採用DXで何ができる?おすすめサービスや選び方を紹介

採用に関するDXが話題になることも多いですが、「採用活動にDXを取り入れたいけど、何から始めればいいのかわからない…」「採用DXって具体的に何をすればいい?」などの疑問を持つ方もいるのではないかと思います。果たして採用DXとはどのようなもので、どんな効果が得られるのでしょうか。
この記事では、採用DXの基本的な意味や導入のメリットを解説するとともに、目的別のおすすめ採用DXサービスを紹介します。採用DXツールの選び方とチェックポイントも解説しているので参考にしてください。
採用DXとは?
採用DXとはどのようなものなのでしょうか。ここでは、その定義や目的を紹介するとともに、採用DXの市場や近況を説明します。
採用DXの定義と目的
採用DXとは、採用における「デジタルトランスフォーメーション(DX)」のことで、テクノロジーを活用して採用活動の質と効率を高める取り組みを指します。具体的には、候補者とのコミュニケーションや求人の出稿、応募者の管理、面接の日程調整、選考結果の共有など、これまでアナログで行っていた採用業務を、AIやクラウドツールなどのデジタルツールで自動化・最適化することを意味します。
採用DXの目的は、大きく分けて「採用活動の効率化」と「採用の質の向上」の2つです。従来の採用業務は、多くの工数や時間がかかっていましたし、担当者の経験や勘に依存するケースも少なくありませんでした。しかし、DXの導入によって業務を効率化できるだけでなく、データを活用することでより客観的かつ戦略的な採用が可能になっています。
採用DXの市場
採用DXの市場は、採用AIや採用管理システムなどの登場によって急速に拡大しています。
株式会社日本能率協会総合研究所による採用管理システム市場の調査では、市場規模は年々拡大しており、2027年の採用管理システムの市場規模は350億円となる見込みとされています。これは「人材不足・人材流動化への対応、ICT活用の進展によって採用管理システムの需要が拡大」していることが原因とされています。こういった背景から、採用管理システムは中堅・中小規模の企業でも導入が進んでおり、より市場規模が大きくなっているのです。
また、ITmediaの記事では、AIチャットボットや生成AIを活用したリモート対応が急速に広がっていることが報告されており、実際採用の現場でDXが進んでいることがわかります。
採用DXでできること
採用DXによってどのようなことができるのでしょうか。
リモート対応・オンライン面接の推進
採用DXを取り入れることで、リモート対応やオンライン面接、さらにAIによる面接を導入することができます。
リモートワークの普及に伴い、採用プロセスもオンライン化が進み、オンライン面接やAI面接といった新しい選考手法が一般化しつつあります。これにより、地理的制約を受けずにさまざまな候補者と接点を持てるようになるとともに、AIの導入により面接の自動化、客観性の向上も実現することができます。
特にAI面接は、表情や声のトーン、話し方などを解析し、候補者の特性や適性を定量的に評価できるため、採用の精度を高めることができるでしょう。リモート対応やオンライン面接、さらにAIを活用した面接手法を取り入れることで、採用活動の効率化だけでなく、質の高い人材選考を実現できるはずです。
採用業務の自動化・効率化
採用DXによって業務の自動化・効率化を図ることができます。採用DXでは、求人情報の作成、応募者管理、面接日程の調整、内定通知など、これまで人の手で行っていた煩雑な業務をデジタルツールやAIで自動化することが可能です。
たとえば、応募者管理システムを導入することで、応募者の情報を一元管理し、履歴書の確認や選考状況の把握をリアルタイムで行えるようになります。また、AIによるスクリーニング機能を活用すれば、応募者のスキルや経験を自動で評価し、マッチ度の高い人材を優先的に抽出することも可能です。
採用データの可視化と分析
採用DXによって、採用データの可視化と分析が可能になります。
採用DXでは、応募者の属性や行動履歴、選考ステータス、内定承諾率といったさまざまなデータを可視化し、分析することが可能です。これにより、採用活動におけるボトルネックを特定し、改善策を打ち出すことができます。感覚や経験に頼るのではなく、データに基づく判断ができるため、精度の高い採用戦略を構築することができるでしょう。
また、過去の採用実績と採用後の定着率データを突き合わせて分析することで、長期的に活躍する人材の傾向を明らかにすることもでき、求める人物像の明確化などが可能になります。このように、採用データの可視化と分析を行うことで、客観的な判断に基づいた効果的な採用戦略を実現できるはずです。

採用DXの導入メリット
採用DXを導入することでどのようなメリット、効果が得られるのでしょうか。
