ARの活用事例16選!利用イメージや作り方、おすすめのシステムも紹介

現実の世界を仮想的に拡張できるARを使えば、店舗や商品、風景などの映像に別の情報を加えて見せることができます。ただ、AR技術をどのように活用すればよいのか、ピンとこない人も多いのではないでしょうか?
そこでこの記事では、ARを活用したビジネスの成功事例を紹介し、導入のメリットや活用法、導入のポイントについて解説します。
ARとは
ARとは、拡張現実(Augmented Reality)のことで、現実の風景や商品などのリアルな映像に、文字、画像、映像など様々なデジタル情報を付加して見せることのできる技術です。
現実の風景にスマートフォンやタブレットをかざして見ることにより、実際の店舗や商品などの映像に文字で商品説明や案内を加えたり、仮想の画像や映像、CGを重ねて見せたりして、ユーザーによりリアルな情報を伝えることが可能になります。
接客や案内にARを導入すれば、バーチャルショップ体験や商品説明、企業案内などのリッチな体験を提供することができ、顧客満足度を高めることもできるでしょう。
ARの利用イメージ
ARは様々な利用方法が考えられます。ここでは、ARを用いることでどのようなことができるかのイメージを説明します。
シミュレーション
ARを利用することで、現実世界におけるシミュレーションができます。カメラやタブレットなどの端末上に、原寸大の物を配置することができるのです。
実際の部屋や土地に商品や建物を配置したときのシミュレーションを行うことができます。さらに、不測の事態が起こった場合のシミュレーションなども画面上に表示することができます。
フィッティング
ARを利用すれば、アイテムを着用した場合のフィッティングをバーチャル上で行うことができます。
いちいち商品を着る手間なく、着用した場合のサイズ感などのイメージを見ることができます。
地図案内
ARを利用すれば、カメラなどの画面上に道案内やガイドを表示することができます。観光地などでの道案内や、名所や観光スポットでの観光案内などに利用することができます。
画面上に実物大のモニュメントなどを表示することができるので、現実に作ることが難しいものでも風景のなかに見せることができます。
プロモーション
ARはプロモーションに活用できます。
お客様にQRコードなどをスマートフォンで読み込んでもらったり、専用のアプリを利用したりすることで、ARを利用したプロモーションを行えます。
画面上に商品の紹介動画や利用方法、企業の紹介を表示するなど、様々なプロモーションが可能です。ARを利用することで、より口コミやSNSでの拡散を促進する効果が期待できます。
レクチャー
ARは、手順や操作方法のレクチャーに活かすことができます。
スマートグラスやタブレット端末の画面上に、手順や操作方法を表示し行うべき内容を示すことで、作業のサポートやレクチャーを行うことができるのです。
手順の決まっている作業や、配送など指定の場所にあるものを取って運ぶなどの作業に活かすことができます。

ARの活用事例16選
ARコンテンツは、アイデア次第でさまざまな活用の仕方ができます。
業界別の活用事例を紹介し、どのようにARを利用しているのか、ユーザーにはどのような利便性があり、AR導入のメリットがあるのかを見ていきましょう。
1.ファイブリング株式会社
引用:ファイブリング株式会社(https://vr.and-comfort.jp/)
ファイルリング株式会社は、スイス生まれの健康シューズJoya(ジョーヤ)を販売する企業です。
JoyaのWebサイトではバーチャルショップを公開しています。ショップ内ではスマートフォンでQRコードを読み取ることで、画面上にJoyaのシューズを表示させることができます。
自分の足に重ねてみることができるので、履いたらどんな風に見えるかをリアルに試してみることができます。
こちらは「接客オンデマンド」のサービスを利用しており、チャットボットやオンライン接客システムと連携しているので、リアルタイムに質問をすることができます。
2.イケア
引用:ARマーケティングラボ(https://ar-marketing.jp/ikea-ar-app)
家具量販店のIKEAは、AR技術を活用したアプリ「IKEA Place」をAppleと共同で開発。スマホのアプリの画面上にイケアの商品が表示されるサービスを提供しています。
アプリを起動すれば、写真を撮るようにイケアの商品を自分の部屋に配置することができます。色味やサイズ感などが、実際の自分の部屋に合うかを確かめることができます。
「IKEA原宿」では、QRコードを読み込むことで、ARで商品情報や色違い商品の確認ができるようにもしています。
3.ニッセン
引用:ニッセン(https://www.nissen.co.jp/s/interior/NH22SU103/)
株式会社ニッセンの「ニッセンAR体験」では、アプリをインストールしなくても、スマホのカメラを通じてAR(拡張現実)で家具を試し置きできるサービスを行っています。
PC上の気になる商品のQRコードを読みこむことで、画面上に商品をARで表示。ドラッグ&ドロップをすることで位置やサイズを変えられるので、自分の部屋の広さに合うか、色が合うかなどを確認できます。
4.Venchi
引用:ヴェンキ(https://venchi.co.jp/news/71)
