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AI接客の活用事例10選|導入時の注意点も紹介します

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AIによる接客

AIによる接客に関心を持っている人は、「AI接客を導入した企業はどんなメリットを得られているのか」「自社の業種・規模に近い導入事例はあるのか」といった疑問を持っているのではないでしょうか。

AI接客の導入を検討するうえで、実際の事例を知らないまま進めてしまうと、自社の業態に合わないサービスを選んでしまったり、現場に定着しないまま費用だけがかかってしまうリスクがあります。

そこでこの記事では、電話接客・EC・飲食・ホテル・家電量販店・観光案内所などの業種における導入事例を紹介します。導入時に注意すべきポイントも解説するので参考にしてください。

AI接客とは

まず、AIによる接客とはどのようなものかを説明しておきます。

AI接客とは、人工知能(AI)を活用して顧客対応・案内・提案などの接客業務を自動化・効率化する仕組みのことです。従来は人間のスタッフが担っていた受付・問い合わせ対応・商品説明・予約受付といった業務を、AIが代わりに行ったりサポートしたりできます。

形態としてはさまざまなものがあり、テキストで会話するチャットボット型、音声で対話する音声AI型、画面上のアバターが話しかけるAIアバター型、店舗に設置されたロボット型など、業種や導入目的に応じて多様な形で活用されています。

AIが顧客対応の一次窓口を担うことで、スタッフは本来注力すべき業務に集中でき、業務効率化と顧客満足度の向上に役立てることができるでしょう。

AI接客とは?メリット、導入を成功させるポイントを解説

AI接客の活用事例10選

さまざまな業界でAIを接客に活用した事例が出てきています。ここでは、自社の事例を紹介するとともに、ニュース記事などからAI接客の事例、効果などをまとめて紹介します。

1.電話接客にAIを導入

首都圏・東海エリアに30店舗を展開するオートバックスのフランチャイズパートナー、株式会社アイエーでは、対話型音声AIを導入することで受電業務の60%以上を自動化しました。

電話対応に費やしていたスタッフのリソースを接客や売り場改善などの本来業務へシフトできただけでなく、月間アプリ予約が4倍・年間会員数が10万人増加するなど、顧客のデジタル接点への定着によるLTV最大化にもつながっているそうです。録音機能によるカスハラ抑止や従業員の心理的安全性の向上も実現しており、業務効率化にとどまらない経営全体への好影響が表れている事例といえるでしょう。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000232.000056805.html

2.家電量販店での接客をAIが代行

これは私たちビーモーションで接客AIを導入した家電量販店の会社様の事例ですが、店舗およびWebサイト上にAI接客エージェントを展開し、製品仕様の説明や購入検討時の質問対応をAIが担っています。

店頭では商品の近くにタブレット端末を設置するとともに、QRコードを通じてお客様自身のスマートフォンからも利用できる環境を整備。Webサイトにおいては商品紹介ページにチャットウィジェットを設置し、相談できる仕組みを構築しました。

製品の専門知識やセールストークをAIに学習させることで、来店客・Web訪問者の質問を時間帯や人員配置に左右されず対応できるようになり、対応品質の平準化と販売機会の取りこぼし防止につながっています。また、店舗スタッフがカタログやマニュアルを調べる際にも活用されています。

3.観光案内所での接客にAIを活用

こちらもビーモーションでの事例ですが、都内の観光案内所にAI観光コンシェルジュとして接客AIを導入しました。生成AIとGoogleマップ情報を連携させたAIアバターが音声で対応し、観光スポットの案内から現地からの交通アクセス、周辺の飲食店レコメンドまでをワンストップで提供しています。

観光案内所独自のナレッジや旅行雑誌の情報をAIに学習させることで、スタッフと同水準の案内品質を実現しており、日本語・英語の両対応によりインバウンド需要にも対応しています。

