AI受付とは?導入メリットやおすすめシステム8選を紹介
現在、AIを利用した受付は多くの企業で導入され始めています。
受付にAIを利用することで、企業は様々なメリットが得られます。AI受付にはサービスそれぞれで固有の機能があるので、自社に必要な機能があるか、よりお客様のためになる機能があるかを確認しましょう。
この記事では、AI受付とは何か、そのメリットや機能、種類を解説するとともに、おすすめのシステムを紹介します。システムの選び方も解説するので参考にしてください。
AI受付とは
まず、AI受付とはどのようなものかを説明しておきます。AI受付とはその名の通り、AI技術を用いた受付システムのことです。
AIは自然言語処理を用いることで、大量のデータの学習から人間が話すような自然な文章を作成することができます。受付においてAIが顧客の要望を聞き、人に代わり回答します。
音声認識や顔認証などの機能を用いることで、来訪者に情報を入力してもらわなくても、AIが顔を認識して音声で質問をし、会話をするというシステムなどもあります。やり取りからAIが学習をしていくので、より最適な対応ができるようになることもAIの特徴です。
ただし、AIによるコミュニケーションにおける違和感や人間のような柔軟性のなさなど、課題もあります。
AI受付でできること
AI受付は受付での応対だけでなく、様々なことができます。AI受付で利用できる機能を紹介します。
AI受付のなかには、音声認識や名刺データ、生体認証データなどを用いて来訪者を認識できるものがあります。そして、要件を聞き担当者を呼び出すことや、カレンダーの予約、会議室の予約・誘導、入館証の発行なども可能です。
さらには、CRMやRPAなどの顧客情報データベースへの情報の入力、連携も行うことができるので、より最適な顧客の分析も行えるでしょう。また、CRMやPOS、顧客データベース、予約システムとの連携により、製品在庫や混雑状況などのリアルタイム情報から、会話内容の分析、決済まで連携することができます。
AI受付は多言語対応も可能です。1つのシステムで複数の言語に対応できるので、幅広い外国人の来訪に対応できます。
ただし、それぞれのシステムによって備わっている機能は異なるので、機能がない場合はカスタマイズしてつける必要があります。
AI受付のメリット
AI受付を導入することには、様々なメリットがあります。
人手不足解消
AI受付を利用することで、人手不足を解消できます。
企業やクリニック、ショールームなどでは、受付の人員が不足することがあります。少子高齢化や仕事内容、給与、身につくスキルなどの理由から、受付の募集に人が集まらない場合があるのです。
そういった場合にも、AIシステムを導入すればそのシステムがすべての応対を行ってくれます。人を採用する必要がないので、募集に人が集まらないなどの影響を避けることができます。また、一度システムを導入すれば常に稼働しているので、時期による対応人員の不足という問題もありません。人の場合には、突然の退職などもあるかもしれませんが、AIであればそういったこともないので安心です。
人手不足解消の事例については以下で解説しています。
『AIによる人手不足解消の事例を8選で紹介!利用シーンも解説』
コスト削減
受付にAIを導入することで、人件費や教育費などのコスト削減ができます。
受付で人を雇うには人件費が必要ですし、福利厚生のコストもかかってきます。チェーン店など大規模な企業や店舗では、複数人採用すればそれだけ費用がかかってしまいます。さらに、採用したあとには教育をしなくてはならないので、教育コストもかかります。
AI受付であれば、こういった人にかかるコストは発生しません。システムを一度導入すれば、かかるのは利用料のみとなります。長期的にみても、人を採用するよりもコストを抑えることができるでしょう。
AIは初期にデータを学習させる必要がありますし、顧客とのやり取りから学習を行うためデータの用意などは必要ですが、人のように付きっきりで教える必要もないので教育コストも抑えることができます。
ちなみに、AI導入の費用は以下で詳しく解説しています。
『AIの導入費用はどれくらいかかる?活用分野ごとの相場を紹介!』
対応力向上
人と比べたときには、AIにはシステムだからこその強みがあります。それは「対応力」です。
AIはシステムなので、人のように疲れることはありませんし、眠る必要もありません。人の場合、深夜や休日の受付対応というのは難しいですが、AIであれば24時間365日稼働できるのです。
