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コールセンターでのAI活用の事例を紹介!メリットやサービスの種類も解説

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callセンターのAI

AIの時代が到来し、コールセンターへのAI導入も一般的になってきました。AIの力を借りてコールセンターの業務を効率化したい、でも導入方法が分からない、失敗の不安があるという企業も多いでしょう。

そこでこの記事では、コールセンターへのAI導入のメリットと具体的な導入事例を紹介し、リスクを避けながらスムーズにAIをコールセンターに導入するためのポイントを解説します。

コールセンターでのAI活用

コールセンター

コールセンターにAIを導入する前に、まずはコールセンターで活用されているAIの概要や活用方法について解説します。

コールセンターにおけるAIとは

コールセンターでのAI活用とはどのようなことを指すのでしょうか?

AI活用とは、AIがコールセンターにおけるスタッフの応対業務を代行してくれる、もしくはコールセンターでの会話データなどを分析し、よりよいサービスを提供できるように手伝ってくれるシステムを導入することです。

ユーザーは通常のコールセンターに問い合わせをするのと同じく、AIに質問や相談ができ、音声によって回答をしてもらえます。

企業はAIをコールセンターで活用することで、業務の効率化や顧客満足度アップ、人件費などのコスト削減に繋げることができます。

コールセンターで活用できるAIの種類

コールセンターで活用できるAIにはどのようなものがあるのでしょうか?それには以下のようなものが考えられます。

  • AIアバター
  • AIチャットボット
  • 音声自動応答システム

AIアバターとは、AIを使用したバーチャルな接客システムであり、アバターがユーザーとやりとりをします。オンライン上または対面などでAIが自動で回答してくれます。顧客との対話時に声や表情を分析し、より人間らしい自然なコミュニケーションを行うものもあります。

▶『AIアバターとは?接客でのメリット、活用シーンを紹介』

AIチャットボットは、ChatGPTのようにテキスト情報で顧客に対応してくれるAIです。コールセンターへの問い合わせの際にチャットを活用して、簡単な質問への回答やテキストでの会話を行ってくれます。

音声自動応答システムなどもあります。音声自動応答システムは音声認識ソフトウェアを介したユーザーとの対話システムです。あらかじめ用意したシナリオに応じたやりとりを自動化できます。通話データをAI音声認識で自動書き起こしてくれるものなどもあり、データを活用することができます。

コールセンターでAIを利用するメリット

コールセンターでのAI活用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、コールセンターにAIを導入するメリットについて3つ紹介します。

コストの削減

コールセンターにAIを導入することでコストを大きく削減できます。通常、コールセンターの運用には多数の人材を必要とし、それらの人々を雇用するのには大きなコストがかかります。コールセンターの場所や設備も必要ですし、研修などの教育に対するコストも必要になってきます。これらはコールセンターを運営する上で大きな負担になります。

しかし、AIを活用することで質問への自動応答、要求への即時対応などの従来のオペレーターが担当していた多くのタスクを自動化できます。また、AIのシステムがあればよいので、場所や設備を大幅に小さくすることができます。そのため、人件費の削減や過度な業務負担によるスタッフの離職、それによる採用費・人材育成費の負担、設備に対するコストを抑えることができ、全体的な運用コストを大幅に下げることが可能です。

もちろん、AIシステムの導入の費用やAIへの事前学習や運用時の学習のためにはコストが必要ですが、人を採用するよりもコストを抑えることができます。

属人性の改善

AIを活用することで、コールセンター業務における属人性の改善も期待できます。人が対応する場合、個々の担当者による対応内容の差異や、知識のレベル、レポートの品質、コミュニケーションスキルの違いなどが出てきます。

AIではひとつのAIシステムがすべての対応を行うので、回答の内容・品質は一定になります。また、顧客管理システムなどと連携することで、顧客データをもとにした回答なども可能であり、人が行うような顧客に寄り添った接客も可能です。AIを導入することで、属人的な差異を最小限に抑えることができ、より良いレベルのサービスを提供可能なのです。

