターでは費用が膨らみやすい |
| 段階的プラン制 | あらかじめ用意された複数のプラン(利用量の上限や機能範囲が異なる)から選択する方式 | フリープランやお試しプランを用意しているサービスもあり、スモールスタートしやすい |
| 個別見積り型 | 料金を公開せず、企業の規模や要件をヒアリングしたうえで見積もりを提示する方式 | 多くのAIサービスがこの形式を採用しており、対応範囲やカスタマイズ内容によって金額が大きく変わる |
また、多くのサービスでは、上記の基本料金に加えて「通話料」や「オプション機能料」「シナリオ構築・チューニング費用」などが別途発生する点も押さえておきましょう。
コールセンターAIの費用相場
コールセンターAIの費用は、対応範囲や機能によって大きく次の3つの価格帯に分かれます。
「IVR・自動音声応答が中心のサービス」は、初期費用0円〜、月額3,000円〜1万円台からと最も導入しやすい価格帯です。あらかじめ用意した選択肢に沿って自動応答したり、通話内容を書き起こし・分析したりする機能が中心で、小規模なコールセンターや、まずはスモールスタートしたい企業向けの相場感です。
「AIチャットボット・音声対話AIを含むサービス」は、月額3万円〜10万円台程度が目安です。生成AIによる自然な会話対応や、FAQ・マニュアルの学習、オペレーター支援機能などが加わる分、単純な自動応答サービスよりも費用は高くなります。この価格帯には、初期費用として別途10万円〜数十万円程度のシナリオ構築・AI学習費用がかかるケースもあります。
「エンタープライズ向け・フル機能型サービス」は、月額数十万円〜100万円以上になることもあります。大規模なコールセンターへの導入や、既存システムとの連携、24時間365日体制での高精度な対応、詳細な分析・レポーティングまで求める場合はこの価格帯が中心です。
なお、通話量に応じた従量課金制のサービスは、通話量そのものが費用を左右するため、目安として1分あたり数円〜十数円程度の処理費用に、月間の想定通話時間を掛け合わせて概算する必要があります。通話量が多いコールセンターほど、固定額の料金体系より従量課金制の方が割高になる場合もあるため注意が必要です。
コールセンターAIサービス8選
コールセンターで活用できるAIにはどのようなサービスがあるのでしょうか。
接客オンデマンド AI

