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人材育成の方法7選!育成に役立つツールも紹介

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人材育成

企業で人材育成を担当している方や経営者の中には、効果的な育成方法や、自社に適した制度・ツールを知りたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

人材育成は企業の成長に直結する重要な取り組みですが、方法を間違えると時間やコストが無駄になってしまいます。目的や人材の特性に合った育成手法を選ぶことが、スキルの定着やモチベーション向上には重要です。

そこでこの記事では、人材育成の基本的な考え方から、人材育成の方法やツール、効果を高めるポイントまでを紹介します。自社に最適な人材育成方法を見つけたい方は参考にしてください。

人材育成の概要

まず、人材育成の現状や重要性、課題について解説しておきます。

人材育成の現状

近年、企業を取り巻く事業環境が急速に変化する中で、人材育成の在り方も見直しが求められています。経団連の「人材育成に関するアンケート調査結果」によると、「自社の人材育成施策が環境変化に対応できていない部分がある」と回答した企業は88.8%にのぼり、多くの企業が現行の育成体制に課題を感じている実態が明らかになっています。

また、人材育成の主導権に関する設問では、「一部の社員が自律的にキャリアを形成している一方、多くの社員は会社主導である」(55.2%)が最多となり、「総じて会社主導でキャリア形成が行われている」(18.9%)を含めると、全体の74.1%が企業主導のキャリア形成に依存していることが分かります。

このように、多くの企業では人材育成の方針が時代の変化に適応できておらず、社員の自律的な成長を促す仕組みが不足していることが、企業全体の課題として浮き彫りになっているのです。

人材育成の重要性

現代の企業経営において、人材育成はますます重要性を増しています。上の調査によると、企業が人材育成の見直しを迫られている背景として、「就労意識の多様化(ダイバーシティ経営の推進)」や「デジタル技術の進展」といった時代の変化が主な要因として挙げられています。

これらの要因に対応しきれないままでは、業務成果の低下や社員のモチベーション喪失につながりかねません。離職率の上昇や人材の流出といった深刻な経営課題を引き起こす恐れもあるでしょう。

だからこそ、企業は変化する社会や働き方に適応し、社員1人ひとりの多様な価値観やスキルに応じた人材育成施策を強化していくことが求められているのです。

人材育成における課題

人材育成の必要性が高まる一方で、企業の現場ではさまざまな課題が浮き彫りになっています。労働政策研究・研修機構の調査報告書「人材育成・能力開発の実態と課題に関する調査」によると、多くの企業が以下のような悩みを抱えています。

  • 指導する⼈材が不⾜している
  • ⼈材育成を⾏う時間がない
  • 育てがいのある⼈材が集まらない
  • ⼈材を育成しても辞めてしまう

これらの課題は、特に中小企業にとって深刻です。限られたリソースの中で人材育成を継続するには、現場の負担も大きくなりやすく、結果として育成が後回しにされる傾向があります。また、育てた人材が辞めてしまうという問題は、企業にとって心理的・経済的な損失が大きく、育成に消極的になる要因のひとつでしょう。

人材育成の方法7選を徹底解説

人材育成にはさまざまな方法があります。ここでは、育成方法を大きく7つに分けて解説します。

1.OJT

OJT(On the Job Training)とは、実際の業務を通じて社員を育成する手法です。職場という実践の場で、上司や先輩社員が直接指導を行うため、知識だけでなく実務スキルや職場文化の理解も同時に身につけることができます。即戦力の育成や日常業務との一体化を図れる点が特徴です。OJTには以下のような手法があります。

手法概要
現場での指導先輩や上司が業務を通じて実践的に指導する方法です。
メンター制度年次や職種の近い先輩社員が新人に助言やサポートを行う制度。
コーチング上司や専門コーチが、質問や対話を通じて自発的成長を促す方法です。
ジョブローテーション一定期間ごとに職務を交代し、幅広いスキルや知識を習得する仕組み。
異動・転籍新たな部署やグループ会社への配置転換により成長機会を提供します。
職場内トレーニングリーダーやマネージャーと同行し、業務の進め方を学ぶ実地研修です。