また、AIはデータの活用もできます。既存のスタッフの会話データなどをAIで分析することで、スタッフごとの問題点を把握し解決できます。これによりサービスの品質を向上させられます。

対応力の向上

AIの導入により、コールセンターの対応力を大きく向上させられます。

人間のスタッフのみが対応する場合、どうしてもリソースに制限があります。深夜などに対応するのは難しいですし、もし24時間対応にしたとしても深夜は人材が足りず、対応が遅くなることなどもあるでしょう。

AIであれば365日24時間稼働が可能ですし複数の問い合わせにも対応できるので、常に迅速な対応ができます。自社に関する情報だけでなく、一般的なデータベースの情報から回答することも可能なので、人よりも広い質問に対応することができます。行動予測ができるAIなどを活用すれば顧客の課題を正確にとらえ、最適なタイミングで提案もできるでしょう。

また、人間と直接話すことにストレスを感じる人もいるというデータがありますが、AIアバターなどを使用すればそのようなストレスを減らせるので、本来コールセンターを利用しない人も利用する可能性があります。

このように、コールセンターにAIを導入することで、時間や情報、内容、顧客層などにおいて対応力を向上させることができるのです。

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コールセンターでAIを利用するデメリット

コールセンターでAIを活用するときにはデメリットもあります。

時間と費用がかかる

コールセンターでAIを利用する場合、すぐに業務を開始できるというわけではありません。自社の情報やシナリオ、FAQなどをAIに対して学習させるための時間とコストがかかります。

また、AIシステムではシステムの初期の導入費用とシステム利用料、運用費用などがかかります。回答数ごとに費用がかかるものなどもあるので、運用時にも相応の費用がかかります。

人が対応する場合と比較しての時間的費用的コストを比較して、AIを活用するかどうかを判断するのがよいでしょう。

思わぬ回答ミスが発生する

AIは自然な回答ができるといえ、どうしてもおかしな回答をすることがあります。

そういったミスをチェックするとともに、ミスが発生したときに対応する体制や準備が必要になります。AIがミスをしたときの責任の所在もはっきりとさせておいたほうがよいでしょう。

コールセンターにおけるAIの費用イメージ

コールセンターでのAI活用にはどういった費用がかかるのでしょうか?

多くのAIサービス提供会社のWebサイトには料金は掲載されておらず、問い合わせとなっています。規模や内容、AIへの学習、既存システムとの連携などによって費用は大きく変わってくるので明確な金額は書けないのです。

サービスサイトに掲載されていたとしても、その料金はAIを導入するのみの料金となります。実際はCTIによって大きく費用が変わりますので、導入を検討している人は問い合わせるのがおすすめです。

ちなみに、AIの導入費用については以下で詳しく解説していますので参考にしてください。

▶『AIの導入費用はどれくらいかかる?活用分野ごとの相場を紹介!』

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コールセンターで活用できるAIサービス8選

コールセンターで活用できるAIにはどのようなサービスがあるのでしょうか。

接客オンデマンド AI

「接客オンデマンド AI」は、オンライン接客ツールや接客ロボット、AIアバターなど接客に関するDXサービスを提供するビーモーション株式会社のAI接客ツールです。

AIを用いた自動応答サービスには、GPTを連携したLLM(大規模言語モデル)活用の対話AIとシナリオ型の対話AIを用意しています。

GPT連携モデルでは、商材の情報やFAQ、CRM、POSなどのデータを学習させることで、あらゆる質問に柔軟に答えることができます。質問対応だけでなく、接客風にユーザーに質問や誘導も可能です。チャット機能などもあるので、携帯電話のチャットでやり取りすることも可能です。

さらに、やり取りのデータは生成AIと分析AIの組み合わせによる分析サポートを行います。お問い合わせの声や市場の声に関するデータをもとに、より良いユーザー体験へと改善することができます。

AIへの学習や既存システムとの連携などは手厚いサポートがあるので、知識やリソースがなくても安心です。

▶「接客オンデマンド AI」についてはこちら

COTOHA Voice DX Premium

「COTOHA Voice DX Premium」は、NTTドコモコミュニケーションズのAI自動応対サービスです。

自動発信、自動応答どちらにも対応しています。お客様からの問い合わせに対して、簡易な質問の投げかけを行うことができます。やり取りはテキスト化して出力、保存することが可能。