「接客オンデマンド AI」は、対話型生成AIを用いて音声で自然な会話ができるAIの開発・運用サービスです。大規模言語モデル(LLM)と独自のプロンプト生成アルゴリズムを使用することで、コールセンターにおける音声での質問に対して自然な日本語で回答することができます。商品知識や専門用語を独自に学習することができ、どんな質問にも回答ができるようになります。
お客様とのやり取りを文字起こししながら、正しい回答のヒントを提案するなども可能であり、クレーム対応なども行うことができます。
さらに、やり取りのデータは生成AIと分析AIの組み合わせによって分析が可能です。お問い合わせの声や市場の声に関するデータをもとに、より良いユーザー体験へと改善することができます。
AIへの学習や既存システムとの連携などは手厚いサポートがあるので、知識やリソースがなくても安心です。
COTOHA Voice DX Premium
「COTOHA Voice DX Premium」は、NTTドコモコミュニケーションズのAI自動応対サービスです。
自動発信、自動応答どちらにも対応しています。お客様からの問い合わせに対して、簡易な質問の投げかけを行うことができます。やり取りはテキスト化して出力、保存することが可能。
導入後にはチューニングを継続的に行うことで、導入後の精度向上、応対完了率向上を図れます。
AIコンシェルジュ
株式会社TACTが提供するAIコンシェルジュは、音声認識技術を活用したAI自動応答サービスです。
AIがお客様の問い合わせの意図を解釈して、最適な回答を提供します。受付完了メールの送信などをSMSで送信したり、オペレーターに電話を転送なども可能。
API連携などで基幹システムとの連携が可能なので、顧客データを集約することもできます。
IVRy
IVRyは、電話自動音声応答システムであり、音声案内や電話転送、SMS送信などを行えます。
基本的にはユーザーのほうで選んだ操作に対して、設定した内容を回答しますが、自動読み上げなどはAIが行います。
コストを抑えながら電話対応の負担を減らせるサービスです。
omnis
Google Cloud™ の機械学習のエンジンを利用したクラウド型のコールセンターサポートサービスです。
コールセンターのオペレーターのやり取りをテキスト化、分析、文章要約、翻訳をすることができます。対話における感情をスコアリングすることができ、対応改善に活かすことができます。
Google Cloud™を利用することで、設備費用が抑えられるとともに、Googleの高いセキュリティを利用することができます。
MiiTel
MiiTelは、やり取りを録音、書き起こし、分析、AIによるスコアリングができるクラウドIP電話です。
コールセンターでのお客様との通話内容の話す速度、ラリー回数、被せ率、感情などをAIが評価します。担当者自ら振り返り確認をすることができます。
SFAやSlackなどとも連携することができ、顧客との対応状況を一元管理できます。
transpeech
transpeechとは、「コンタクトセンターの課題解決を支援する」というコンセプトで開発された音声認識ソリューションです。
やり取りを音声認識エンジンがテキストに変換し、AIが必ず言わなくてはならないトークのチェック、間の確認を行うことで、オペレーターの品質向上を図ることができます。
NLP(自然言語処理)解析によるトーク分析サポートを行う専任部隊によって、アウトバウンドの獲得率や解約阻止の施策を提案し、売り上げ向上を助けてくれます。
AmiVoice
AmiVoiceは、コンタクトセンター向けの音声認識システムです。25年以上のノウハウが蓄積された高精度な音声認識エンジンによって、会話の内容を正確にテキスト化し、分析します。
AIがNGワードの検出、会話スピードやタイミングのチェック、感情分析などをおこなってくれるので、応対品質を向上させるとともに、オペレーターの学習コストを抑えることができます。
音声認識エンジンには、医療や金融、保険など業界特有の用語の認識ができるエンジンも用意されており、あらゆる業界において利用が可能です。

コールセンターにAIを導入した事例
ここでは、コールセンターにAIを導入して成功した事例を3つ紹介します。現状では、まだAIが人に代わって回答するという活用はされておらず、人の業務の補助を行っていることが多いようです。
トランスコスモス株式会社

引用:日経クロステック(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/02596/092900002/)
コールセンター業界の大手であるトランスコスモスでは、コールセンターのオペレーターの生産性を高めるために生成AIを活用しています。
オペレーターでは答えられない難しい質問が来た時に、オペレーターは生成AIを呼び出して質問をします。AIが過去の社内ドキュメント、FAQや仕様書などを参照し、最適な回答を導き出します。
コールセンターでAIを活用することで、難しい問い合わせでも顧客を待たせることなく回答ができるようになったとのことです。より専門知識を持つスタッフへ質問を引き継ぐエスカレーションの作業が不要になり、エスカレーションの6割を削減できる見込みとされています。
イッツ・コミュニケーションズ株式会社

引用:イッツ・コミュニケーションズ株式会社(https://www.itscom.co.jp/corporate/nrelease/fy2019/chnj9l00000045wq.html)
イッツ・コミュニケーションズ社は、サービスの多様化によって、オペレーターに求められる業務知識が大幅に増加し、短期間の研修で習得することが難しくなるなど、負担が増大していました。そこで、IBMのAIオペレーター支援システムを導入しました。
このシステムは、AIがすべて回答するのでなく、オペレーターをAIが補助してくれるものです。システムではAIが通話を音声認識し回答候補を自動検索してくれます。1通話ごとにAIが通話品質のフィードバック行ってくれるので、より応対品質向上を行うことができます。
システムを集中的に利用した約2カ月間では、 顧客応対時間には約10%の削減効果が見られ、新人研修で行う演習の日数も10日間から7日間に削減することができたとのことです。
株式会社東名