また、複数の人間で受付を行っている場合は情報の連携や共有が必要になりますが、情報がうまく連携されないことがあります。対応の仕方に関しても属人性があり、対応品質に差が生まれるでしょう。AIであれば、人だからこそ起こるこのような連携ミスや対応力のばらつきを防ぐことができます。
AI受付システムを選ぶときの注意点
AI受付システムには様々なものがありますが、システムを選ぶときのポイント、注意点があります。以下のようなポイントに注意して選ぶようにしましょう。
機能
AI受付システムには様々な機能を備えたものがあります。自社に合った機能を持った受付システムを選ぶようにしましょう。
AI受付システムには、顔認証や音声認識、入館証の発行、カレンダー連携、多言語対応など、それぞれに対応機能が異なります。UIやインターフェースのカスタマイズができるものやAIアバターを作成できるものなどもあります。担当者の呼び出しに特化したものや回答精度の向上、ニーズや傾向を分析できるものなどもあるので、用途に応じて選択するようにしましょう。
サポート体制
AI受付システムを選ぶときには、サポート体制に注意しましょう。
AI受付システムを導入する際には初期学習が必要ですし、運用時にもやり取りデータの学習が必要になります。学習素材の準備や実証実験、対話ログの用意などは専門的な知識が必要なので、自社に詳しい人材がいなくても全てサポートしてくれるかを確認する必要があります。
また、AI受付を活用するには、顧客とのやり取りからデータを分析し改善していく必要があります。そういったPDCAにおける提案を行ってくれるかを確認しましょう。
セキュリティ
AI受付ではセキュリティも重要です。AI受付では顧客情報を扱うことになるので、情報の取扱には注意しなくてはなりません。
特定の情報を回答に利用しない設定や学習させたデータのみを回答に利用するなど、AIが提供する情報の管理ができるかを確認する必要があります。また、AIのデータベースやシステムのセキュリティに関するバックアップやアップデート、データの整理や削除などを行っているかを確認しましょう。
また、会社としてプライバシーポリシーや情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISO27001を取得しているかなども、顧客情報を扱う上では重要です。
AI受付システム8選
AI受付システムには様々なものがありますが、ここでは厳選して8つのサービスを紹介します。
接客オンデマンドAI
接客オンデマンドAIは、接客に関するDXサービスを提供するビーモーションのAI受付システムです。
GPT連携によるLLMを採用しており、大量のデータを学習することができ、自然な言葉で回答できます。音声認識により、AIアバターが人間と会話するかのように対話します。企業単位で個別の情報をAIに学習させられるので、会社や商品の情報に特化したAIを作ることが可能。
CRMやPOS、顧客データベース、予約システム、遠隔接客ツールとの連携にも対応しており、製品在庫や空席情報、混雑状況などのリアルタイム状況も把握、対応します。運用時のデータ学習、会話ログの分析など、システムの最適化に関してもサポート。社内にIT人材がいなくても運用できるサポート体制を築いています。
ビーモーションはプライバシーポリシーやISO27001を取得しており、顧客データの取り扱いにおいてセキュリティにも配慮しています。
アイウェルコ
アイウェルコのAI受付システムは、独自のAIによる顔認証技術を利用し、顔認証するだけで予約受付が完了するシステムです。来訪者の対応では、音声認識にも対応しており音声チャット形式で受付対応が可能です。
入退館記録や予約状況、体温など来訪者の情報をデータとして保存し、管理画面で確認できます。絞り込み検索やCSV出力なども可能なので、顧客情報の分析も簡単にできます。
会議室の予約やGoogleカレンダーとの連携なども可能で、単純な受付内容をすべてツールで完結できます。
AIkotoba
AIkotobaは、非接触で担当者を呼び出せる無人受付システムです。顔認証で来訪者を特定し、自動で担当者まで通知します。顔認識、音声認識、ジェスチャー操作に対応しているだけでなく、サーモグラフィカメラを用いて体表温度なども計測できるので感染リスクを抑えることができます。
組織情報や取引先会社の情報を登録、管理できるので、効率よく顧客情報の管理ができます。
AimeReception