イタリアのチョコレートメーカーVenchi(ヴェンキ)では、ARを商品キャンペーンに利用しています。
InstagramのARフィルターを使ったキャンペーンであり、カメラを起動すると「INTROVERT(内向的)or EXTROVERT(外交的)」、「COMFORT(安定志向)or ADVENTURE(冒険派) 」などのような選択肢が表示され、カメラ上に自分に合ったVenchi商品「チョコビア」のフィルターが表示されるというものです。
5.日本電気株式会社
引用:NEC(https://jpn.nec.com/press/201711/20171107_03.html)
NECは、AR技術とスマートグラス、スマートウォッチを使い、対象物から視線を外さずに操作できるシステムを開発。物流業界でのピッキング業務に活用されています。
ピッキングの際に、スマートグラスやプロジェクタを通して商品の場所までガイドしてくれるので、ピッキングのミスを減らし、商品の設置場所に詳しくない人でも正確なピッキングができます。
系列のNECネッツエスアイ株式会社で物品管理作業を効率化する実証実験を行ったところ、従来に比べ作業時間が18.2%削減できることが確認されたとのことです。
6.GAP
引用:MoguLive(https://www.moguravr.com/gap-ar/)
GAPは、現実空間に等寸大の洋服を表示して、バーチャルフィッティングを行うことができるARアプリ『DressingRoom』を開発しました。
試してみたい服とサイズを選ぶと、スマートフォンの画面上にバーチャルのマネキンがその服を着た状態で表示されます。マネキンは360°様々な角度から見えるので、細かなディテールの確認もできます。
アプリから直接購入画面に遷移できるので、購入を促進することにも寄与しています。
7.弘前市みどりの協会
引用:東北の観光・旅行情報サイト(https://www.tohokukanko.jp/attractions/detail_1001294.html)
弘前市みどりの協会の「弘前公園スマートグラスガイドツアー」は、ARを観光に活用した事例です。
スマートグラスを装着しながら、弘前公園をガイドさんと散策する70分間のガイドツアーです。スマートグラス上に満開の桜や紅葉が表示されるので、季節に関係なく美しい風景を楽しむことができます。
日本語のほか多言語に対応しているので、各言語を話せるガイドを用意する必要がありません。
8.熱海市
引用:株式会社LittleMonsters(https://www.coco-ar.jp/media/cases/godzilla)
熱海市ではARを活用した観光プロモーションとして、巨大なゴジラが熱海に出現するという企画を行いました。
「熱海対ゴジラⅣ」というイベントでは、熱海城や三島スカイウォークにおいてカメラをかざすと等身大(118.5m)のゴジラが熱海の風景のなかに出現します。
SNSも連携し、2週間で1300名以上の参加者を獲得することに成功しました。
9.東京書籍株式会社
学校の教科書出版を行っている東京書籍では、ARを使って学習成果の発表・発信ができるツール『マチアルキ』を提供しています。
『マチアルキ』では、タブレットやデジタルカメラを使ってコンテンツを作り、それを専用のWebサイトに登録すれば、ARで発信して公開できます。コンテンツを登録した場所や画像に向けて専用アプリをかざすことで、人が作ったARコンテンツを見ることができます。
たとえば、ネット上で地域の魅力を発信する、防災情報を発表するといった使い方ができます。ICTに触れることで最新のデジタルツールへの興味・関心を醸成できますし、主体的な活動や学び合いができます。
10.東京地下鉄株式会社
引用:東京メトロ(https://www.tokyometro.jp/news/2017/189011.html)
ARを活用したアプリケーションは、社員研修にも導入されています。
東京地下鉄株式会社(東京メトロ)は、トンネルなどの土木構造物の検査にAR技術を活用して、タブレットで使う教育用アプリケーションにしました。
総合研修訓練センター内の模擬トンネル、模擬橋りょう・高架橋において、iPadの画面上に実際のトンネルや橋りょう・高架橋に存在する変状を再現します。研修生は検査方法と手順を模擬体験でき、理解度が向上し、安全面や時間的制約を受けない研修が可能となっています。
さらに東京地下鉄株式会社と東急電鉄株式会社では、列車の乗車、降車に介助が必要なお客様の案内に使用する社員用アプリにもARを導入しています。
11.東急住宅リース株式会社
引用:東急住宅リース株式会社(https://www.tokyu-housing-lease.co.jp/info/docs/c5c489be2b5269976f82c2dd1cd479074287939b.pdf)
東急住宅リースでは、ARを活用した内見サービス「AR内見」を開発。ARでバーチャルモデルルームを瞬時に生成する、不動産仲介会社向けに開発されたツールです。
内見で物件を訪れた際にARを使うことで、何もない物件のなかにモデルルームを表示することができます。
それによって、お客様は内見だけではイメージしにくい実際の生活を見ることができ、契約率の向上が期待できます。
12.戸田建設株式会社
引用:日経クロステック(https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/02532/)