2.OFF-JT

OFF-JT(Off the Job Training)とは、日常業務を離れて行う研修や学習活動を指します。OJTと異なり、体系的・理論的な知識を習得できるのが特徴で、計画的に人材育成を行いたい企業にとって欠かせない手法です。幅広い形式で実施されることが多く、社員のスキル向上や意識改革に効果があります。

手法概要集合研修社内外の講師によって行われる対面形式のグループ研修です。外部セミナー・カンファレンス参加業界動向や専門知識を得るための社外イベントへの参加。新入社員研修・階層別研修新卒や中堅・管理職など、階層別に行われるスキル・マインド育成研修。管理職研修・リーダーシップ研修マネジメント力やリーダーシップを強化するための専門研修。ハラスメント・コンプライアンス研修職場の法令遵守や倫理意識を高めるための研修です。ケーススタディ型研修実際の事例をもとに課題解決を考える実践型の研修。講義型研修理論や知識を体系的に学ぶ座学中心の研修です。

3.デジタル・DX活用

AIをロールプレイ

DXの進展に伴い、人材育成の分野でもデジタル技術を活用した取り組みが広がっています。これにより、学習の効率化や進捗の可視化、個々のスキルに合わせた柔軟な教育が可能となり、より効果的な人材育成を実現できます。以下は、代表的なデジタル・DX活用型の人材育成手法です。

手法概要
ロープレAIAIとの対話型トレーニングを通じて、営業・接客・マネジメントなどの実践力を高める育成手法です。
LMS(学習管理システム)eラーニングの配信や受講状況の管理ができる教育プラットフォーム。学習の効率化と可視化を実現できます。
AI活用研修生成AIなどの先端技術の基礎から実践的な活用方法までを学ぶプログラム。

4.自己啓発支援

社員が自発的に学ぶ姿勢を支援する「自己啓発支援」は、個人の成長意欲を引き出す重要な施策です。企業がこうした学びの環境を整えることで、社員のスキル向上やキャリア自律を促進できます。

手法概要
書籍・動画・講座の受講専門知識やビジネススキルを習得するための書籍・セミナー・動画コンテンツの活用支援。
資格取得支援業務に関連する資格取得に対して、受講料補助や合格時の報奨金などを提供する制度です。
社外活動(ボランティア・兼業など)地域活動への参加、非営利団体でのボランティア、社外プロジェクトや他社での副業などを通じて、本業では得られない経験や人脈、視野の広がりを促進します。

5.対話・協働型の学習

対話や協働を通じて学ぶ「対話・協働型の学習」は、チーム力やコミュニケーション力を育みながら成長できる手法です。知識や経験の共有によって多様な視点を得られ、組織全体の学習効果を高めることができます。

手法概要
メンタリング経験豊富な社員が後輩や若手社員に対して対話・助言を行い、成長をサポートする仕組み。
ピアラーニング同僚同士が互いの知識や経験を共有し合いながら学び合う学習スタイルです。
1on1ミーティング上司と部下が定期的に1対1で対話し、課題の整理やキャリア支援を行う面談制度。
社内勉強会・ワークショップ特定のテーマに基づき社員が集まり、情報共有やスキル習得を目的とする社内開催型の学習機会です。
クロスファンクショナルプロジェクト部署横断型のプロジェクトに参加することで、他分野の知識や視点を学びながら協働力を養います。

6.実践・挑戦型の育成

実践・挑戦型の育成とは、実務を通じて学ぶ機会を提供することで、知識の定着や行動変容を促す手法です。未知の課題への挑戦や非日常的な環境での経験を通じて、実践力と適応力を養うことができます。