導入後にはチューニングを継続的に行うことで、導入後の精度向上、応対完了率向上を図れます。

AIコンシェルジュ

株式会社TACTが提供するAIコンシェルジュは、音声認識技術を活用したAI自動応答サービスです。

AIがお客様の問い合わせの意図を解釈して、最適な回答を提供します。受付完了メールの送信などをSMSで送信したり、オペレーターに電話を転送なども可能。

API連携などで基幹システムとの連携が可能なので、顧客データを集約することもできます。

IVRy

IVRyは、電話自動音声応答システムであり、音声案内や電話転送、SMS送信などを行えます。

基本的にはユーザーのほうで選んだ操作に対して、設定した内容を回答しますが、自動読み上げなどはAIが行います。

コストを抑えながら電話対応の負担を減らせるサービスです。

omnis

Google Cloud™ の機械学習のエンジンを利用したクラウド型のコールセンターサポートサービスです。

コールセンターのオペレーターのやり取りをテキスト化、分析、文章要約、翻訳をすることができます。対話における感情をスコアリングすることができ、対応改善に活かすことができます。

Google Cloud™を利用することで、設備費用が抑えられるとともに、Googleの高いセキュリティを利用することができます。

MiiTel

MiiTelは、やり取りを録音、書き起こし、分析、AIによるスコアリングができるクラウドIP電話です。

コールセンターでのお客様との通話内容の話す速度、ラリー回数、被せ率、感情などをAIが評価します。担当者自ら振り返り確認をすることができます。

SFAやSlackなどとも連携することができ、顧客との対応状況を一元管理できます。

transpeech

transpeechとは、「コンタクトセンターの課題解決を支援する」というコンセプトで開発された音声認識ソリューションです。

やり取りを音声認識エンジンがテキストに変換し、AIが必ず言わなくてはならないトークのチェック、間の確認を行うことで、オペレーターの品質向上を図ることができます。

NLP(自然言語処理)解析によるトーク分析サポートを行う専任部隊によって、アウトバウンドの獲得率や解約阻止の施策を提案し、売り上げ向上を助けてくれます。

AmiVoice

AmiVoiceは、コンタクトセンター向けの音声認識システムです。25年以上のノウハウが蓄積された高精度な音声認識エンジンによって、会話の内容を正確にテキスト化し、分析します。

AIがNGワードの検出、会話スピードやタイミングのチェック、感情分析などをおこなってくれるので、応対品質を向上させるとともに、オペレーターの学習コストを抑えることができます。

音声認識エンジンには、医療や金融、保険など業界特有の用語の認識ができるエンジンも用意されており、あらゆる業界において利用が可能です。

コールセンターにAIを導入した事例

ここでは、コールセンターにAIを導入して成功した事例を3つ紹介します。現状では、まだAIが人に代わって回答するという活用はされておらず、人の業務の補助を行っていることが多いようです。

トランスコスモス株式会社

トランスコスモス
コールセンター業界の大手であるトランスコスモスでは、コールセンターのオペレーターの生産性を高めるために生成AIを活用しています。

オペレーターでは答えられない難しい質問が来た時に、オペレーターは生成AIを呼び出して質問をします。AIが過去の社内ドキュメント、FAQや仕様書などを参照し、最適な回答を導き出します。

コールセンターでAIを活用することで、難しい問い合わせでも顧客を待たせることなく回答ができるようになったとのことです。より専門知識を持つスタッフへ質問を引き継ぐエスカレーションの作業が不要になり、エスカレーションの6割を削減できる見込みとされています。

イッツ・コミュニケーションズ株式会社

ibm
イッツ・コミュニケーションズ社は、サービスの多様化によって、オペレーターに求められる業務知識が大幅に増加し、短期間の研修で習得することが難しくなるなど、負担が増大していました。そこで、IBMのAIオペレーター支援システムを導入しました。