人手が限られる時間帯や繁忙期でも案内品質を維持できるため、スタッフ不在の状況でも来訪者が情報を得られずに困るという場面をなくすことができました。「どこに行けばいいかわからない」という漠然とした状態で訪れた方でも、AIとの対話を通じて自分に合った観光プランを見つけられる体験を提供できているそうです。

4.ファッションECサイトでのAI接客で売上向上

ファッションEC「PAL CLOSET」を運営する株式会社パルでは、AIスタッフ「ファッションメイト」を活用したAI接客の実証実験を実施しました。インフルエンサースタッフのInstagram投稿を学習させた約200名のAIスタッフが13日間、10,000回以上の会話を通じて接客を行った結果、17,000円台のジャケットを含む複数商品の購入につながったとのことです。

従来のチャットボットとは異なり、顧客の好みやライフスタイルに合わせたファッション提案を行うことで、本物のスタッフと会話しているかのような自然なコミュニケーションが実現できたそうです。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000885.000011430.html

5.飲食店でグラスの空き具合を見ながらAIが提案

Gatebox株式会社は、飲食店向けAI接客サービス「AI幹事」を開発。生成AI「GPT-4o」の画像認識技術を活用し、テーブルに設置したデバイスのカメラでグラスの空き具合をリアルタイムで把握し、タイミングを見てAIが能動的に追加注文を提案する仕組みです。

乾杯しようとしている動作を認識して挨拶を行う機能も備えており、店舗の雰囲気に合わせてキャラクターを自由にカスタマイズすることもできます。紹介したい商品の説明を記載するだけでAI設定とデバイス送付が完了するため、複雑な設定なしに導入できる点も特徴です。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000102.000026497.html

6.LINEでの接客をAIが行うことで成果を獲得

不動産リノベーションサービス「リノベ不動産」を運営する株式会社WAKUWAKUでは、LINEアカウントに接客AIエージェントを導入し、集客施策として活用しました。

導入後、資料請求をはじめとする主要KPIにおいてエージェント経由で10%以上の獲得を実現できたそうです。この成果が評価され、全国に展開するFC加盟店への送客を担うより規模の大きなアカウントへの本格展開が決定したそうです。LINEを活用したAI接客が新規顧客獲得に直結した事例です。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000153.000019209.html

7.塾で保護者のさまざまな不安や疑問にAIが回答

個別指導の学習塾「明光義塾」を運営する株式会社明光ネットワークジャパンでは、2025年4月より学習塾業界で初めて接客AIエージェントをLINE公式アカウントに導入。

「子どもに合った指導が受けられるか」「費用はどのくらいか」といった入塾前の保護者の不安や疑問に対して、24時間リアルタイムで対応できる環境を整備しています。従来のコンタクトセンターでは「時間帯によってつながらない」「気軽に相談しづらい」という課題がありましたが、AIが常時対応することで機会損失の防止と保護者の安心感の向上につながっているそうです。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000239.000071552.html

8.ホテルでの接客にAIを活用

ホテルニューオータニでは、訪日外国人向けAIコンシェルジュを導入し、英語・中国語で24時間365日リアルタイムに対応できる環境を整備しました。

客室・施設内に関する問い合わせ、周辺の観光スポットや飲食店予約など、外国人ゲストからの多様な質問にAIが対応することで、スタッフの業務負担を軽減しながらインバウンド需要への対応力を向上させています。

有人コンシェルジュとの併用により、AIと人間の役割分担を適切に設計し、サービス品質を維持しながら業務効率化を実現した事例です。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000018663.html

9.美容部員の接客をAIが再現

化粧品ブランドを運営する株式会社アテニアでは、2026年2月より化粧品業界で初めて、直営店舗の美容部員が培ってきた接客ノウハウをAIに学習させた「アテニア AIビューティアドバイザー」をECサイトに実装しました。

お客様がサイト上で質問を投げかけると、肌悩みや生活背景、状況に応じたインタラクティブなアドバイスを音声とチャットの両方で提供します。会話を通じて得られるデータを活用して提案内容を継続的に進化させることで、よりパーソナライズされたコミュニケーションを実現しています。