手法概要
アクションラーニング実際の課題に対してグループで取り組み、行動と振り返りを繰り返すことで学びを深める手法です。
社内起業・イントラプレナー制度社員が新規事業の立ち上げに挑戦する制度。企画から実行までを自ら担うことで、起業家精神を育む。
トレーニー制度一定期間、他社や海外などに派遣されて業務を経験し、新しい視点やスキルを習得する育成施策。
越境学習異業種の現場や地域活動など、普段とは異なる環境での体験を通じて、視野と適応力を広げる手法です。
プロジェクト型OJT特定の課題解決を目的としたプロジェクトに参加しながら、実務を通して学びを得る実践的な育成方法です。

7.キャリア開発型の支援

キャリア開発の人材育成は、社員1人ひとりのキャリア形成を支援するために、人事制度や評価制度と連携させながら行う育成手法です。組織目標と個人の成長を結びつけることで、長期的な人材活用と社員のモチベーション向上につながります。

手法概要
キャリア面談社員と上司・人事がキャリアの方向性や目標について定期的に話し合う制度です。
目標管理制度(MBO)業務目標の達成だけでなく、スキルやキャリアの成長に関する目標も設定・評価する仕組み。
自己申告制度社員が希望するキャリアや業務領域、異動先などを申告できる制度。キャリアの主体性を促します。
タレントマネジメント社員のスキルや適性データを可視化し、育成や配置に活用する人材戦略の一環。
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人材育成に役立つツール・システム

人材育成においては、適切なツールやシステムを活用することで、教育の効率化やスキルの定着、進捗管理の精度向上が図れます。ここでは代表的なものを紹介します。

ロープレAI・チャット型トレーニング

接客オンデマンドの営業ロープレAI
ロープレAIやチャット型トレーニングは、実践的なコミュニケーション力や課題対応力を身につけるための新しい人材育成ツールです。

AIが疑似的な顧客や上司、部下などの役割を担い、受講者は対話形式でロールプレイを行うことができます。実際の現場を想定したあらゆるシナリオでトレーニングできるため、現実に近い形でスキルを磨けるのが大きなメリットです。時間や場所にとらわれずに何度でも練習ができるので、効率的に訓練をすることができます。

また、AIによるフィードバックやログの記録機能によって、自分の対応のどこが良くてどこを改善すべきかが明確になり、学習の振り返りにも役立ちます。接客、営業、販売、オペレーターなど幅広い職種やシーンに対応可能で、実践力を強化したい企業にとって有効な育成手段です。

LMS(学習管理システム)

LMS(Learning Management System/学習管理システム)は、社員や受講者の学習計画の策定から教材配信・進捗管理・評価までを一元的に行うシステムです。eラーニングの提供だけでなく、受講者ごとの学習進捗や成績、理解度の可視化、教材の一元管理など、育成全体のマネジメントを支援します。

社員がどこまで学習を進めているのかを把握できるため、管理者側は適切なフォローや再教育の判断がしやすくなります。また、個々の社員のレベルや役職に応じてカスタマイズしたコンテンツの提供も可能で、効率的な育成を実現できます。

さらに、LMSはオンデマンド型の学習を促進するため、社員が自分のペースでスキルを習得できる点も魅力です。

社内ナレッジ共有ツール

社内ナレッジ共有ツールは、組織内の知識やノウハウを蓄積・共有し、社員同士の情報格差を減らすためのツールです。

マニュアル、FAQ、業務手順、過去の事例、成功・失敗体験などをデジタル上に整理・保存し、必要なときに誰でもアクセスできる状態をつくることで、業務の属人化を防ぎ、学習のスピードや業務の質を高めることができます。

また、検索機能やタグ付け機能によって目的の情報をすぐに見つけることができますし、新人育成や異動時の引き継ぎにも効果的です。ただ、ナレッジを資産として活かすためには、継続的な情報更新と共有文化の醸成が必要となります。