このシステムは、AIがすべて回答するのでなく、オペレーターをAIが補助してくれるものです。システムではAIが通話を音声認識し回答候補を自動検索してくれます。1通話ごとにAIが通話品質のフィードバック行ってくれるので、より応対品質向上を行うことができます。

システムを集中的に利用した約2カ月間では、 顧客応対時間には約10%の削減効果が見られ、新人研修で行う演習の日数も10日間から7日間に削減することができたとのことです。

株式会社東名

cotoha
企業向けインターネットサービスを提供する東名株式会社は、NTTコミュニケーションズの音声認識システム「COTOHA Voice Insight」を活用しています。

COTOHA Voice Insightを活用し、コールセンターの通話データの分析を行っています。販売戦略は主にコールセンターでの電話営業に依存していましたが、契約が適切に行われたのか通話の詳細を確認する作業に手間と時間がかかり、作業効率の改善が必要だったとのことです。

そこでCOTOHA Voice Insightを活用することで、通話データをAIによってテキスト化。従来は4人が1日がかりでチェックしても15件程度が限界でしたが、4人で1時間あたり60件ほどのチェックができるようになりました。

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コールセンターのAI活用に必要なこと

コールセンターでAIを活用する際には、様々な作業が必要になります。

AIの学習

AIをコールセンターで効果的に活用するためには、運用前にAIの学習が必要です。

会話の設計や会話データ、テストデータの学習、応答の書き換えなど、AIが適切な対応を行えるようになるまで、一連の学習プロセスを行わなければいけません。

この学習期間は、AIのパフォーマンスと精度を高めるために不可欠ですので一定の時間と労力が必要です。時間とリソースを割けるような体制を整えておきましょう。

システム連携作業

AIを導入する際には、既存のシステムとの連携作業も必要です。

コールセンターでは、CTIやCRM、MAツール、予約や受付管理システム、顧客や商品データベース、POSなどのシステムを活用していることが多いと思います。

これらのシステムとの連携により、AIはデータを分析して顧客の趣味嗜好や購買単価などを把握することが可能となり、より適切な対応を行うことができます。

AIが最適な提案を行うためにも、こういったシステムとの連携が必要になります。まずは現状どのようなCTIを利用しているかをチェックし、それに合わせて連携をしなくてはなりません。

運用作業

AIを導入した後でも、その運用と管理が必要です。たとえば、定期的な調査や分析、実証実験、施策の効果検証を行わなければいけません。

さらに、現在使用している基幹システムやリモートツールとの連携により、運用効果を高められ、その連携作業が必要です。

そのため、導入時や運用時にサポート体制が充実している会社を選ぶことが、スムーズで効果的なAIの運用に繋がります。

コールセンターでのAI活用は接客オンデマンドがおすすめ

弊社のサービス「接客オンデマンド」は、AIやロボット、オンライン接客システムなどを利用した総合的な接客DXサービスです。コールセンターにおいても、AIに接客を行ってもらうことが可能です。

接客オンデマンドでは、「LIFE TALK」という次世代接客システムを採用しています。人の発話を正確に理解し感情を読み取るなど、最適な接客が可能です。

また、接客オンデマンドでは、サービス導入だけでなく運用までサポート可能です。AIの学習、顧客対応の分析、顧客データの解析、Web素材の制作、POP作成などのサービス導入後のサポートまでワンストップで支援します。

コールセンターへのAIの導入は、ぜひ接客オンデマンドにお任せください。

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まとめ

コールセンターにAIを導入することで、管理者やカスタマースタッフの業務を効率化するだけでなく、コスト削減や顧客満足度の向上まで行うことができます。

AIの導入にはさまざまなメリットがありますが、一方で注意点もあるので事前に確認しておきましょう。導入には様々な作業が必要ですし運用も重要になります。

コールセンターのAIを選ぶときには、導入から運用後までを一貫してサポートしてくれるサービス、会社を選んでください。

接客オンデマンドでは、導入から運用まで一貫してサポートする体制が整っています。コールセンターへのAIの導入を検討している方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。