AimeReceptionは、新しい人工知能のパラダイムであるマルチモーダルAIを利用しています。
リアルな人間のアバターがお客様と対話、案内するAI受付システムです。人間の受付スタッフと同じようにお客様の案内、会社情報の提供、質問への回答などが行えます。お客様の顔を記憶し、自動で会議室を案内することができます。
会議室管理ソフトウェアとの連携、カレンダーソフトウェアとの連携、自動ドアとの連携なども可能です。
AI受付嬢
AI受付嬢は、顔認識により来訪者の受付をできるシステムです。顔の情報と名刺情報と関連付けることで効率的に顧客管理が行えます。お客様が来訪するたびに顔写真を記録し、AIが自己学習し、より正確な認証を行えるようになります。
来訪者から担当者を呼び出すこともでき、受付の自動化ができます。記録データを検索することで名刺情報や顔写真を確認でき、いつでも来訪者の確認が行えます。
LINE AiCall
LINE AiCallは、コールセンターなどの企業の電話受付で利用できるシステムです。お客様の問い合わせに対してAIが初期対応することで、オペレーターの不可を軽減します。
決められたルールに沿ってヒアリングするのでなく、AIが自然な会話を行います。人間のような聞き取りやすい自然な発話が可能です。
LINEの公式アカウントやLINEの無料通話「LINE コールPlus」とも連携が可能で、LINEから問い合わせしたいというお客様のニーズに対応。よりお客様の体験を向上することができます。
おくだけレセプション®
おくだけレセプション®️は、NTTドコモコミュニケーションズが提供するAI受付システムです。受付に置いたタブレット端末にてAIがお客様を案内。
画面に向かって部署や名前を話すだけで、AIが担当者を呼び出します。無機質な内線電話ではなく、AIが丁寧に案内することで企業イメージの向上が可能です。
導入はタブレットなどの機器を置くだけなので、導入コストを抑えることができます。
AIレセプション
AIレセプションは、飲食店の予約受付に特化した受付システムです。
AIスタッフが電話に対応し、予約を受け、予約管理システムの「ebica」に情報を登録してくれます。コース予約やそれ以外の問い合わせに関しては電話に転送し、機会損失を防ぎます。ebicaには電話番号などの顧客情報を登録するので、2回目以降の電話では該当する顧客の情報を表示。スムーズな電話対応が可能です。
負担の大きい飲食店の予約電話の負担を減らすサービスです。
AI受付の導入事例
AI受付の導入事例を紹介します。
山陰中央テレビジョン放送
山陰中央テレビジョン放送では、来訪者と担当者でスムーズにつながることを目的として、AI受付を導入しました。
タッチ操作と音声認識による自動案内によって、テレビ局に来訪した人を引継ぎなども必要なく担当者にスムーズにつなぐことができています。
無人でも温かみのある受付接客ができているとのことです。
参照:https://www.tifana.ai/works/20240402
ワールド・ネットワーク株式会社
ワールド・ネットワーク株式会社では、AI受付を導入した結果、受付業務の負担が減ったことでコスト削減ができたとのことです。
また、来客履歴を紙で残していたのですが、デジタルデータとして保存できることで、管理を効率化できました。
音声チャットに戸惑うお客様も多いですが、そのあとの商談で話題になることも多く、スムーズに商談をまとめることができているようです。
参照:https://www.aiwelco.jp/%E5%B0%8E%E5%85%A5%E4%BA%8B%E4%BE%8B
AIの活用事例は以下でも解説しているので参考にしてください。
『企業における生成AIの活用事例紹介!現在の活用状況も解説』
まとめ
AI受付は人の負担を減らすとともに、企業のイメージを高めることにも貢献します。AI受付には様々なメリットがありますが、選定するときには今回紹介したような点に注意するとともに、自社に合った機能を持ったものを選びましょう。
接客オンデマンドAIは、接客・受付業務、社内外からの問合せ対応において、柔軟に対応できる機能を備えています。AIによる自然な会話によって、受付だけでなく様々な情報の提供も可能なシステムです。
導入後の運用に関してもアフターフォローが充実しており、受付でのやりとりのデータをもとに再学習を行ったり、細かな調整なども行います。自社に専門のスタッフを用意する必要などもありません。
受付の効率化、無人化の実現を後押しさせていただきますので、ぜひ一度お問い合わせください。