人事担当者の業務負担軽減
採用DXを導入することで、人事担当者の業務負担を軽減することが可能です。
従来の採用業務では、求人票の作成から応募者対応、面接の日程調整、内定通知まで、多くの作業を人の手で行う必要がありました。採用DXを導入することで、これらの定型業務をシステムやAIツールで自動化できるため、人事担当者の作業時間と心理的負担の両面で負荷を軽減することができるのです。
採用DXを導入することで、人事担当者は限られたリソースの中でも、戦略立案や候補者との質の高いコミュニケーションなど、より価値の高い業務に集中できるようになるでしょう。
エントリー数や採用率の向上
採用DXを導入することで、エントリー数や採用率の向上が期待できます。
採用DXによって求職者との接点を増やし、効率的にアプローチすることが可能になります。たとえば、求人情報を自社サイトだけでなく、複数の求人媒体やSNSと自動連携させることで、より多くの求職者の目に届けることができます。また、応募フォームの最適化やチャットボットによる一次対応により、応募のハードルを下げて離脱を防ぐこともできるでしょう。
さらに、過去の応募者データをもとにスクリーニングを自動化することで、面接設定までの時間を短縮し、採用率を改善することもできる可能性があります。このように、採用DXの導入によって、エントリー数や採用率の向上を実現することができるのです。
費用対効果の最大化
採用DXの導入によって、採用活動の費用対効果を最大化することができます。
採用DXでは、AIやデジタルツールの活用によって応募者対応や選考業務の自動化・効率化が可能になります。これにより人件費や時間的コストを削減できるだけでなく、より精度の高い採用活動を実現し、最小限の投資で最大限の成果を得ることができるのです。
従来の採用活動では求人広告費や人材紹介料、選考プロセスにかかる人件費など、多くのコストが発生していました。しかし、採用DXによって求人媒体との自動連携や応募者データの一元管理、AI面接の導入などを行えば、広告費や工数を大幅に削減しつつ、適切な人材にアプローチしやすくなります。
このように、採用DXを導入することで無駄なコストを削減しつつ採用効果を最大化できるため、費用対効果の高い採用活動が実現できるのです。
候補者体験の向上
採用DXを導入することで、候補者体験の向上が期待できます。採用DXによって、求職者が企業にエントリーしてから選考、内定、入社に至るまでの一連のプロセスにおいて、ストレスや不安を感じずにスムーズに進めることができるようになるのです。
採用DXでは、AIチャットボットによる迅速な問い合わせ対応や、進捗状況をリアルタイムで確認できる応募者専用サイトの導入などにより、応募者にとって快適かつ信頼感のある体験を提供できます。
候補者は自身の都合に合わせて柔軟に対応することができますし、最新のデジタルツールを導入しているということに対して好印象にもつながるでしょう。結果として応募辞退率の低下や内定承諾率の向上が見込めるはずです。
【目的別】おすすめ採用DXサービス
採用DXにはさまざまなサービスがありますが、ここでは目的別におすすめの採用DXサービスを紹介します。
面接AIツール:接客オンデマンドAI
「接客オンデマンドAI」は、株式会社ビーモーションが提供しているDXツールです。音声対話型AIが応募者とリアルタイムで面接を行い、評価を行います。
大規模言語モデル(LLM)と独自のプロンプト生成アルゴリズムを使用しており、難解な日本語の解釈や文脈の理解も可能です。面接のシナリオをステップやゴールに基づき自由に構成することができるので、自社が求める人物像や評価基準に応じて、面接内容を柔軟にカスタマイズできます。
AIは、応募者の発言内容や話し方、表情などをもとに、事前に設定された評価基準に従って自動的にスコアリングを行います。それによって、人的ミスや感情に左右されない一貫した評価を実現できます。採用担当者がすべての面接に立ち会う必要がなくなり、大量応募にも効率的に対応できるようになるでしょう。
業務自動化ツール:リクナビHRTech採用管理
「リクナビHRTech採用管理」は、リクルートが提供する採用管理システムです。採用業務の一元管理と自動化を実現することができます。
求人の作成から応募者の管理、面接日程の調整、選考ステータスの更新まで、煩雑になりがちな採用プロセスをひとつの画面で管理できます。各工程を自動で通知・更新する機能も搭載されており、担当者の作業負担を大幅に軽減することが可能です。
さらに、応募者データは自動で蓄積され、レポート機能を使って採用活動の進捗や課題を可視化できます。これにより、属人的になりがちな業務を標準化・効率化し、より戦略的な採用活動を行うことができるでしょう。
採用BIツール:HITOME