引用:AIサービス COTOHA®(https://www.ntt.com/business/services/application/ai/about-cotoha.html)
企業向けインターネットサービスを提供する東名株式会社は、NTTコミュニケーションズの音声認識システム「COTOHA Voice Insight」を活用しています。
COTOHA Voice Insightを活用し、コールセンターの通話データの分析を行っています。販売戦略は主にコールセンターでの電話営業に依存していましたが、契約が適切に行われたのか通話の詳細を確認する作業に手間と時間がかかり、作業効率の改善が必要だったとのことです。
そこでCOTOHA Voice Insightを活用することで、通話データをAIによってテキスト化。従来は4人が1日がかりでチェックしても15件程度が限界でしたが、4人で1時間あたり60件ほどのチェックができるようになりました。
ソフトバンク

引用:ソフトバンク(https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2024/20240318_01/)
ソフトバンクは2024年3月18日に、生成AIを活用してコールセンター業務を自動化するシステムを日本マイクロソフトと共同で開発することを発表しました。
問い合わせ内容に対する案内や契約内容の照会、契約変更手続きなどの業務を中心に生成AIを活用する予定です。このシステムは、LLMが検索意図を分類し、顧客との会話内容からAI自身がデータを参照する自律型のシステムです。それによって、決められたシナリオ以外の対応が可能になっています。
ソフトバンクのサービス内容やオペレーターの対応パターンなどの大量の情報を学習することで対応精度を高めるとともに、社内で保有するデータベースを参照して顧客への最適な回答を素早く導き出すことが可能です。
三井住友海上