戸田建設は、ARを活用することで、実際の工事現場の映像と3Dモデルの情報とを重ねて表示できる「建機AR」を開発しました。
建設機械を設置する際に、タブレット端末上で周辺の状況や稼働時の危険箇所等を視覚的に確認することで、作業員とのイメージ共有ができます。建設現場の安全確保にもつながり、作業を効率化する効果があがっています。
クレーンの稼働状況に応じた許容荷重の確認や、荷重に応じた適切な作業半径の確認なども可能です。
13.株式会社小松製作所
引用:株式会社小松製作所(https://www.komatsu.jp/ja/newsroom/2018/20180718_2)
小松製作所は、AR技術を使って作業状況を確かめられるアプリを開発しました。
スマートフォンARアプリのカメラで撮影した映像と、3Dモデルデータを合成。設計通りに施工が進んでいるかをただちに確認できます。
また、施工図面上の現在位置、向いている方向や姿勢などもARで確認ができます。
14.奈良県北葛城郡上牧町
引用:PRTIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000103.000012889.html)
奈良県北葛城郡上牧町では、400年前に存在した片岡城の様子をスマートフォンのブラウザで見ることができるようなARコンテンツを提供。
当時の城跡をCGで再現しており、QRコードにスマートフォンをかざすことで当時の様子を見ることができます。観光客を集めるのに役立っています。
15.株式会社ウッドワン
引用:WOODONE(https://www.woodone.co.jp/sim/ar_kitchen/)
建材メーカーの株式会社ウッドワンは、新築に設置するキッチンをWebARで試せる「WOODONE AR Kitchen Simulator」を開発。これは、Web上から様々なキッチンのパーツを選択することで、ARで確認できるシミュレーションサービスです。
「WOODONE AR Kitchen Simulator」を利用すれば、キッチンのイメージに近い画像を選択することで、イメージに合ったキッチンを作ることができます。扉や天板、水栓、シンク、食洗器などを細かく選択できます。ARで表示することで、実際の建物のなかに置いた場合のシミュレーションができます。
ウッドワンとしては、ショールームでの対面でのイメージ共有やコミュニケーションに活かして、より良い提案をすることを目指しているとのことです。
16.株式会社三越伊勢丹ホールディングス
引用:PRTIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002564.000008372.html)
三越伊勢丹ホールディングスは、三越創業350周年を記念して、三越のシンボルであるライオン像で「翼のライオン像」がスマートフォンで見れるARコンテンツを提供。全国の三越で2次元コードを読み取ることで、3DCGで制作した「翼のライオン像」を画面上に表示し、撮影することができます。
さらに、どこでもARで翼のライオン像を召喚できるようにすることで、「翼のライオン像ARフォトコンテスト」を開催。あらゆる場所で翼のライオン像を撮影し、インスタグラムにアップすることでコンテストに参加することができます。
ARの作り方
ここまでARの事例を紹介してきましたが、ARを活用したいという場合にはどのように作ればよいのでしょうか?
ARを活用したシステムを作るときにはまず、どのようなARにして、誰にどのように利用してもらうかなどの企画を作成する必要があります。その後、撮影やシステムの制作を行うことになります。
ARの企画や撮影、システムを専門としている会社があるので、ARを始めたいという方はそういった会社に依頼するのがよいでしょう。
ARは、WebサイトやSNSと連携することも多いので、そういったノウハウがある会社を選ぶのがよいです。また、実店舗やリアルな施設で利用する場合には、接客が必要なことも多いので、オンライン接客ツールを扱っている会社を選ぶことで、よりARを活かすことができるでしょう。

ARを導入するなら接客オンデマンド
「接客オンデマンド」は、ARやVR、バーチャルショールーム、AIアバター、ロボットなど、接客に特化したDXソリューションです。
より商品や店舗を活かしたAR制作が可能です。CGを利用した自由な表現もできるので、よりブランドを活かしたARを実現できます。
ARだけでなくそれに付随する接客に関してもツールを取り揃えているので、より顧客のニーズに応えることができるでしょう。
また、導入から運用時のサポート、分析・提案など、アフターフォローが充実しているので、社内にITに詳しい人がいなくても安心です。
まとめ
現実の世界を仮想的に拡張できるARを使えば、店舗や商品の紹介、従業員の作業サポート・教育、観光やエンターテイメント用のコンテンツなど、多彩な活用ができます。
「接客オンデマンド」なら、カメラ上に商品や店舗を表示し、より購買意欲を高めることができます。オンライン接客システムとの連携や企画、運用サポートなど、実際に導入し運用するためのサポートも充実しています。
ARをブランディングやマーケティングに活用することで、業務効率化や顧客満足度の向上なども実現できます。ぜひお気軽にご相談ください。