「HITOME」は、HeaR株式会社が提供する採用に特化したBIツールです。採用活動に関するあらゆるデータを可視化し、戦略的な改善を可能にします。
機能としては、転職エージェントごとの紹介実績の可視化、スカウト施策の効果分析、面接官の魅力発信力のスコア化などがあります。書類通過率や内定決定率をエージェントごとに一覧で確認できるため、得意領域や相性の良い職種を把握しやすくなります。
さらに、スカウト文面、送信タイミングなどのA/Bテストを実施することができ、最適な配信戦略の立案も可能です。2023年に追加された「HITOME RX」では、候補者アンケートをもとに面接官の印象や面接体験の質をスコア化し、選考途中の離脱防止や辞退率の低下にも貢献します。

採用DXツールの選び方とチェックポイント
採用DXツールを選定するときには、選び方とチェックポイントがあります。
自社の採用課題を明確にする
採用DXツールを導入する際には、まず自社の採用課題を明確にすることが大事です。採用課題が不明確なままでは、課題に適したツールを選定できず、期待する効果を得られない可能性があります。
そのため、まずは現行の採用フローを見直し、「どこにボトルネックがあるのか」「どの工程に最も時間がかかっているのか」「候補者の離脱が発生しやすいポイントはどこか」といった具体的な問題点を洗い出すことが必要です。
また、採用チームや現場担当者からのヒアリングを行うことで、現場レベルで感じている課題や改善ニーズも把握できます。応募数、内定辞退率などの定量的なデータと定性的な意見を組み合わせて分析することで、より実態に即した課題の特定が可能になります。まずは自社の採用課題を明確にしましょう。
必要な機能と導入目的を整理する
採用DXツールを効果的に導入するためには、必要な機能と導入目的をあらかじめ整理しておくことが重要です。
採用DXツールは多機能かつ多様化しているため、導入目的を明確にしなければ、自社に最適なツールを選定することはできません。採用活動のどの工程を改善したいのか、たとえば応募数の増加や面接調整の効率化、採用データの可視化など、目的によって必要な機能が異なります。目的が曖昧なままツールを導入すると、期待する効果が得られず、現場が混乱したり、無駄なコストが発生したりするリスクが高まります。
必要な機能と導入目的を事前に整理することで、自社の採用課題に適したDXツールを選びやすくなり、導入効果を最大限に高めることができるでしょう。
導入コスト・ランニングコストを比較
採用DXツールを導入する際には、導入コストとランニングコストを各社で比較するのがよいでしょう。
同じような機能を持つツールでも、料金体系やコストは企業によって異なります。初期費用が低くても月額利用料やサポート費用、アップデート・カスタマイズにかかる追加費用が高額なサービスなどがあります。一方で、導入時にある程度の費用がかかっても、運用コストが定額で安定していれば長期的にはトータルコストを抑えられるケースもあります。
そのため、目先の安さだけで判断するのではなく、導入から数年先までの総コストを見据えて検討することが重要です。特に、自社の採用規模や運用体制、必要な機能に照らし合わせてコストを検討することで、無駄な出費を避け費用対効果の高い選択ができるでしょう。
サポート体制や使いやすさもチェック
採用DXツールを選ぶ際には、サポート体制の充実度やツールの使いやすさも確認しておくとよいです。いくら多機能なツールであっても、操作が複雑で現場の担当者が使いこなせなければ、十分な効果を発揮できません。また、導入後に不明点やトラブルが発生した際に、迅速かつ丁寧なサポートが受けられないと、業務に支障が出る可能性があります。
採用DXツールの使いやすさを確認する際は、まずUIが直感的で操作しやすいかをチェックするのが大事です。また、導入時のマニュアルや研修、FAQの有無も確認しましょう。
さらに、問い合わせ対応の手段や対応時間、トラブル発生時のサポート体制も事前に確認しておくと安心です。これらをしっかり確認することで、現場でスムーズに運用できるツールを選べるでしょう。
まとめ
採用DXを用いることで、採用業務の効率化や担当者の負担軽減、選考の質の向上、コスト削減などが可能になります。採用DXには、AI面接ツールや応募者管理システム、データ分析ツールなどさまざまなサービスがあり、自社の課題や目的に合わせて最適なものを選ぶことが重要です。
候補者の初期対応や面接に課題を感じている人には、「接客オンデマンドAI」がおすすめです。接客オンデマンドAIは、対話型AIが24時間体制で候補者からの問い合わせ対応を行うとともに、面接を実施します。シナリオや質問内容、評価基準を柔軟に設定できるので、自社の求める人材を判定することができます。面接の内容や発言内容、話し方、表情などを分析することで、選考の効率化・自動化を実現します。ぜひお問い合わせください。