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AIをナレッジマネジメントに活用するメリットとは?事例やおすすめのサービスを紹介

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AIナレッジマネジメント

企業にとってナレッジマネジメントは重要な課題ですが、近年ではナレッジマネジメントにAIを用いることで成果をあげている企業も多いです。ただ、AIによってナレッジマネジメントがどう活かせるのか、どのようなメリットがあるのかなどわからないかもしれません。

そこでこの記事では、AIをナレッジマネジメントに利用するメリット、ナレッジマネジメントにおすすめのAIサービス、事例を紹介します。

ナレッジマネジメントとは?

まず、ナレッジマネジメントとはどのようなことなのか、なぜ重要なのかを振り返っておきます。

ナレッジマネジメントの意味

ナレッジマネジメントは、Wikipediaによると「企業が保持している情報・知識と、個人が持っているノウハウや経験などの知的資産を共有して、創造的な仕事につなげることを目指す経営管理手法」とされています。つまり、企業と個人で知識、ノウハウ、経験を相互に共有し、さらなる知識やノウハウを生み出すことで、より良いサービスにつなげていくということです。

このナレッジマネジメントは、一橋大学の野中郁次郎氏と竹内弘高氏らが提示した、SECIモデルと呼ばれるフレームワークがもとになっています。SECIモデルは、「共同化プロセス」「表出化プロセス」「結合化プロセス」「内面化プロセス」の4つのプロセスで構成されています。

このプロセスでは、まずは個人の得た知識やノウハウである暗黙知を、体験や経験を通して他者に共有し、次にそのノウハウや情報を言葉や図解にし誰もが知れるもの、形式知にします。それらの情報を既知の情報と組み合わせることで新たなアイデアやノウハウを生み出し、実践していくことで知識としてだけでなく、意識しなくても理解できている状態へと深化するというものです。

ナレッジマネジメントが重要な理由

ナレッジマネジメントが重要視されている理由としては、雇用の流動化によって長期的に人材を育成することが難しくなったことで、ナレッジの継承が難しくなったことが挙げられます。

これまでの日本では、終身雇用制度によって長期的に人材を育成することができました。それによって知識やノウハウは自然に継承され、企業内に情報が蓄積されました。しかし、終身雇用制度が崩壊し働き方が多様化したことで、個人が持つナレッジが企業に蓄積されないとともに、人材にナレッジを継承することが難しくなったのです。

グローバル化もあり変化が激しくなっているビジネス環境では、ナレッジをマネジメントすることで、個人に効率的にナレッジを継承するとともに、企業内に情報を蓄積していくことが重要となっているのです。

ナレッジマネジメントツールの種類

ナレッジマネジメントには様々なツールが利用されますが、企業で使われているツールの種類を紹介します。

社内Wiki

社内Wikiとは、個人が得たナレッジを文書や図などを用いて、システム上に残すことで、他のスタッフが自由に参照できるツールです。

マニュアルや業務手順書、社内FAQなどを残していくことで、不明点があったときに簡単に検索を行うことができます。従業員の教育にも利用でき、教育コストを抑えることができます。

企業内検索システム

企業内検索システムとは、企業内のあらゆるデータを検索するためのシステムです。ファイルサーバーやクラウドシステムなどに保存された、様々な画像、文書を瞬時に検索できます。

Wikiのように編集作業は必要なく、過去のナレッジから従業員が学ぶ手助けを行うことができます。

ヘルプデスク

ヘルプデスクは、社内問い合わせシステムのことです。社内や社外からの不明点に対する回答をFAQ形式でまとめることで、それ以降に同じ質問があったときに見ることができます。

データベース形式でまとめることで、従業員にナレッジを共有することができますし、社員の教育などにも利用することができます。

CRM

CRMは顧客関係管理システムのことです。顧客情報や取引情報、顧客とのやり取りなどをナレッジ化することができ、従業員は顧客に関する情報をすべて共有することができます。

ナレッジを分析することで、顧客のニーズを把握することにもつながります。

ほかにも、グループチャット形式でノウハウなどを共有できるグループウェアなどもあります。

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ナレッジマネジメントにはAIが有効

ナレッジマネジメントは企業にとって重要ですが、近年ではAIを活用することでより効果的に行うことが可能となっています。

ナレッジマネジメントを行うためには、社員それぞれがもっている情報である暗黙知を文書などに形式知化しなくてはなりません。蓄積したナレッジはあらゆる情報が混在し整理された状態にならないので、その情報を分類・整理をする必要があります。CRMに蓄積された顧客情報なども分析をする必要があるでしょう。

AIは膨大なデータを学習することができるので、人間に代わってナレッジを共有してくれますし、AIはナレッジの整理・分類・分析なども自動で行ってくれます。このように、AIはナレッジマネジメントを行うときに、人間の負担を大きく減らすとともに効率化ができ、有効なツールとなるのです。

ナレッジマネジメントにおけるAI活用のメリット

ナレッジマネジメントにおけるAI活用のメリットを詳しく解説します。

ナレッジの洗い出しの手間を減らせる

まずは従業員が抱えている暗黙知や企業が持っているナレッジを洗い出す必要がありますが、それにもAIは利用できます。

暗黙知は口頭や実践での伝達による知識ですが、AIでは従業員の言動や行動、作成物などを抽出し、形式知としてデータベース化を行うことができます。また、AIはサービス資料やマニュアル、研修資料などの既存のデータをまとめて学習することができ、企業が蓄積しているナレッジを洗い出すことができます。