人材育成の効果を高めるポイント

人材育成の方法を解説してきましたが、人材育成の効果を高めるためのポイントがあります。これらも取り入れるようにしましょう。

育成の目的とゴールの明確化

人材育成の効果を高めるためには、育成の目的とゴールを明確にすることが重要です。

目的やゴールが曖昧なまま育成を進めると、学習内容が的外れになったり、成果が評価できなかったりする恐れがあります。目指す方向性をあらかじめ明確に定めることで、必要なスキルや行動目標を具体化でき、社員と育成担当者の間で共通認識が生まれやすくなるのです。

また、目的とゴールを明確にすることで、社員自身も学ぶ意義を理解しやすくなり、モチベーション向上にもつながるでしょう。

KPI設定と成果の見える化

人材育成の効果を最大化するには、KPI(重要業績評価指標)を設定し、成果を可視化することが欠かせません。

KPIがなければ、育成の進捗や成果を客観的に判断することができず、評価や改善が曖昧になってしまいます。具体的な数値目標や行動指標を設定することで、どの程度成長しているかを測定でき、育成活動の質を高めることができます。KPIとして定量的な指標を設定することで、明確な成果の把握と次の改善アクションにつなげられるでしょう。

たとえば、「eラーニングの修了率」「フィードバック実施数」「営業ロールプレイの評価スコア」などをKPIとして設定することで、成長の可視化や目標到達度の確認が可能です

デジタルツールを積極的に活用する

人材育成の効果を高めるうえで、AIをはじめとするデジタルツールの活用は非常に有効です。

近年では、AIやLMS、チャット型トレーニングなど、育成支援に役立つデジタルツールが数多く登場しています。これらのツールを積極的に導入することで、学習の個別最適化、学習進捗の可視化、フィードバックの迅速化が可能となり、従来よりも効率的かつ継続的にスキルを定着させることができるでしょう。

例えば、ロープレAIを使えば、営業や接客などの実践的な会話トレーニングを繰り返し行うことができ、対面での指導が難しい場面でも質の高い学習体験を提供できます。

同僚や組織全体の関与を強める

同僚や組織全体の関与を強めることは、人材育成の成果を高めるうえで重要です。

人材育成は、上司や育成担当者だけで完結するものではありません。実際に現場で共に働く同僚の関与が加わることで、学習の定着や行動変容が促進されやすくなります。

実際、「職場における新入社員育成の実態調査」では、「期待どおりに成長した」と感じている社員の47.6%が上司と育成担当者に加えて周囲の同僚とも連携して育成に取り組んでいたと報告されています。このことからも、育成における「組織ぐるみの支援」の効果が見て取れます。個人任せの学習ではなく、組織全体で育成に取り組む姿勢が大事です。

実践的な教育手法を採用する

人材育成の効果を高めるためには、実践的な教育手法を取り入れることが不可欠です。

特に、現場で求められるスキルや知識を実際に使う機会を与えることで、受講者の理解度や定着率は飛躍的に向上します。座学だけで学んだ内容は応用が難しいこともありますが、実務に即したトレーニングであれば、学習と成果を直結させることができます。

実際、「デジタル人材育成の実情に関する調査」でも、デジタル人材育成においてこうした実践的な手法を採用している企業では、社員が習得した知識・スキルを自ら活用し、実務への応用力を高めていることがわかっています。

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まとめ

人材育成は、企業の成長を支える重要な戦略のひとつです。時代の変化や多様な働き方に対応するには、従来の育成方法に加えデジタルツールの活用や組織的な支援体制、実践的な教育手法の導入が不可欠です。

特に最近では、現場で即戦力となる人材をいかに短期間で育てられるかが大きな課題となっています。そこで注目されているのが、AIを活用した育成ツールです。従来の集合研修やOJTだけでは補いきれない実践的なスキルや対応力を、コストを抑えながら効率的に育成することができます。

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