引用:三井住友海上(https://active.nikkeibp.co.jp/atcl/act/19/00616/101500002/)
三井住友海上火災保険では、カスハラ対策としてAIを活用しています。
これは、事故応対の業務を行う「保険金お支払センター」において、通話内容を音声認識AIがテキスト化し、悪質なクレーム電話をAIがリアルタイムで検知し、マネジャーへ自動でメールを送信するものです。
登録した単語が会話のなかに登場すると、AIが検知を行うので、担当者の負担を減らすとともに早期にマネジャーへ知らせることが可能になっています。保険業界における専門用語や方言を追加学習することで、約92%の精度で認識ができるまでになっています。
また、顧客との応対記録の入力もAIが要約をしてくれ、業務時間を大幅に削減できる見込みとのことです。
AIの活用事例は以下でも解説しているので参考にしてください。
『企業における生成AIの活用事例紹介!現在の活用状況も解説』
コールセンターにAIを導入する時の注意点
コールセンターにAIを導入するときには注意すべき点があるので、事前に把握しておきましょう。
目的を明確化・周知
コールセンターにAIを導入する前には、目的やゴールを明確にし、それを社内に周知しましょう。
コールセンターを導入する場合には、従業員の負担の軽減やコスト削減、サービスの質の向上など様々な目的があると思います。こういった目的を明確にしておかなくては、開発するシステムの内容がずれてしまう可能性があります。必要ない機能をつけてしまったり、本来の目的とは異なる仕様になっていく可能性があります。
また、導入に際しては従業員において手間がかかりますし、各部署の協力が必要になります。目的が周知されていないと、こういった負担を避けるために協力が得られなかったり、システムの導入が進まなかったりという可能性があるのです。初期段階で目的は明確にし、周知をするようにしましょう。
運用体制を構築
コールセンターにAIを導入する前に、運用体制を構築するようにしましょう。
コールセンターAIを運用していくためには、データの集計や分析、AIへの学習、オペレーターへの操作方法の教育などが必要になります。こういった運用のための体制を社内に作る必要があるのです。
そのためには、IT知識のあるスタッフやデータ分析のできるスタッフなど、担当者を用意しなくてはなりません。また、社内でAIシステムを推進していく専任の担当者も必要になるでしょう。
AIにすべて任せない
AIにすべてを任せないということも、コールセンター導入前に知っておいたほうがよいことです。
AIは進化しており、幅広い業務に対応できるようになっています。ただ、すべての業務をAIに任せてしまうと、適切な対応ができなかったり間違った回答をしてしまったりといったことが起こる可能性があります。
特に、コールセンターにおけるクレーム対応などは神経を使う業務ですし、対応を誤ると大きな問題へと拡大してしまう可能性があります。音声AIがクレームに対応することは難しいので、あくまでAIはサポートに利用するなどの使い方をするのがよいでしょう。すべてAIに任せるのでなく、AIに任せる作業と人が行うべき作業は切り分けるようにするのがよいです。
運用・調整を行う
AIを導入した後でも、その運用と管理が必要です。たとえば、定期的な調査や分析、実証実験、施策の効果検証を行わなければいけません。
さらに、現在使用している基幹システムやリモートツールとの連携により、運用効果を高められ、その連携作業が必要です。
そのため、導入時や運用時にサポート体制が充実している会社を選ぶことが、スムーズで効果的なAIの運用に繋がります。
AIへの学習が必要
AIをコールセンターで効果的に活用するためには、運用前にAIの学習が必要です。
会話の設計や会話データ、テストデータの学習、応答の書き換えなど、AIが適切な対応を行えるようになるまで、一連の学習プロセスを行わなければいけません。
この学習期間は、AIのパフォーマンスと精度を高めるために不可欠ですので一定の時間と労力が必要です。時間とリソースを割けるような体制を整えておきましょう。
システム連携作業が必要
AIを導入する際には、既存のシステムとの連携作業も必要です。
コールセンターでは、CTIやCRM、MAツール、予約や受付管理システム、顧客や商品データベース、POSなどのシステムを活用していることが多いと思います。
これらのシステムとの連携により、AIはデータを分析して顧客の趣味嗜好や購買単価などを把握することが可能となり、より適切な対応を行うことができます。
AIが最適な提案を行うためにも、こういったシステムとの連携が必要になります。まずは現状どのようなCTIを利用しているかをチェックし、それに合わせて連携をしなくてはなりません。

コールセンターでのAI活用は接客オンデマンドがおすすめ
弊社のサービス「接客オンデマンドAI」は、音声認識型のAIを用いてコールセンターの業務をサポートするシステムです。
顧客からの問い合わせの音声を認識しテキスト化を行いながら、その回答に適した内容やヒントを表示します。また、音声の発話も可能なので初期対応のみAIに任せて、途中からスタッフが対応するということも可能です。自社のルールやマニュアルなど、独自の情報を読み込ませることができるので、あらゆる質問への対応が可能になります。
さらに、接客オンデマンドAIでは専任の担当者がつき、AIシステムの開発や運用をサポートするので、社内にIT知識に詳しい人材を採用する必要がありません。運用時の再学習や調整、データ分析などもスタッフが行うので安心です。
コールセンターへのAIの導入は、ぜひ接客オンデマンドAIにお任せください。
まとめ
コールセンターにAIを導入することで、管理者やカスタマースタッフの業務を効率化するだけでなく、コスト削減や顧客満足度の向上まで行うことができます。
AIの導入にはさまざまなメリットがありますが、一方で注意点もあるので事前に確認しておきましょう。導入には様々な作業が必要ですし運用も重要になります。
コールセンターのAIを選ぶときには、導入から運用後までを一貫してサポートしてくれるサービス、会社を選んでください。
接客オンデマンドでは、導入から運用まで一貫してサポートする体制が整っています。コールセンターへのAIの導入を検討している方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。
コールセンターAI活用の参考コラム:『電話越しで"人間"を感じる!AIがコールセンターを変革する未来』