単なる利便性の提供にとどまらず、相談している感覚や理解してもらえている実感といった人の温度感のある接客体験を重視しており、店舗でしか実現できなかった寄り添う接客をオンラインに展開した事例です。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000402.000010341.html

10.サイネージとロボットで接客業務負担を軽減

ホームセンター大手のカインズでは、新店舗にAI接客サイネージ「スマートフロアナビ」を設置。AIアバターが利用客の質問に対応することでスタッフの負担軽減を図っています。

店内への問い合わせで最も多い売り場案内をAIが担うことで、年間約8,000時間の案内業務削減を計画しています。さらに販売ロボットを2台導入し、売り場を巡回しながら商品位置を案内したりおすすめ商品を載せて店内を回ったりといった業務を自動化。

デジタルオーダーコーナーにはタッチパネル式電子カタログを合計19台配置し、在庫のない商品はその場で注文できる環境も整えています。同規模の店舗と比べて、人の生産性の20%向上を目指しているとのことです。

参考:https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2512/11/news024_2.html

『接客・受付業務を自動化、省人化するなら接客オンデマンド

AI接客導入時の注意点

ここまで、さまざまな業界でのAI接客の導入事例を見てきました。事例のようにうまく接客にAIを取り入れるには、気を付けるべきポイントがあります。

初期設計が重要

AI接客を導入するうえで、その成否を左右する重要なポイントが初期設計の質です。AIに何でも答えさせようとしてしまったり、現場の接客フローが整理されていないまま導入してしまったり、人とAIの役割分担が曖昧なまま運用をスタートしてしまうと、AIが誤った案内をしたり対話が途切れてしまったりするケースが起こりやすくなり、顧客満足度の低下につながりかねません。

どのような質問に対応するか、対応できない場合にどう振る舞うか、有人対応への引き継ぎはどのタイミングで行うかといった「接客の型」「ヒアリングの流れ」「判断基準」をあらかじめ明確化し、それをAIに組み込んでおくことが重要です。

人と役割分担を行う

AI接客の導入を成功させるうえで、AIと人間の役割分担を明確にしておくことは初期設計と同様に重要なポイントです。

AI接客は人の仕事を奪うものではなく、互いの強みを活かす分業ととらえることが大事です。定型質問・一次対応・夜間対応はAIが担い、感情配慮が必要な対応やクロージング・例外対応は人が担う。この区別が曖昧なまま運用を始めると、AIが対応しきれない場面で顧客を困惑させたり、スタッフが介入するタイミングを見失ったりするリスクが生じてしまいます。

例えば、顧客がクレームなど強い感情を示した場合や、高度な専門知識が必要な場合には即座に有人対応へ切り替えられる導線を設計しておく必要があるのです。

導入後の運用体制

事例でも述べられていたように、AI接客は導入して終わりではなく導入後の運用が成果を左右します。

AIは導入当初から完璧に動作するわけではなく、実際の利用データが蓄積されるにつれて、対応できなかった質問や誤った回答が明らかになってきます。そうした課題を放置すると精度が低下し、顧客体験の悪化につながりかねません。

定期的に対話ログを確認し、回答精度のチューニングや新情報のアップデートを継続的に行う運用体制を整えることが重要です。

まとめ

接客におけるAIの活用事例を紹介してきました。AIの進化によって、電話対応・EC・飲食・ホテル・教育・小売・美容など、業種を問わずさまざまな現場でAI接客の導入が広がっています。人手不足の解消や対応品質の均一化にとどまらず、売上向上やLTV最大化といったビジネス成果に直結する事例も増えており、AI接客はもはや一部の先進企業だけの取り組みではなくなっているでしょう。

私たちビーモーションのAI接客サービス「接客オンデマンドAI」は、長年にわたる接客・販売現場での実務経験をもとに、接客の型やヒアリングの流れ、判断基準などをAIに組み込んだサービスです。導入後の継続的なチューニングや運用支援まで一貫してサポートしており、AI接客の導入を検討している方はぜひお気軽にご相談ください。