本来、従業員ひとり一人や企業の持つ資料から暗黙知を抽出するのは手間がかかりますが、AIを利用すれば手間をかけずにナレッジを洗い出すことができるのです。

ナレッジの整理を自動化

AIはナレッジの整理にも有効です。従業員からナレッジを洗い出すと多くの知識やノウハウが雑然と保存されることになりますし、企業には多くのナレッジが蓄積されています。

これらのナレッジのなかから自身の求める情報を調査し、暗黙知を形式知化して共有するためには、ナレッジを分類・整理しなくては必要な情報を探し出すことが難しいでしょう。ただ、膨大な量を人間が分類するためには多くの工数がかかってしまいます。

AIを利用すれば、格納した膨大な情報を自動で仕分け、整理してくれます。それによって、従業員は必要とする情報をカテゴリから探すことができますし、検索性もより高まることになります。AIであれば対話形式で必要な情報を探し出すことも可能になります。

ナレッジの改善

AIを利用することで、ナレッジの改善を行うことができます。

情報は刷新されていくので、マニュアルを修正しなくてはならないなど、ナレッジを改善していかなくてなりません。人間が対応するとなると、該当の資料を探し、修正点を探してすべてを修正しなくてはならず、大変な手間がかかるでしょう。

AIを利用すれば、こういったナレッジの改善点を探し出し、該当の箇所を自動で修正してくれます。ナレッジを改善するための手間を大きく減らすことができるでしょう。

内面化の効率化

AIを利用すれば、個人へのナレッジの内面化も効率化することができます。

ナレッジは整理し取り入れていくなかで、繰り返し実践し意識しなくても理解できている状態へと内面化するプロセスが必要になります。

AIを利用すれば、ロールプレイングやトレーニングなども可能です。AIアバターがナレッジを習得できるまでサポートしてくれ、対話形式でノウハウや知識を身に着けることができます。人材の教育コストも削減できるというメリットが得られるでしょう。

対応日時に制限がなくなる

AIを利用すれば、ナレッジに関する調査や質問がいつでも可能になります。

ナレッジに関する調査や質問に人が対応する場合には、営業時間内でなくてはなりません。AIであれば24時間365日対応が可能なので、日時による制限がなくなります。より従業員のナレッジの習得を早めることができるでしょう。

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ナレッジマネジメントにおすすめのAIサービス4選

ナレッジマネジメントに利用できるAIサービスは、様々なものが開発されています。ここでは、おすすめのAIサービスを4つ紹介します。

接客オンデマンドAI

接客オンデマンドAI

接客オンデマンドは、対話型のAIアバターがナレッジを学習し、必要な情報を提供してくれるサービスです。

自社の資料やマニュアルなどナレッジを学習させることで、ナレッジを整理し必要な情報を得られます。CRMや顧客データベースなどとも連携することができ、顧客の分析、顧客対応の最適化なども可能です。

対話型のAIに対して質問を繰り返すことでロールプレイングやトレーニングを行うことができるので、従業員のナレッジの習得にも役立ちます。AIは運用しながらやり取りのなかでも学習を繰り返すので、ナレッジをより改善していくことができます。

AI Dig for Knowledge

aidig
AI Dig for Knowledgeは、ナレッジ共有・文書検索サービスです。マニュアルや文書などから効率的に必要な情報を検索できるようになります。

キーワードでの検索だけでなく自然言語でも検索ができ、AIが関連性の高い情報を提案してくれます。より簡単に必要な情報を探すことができます。

検索結果に対してはユーザーがGoodやBad評価をすることで、回答精度を高めていくことができます。

SmartKMS

SmartKMS
SmartKMSは、組織の情報を一元管理するAI搭載のナレッジマネジメントシステムです。
独自の検索エンジンを備えており、ファイルの中身まで高速で全文検索を実行できます。AIが自動でナレッジを分類してくれ、必要な情報を的確に提案してくれます。

ナレッジ活用状況の見える化やドキュメントへのコメント機能、レーティング機能などもあり、より運用しやすい工夫がされています。

MiiTel Meetings

MiiTel Meetings
MiiTel Meetingsは議事録自動生成ツールです。議事録をAIが自動生成し、会話の内容を分析するとともに、共有してくれます。

話す速度や抑揚、話題の比率などを見える化してくれるので、コミュニケーションを最適化することができます。

CRMやSFAとも連携が可能で、最新の進捗に更新してくれます。

ナレッジマネジメントにAIを活用した事例

AIをナレッジマネジメントに活用した事例を紹介します。

コンテンツや人材情報に対する効率的な情報探索を可能に

ナレッジマネジメントソリューション「knowler」

ナレッジマネジメントソリューション「knowler」は、Microsoft Office 365やテキストやドキュメント、人脈情報などの多様なデータと連携することで、それらの情報をAIが自動的に分類・意味づけを行ってくれます。

大量のコンテンツや人材情報の探索ができるようになり、ビジネスに必要なコンテンツや人脈情報をスピーディに集められるようになりました。

若手社員でもナレッジ活用が可能に

若手社員でもナレッジ活用が可能に
化学工業メーカーであるレゾナックは、材料開発・製造などに関する資料を10万点以上蓄積していましたが、若手社員がこの資料を利用できておらず、ベテラン社員が退職をしてしまうとナレッジを活用できなくなるという課題がありました。

そこで、膨大な社内資料を対話形式で活用できる生成AIシステムを開発。若手社員はAIに質問をすることでデータから回答や提案をしてもらえ、さらに知見のあるベテラン社員に直接コンタクトが取れるようになりました。また、過去のデータから部門間での橋渡しも可能になりました。

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まとめ

ナレッジマネジメントにAIを取り入れることで、ナレッジの洗い出しや整理、共有、改善などを効率よく行うことができます。様々なツールがあるので、自社の目的に合わせて取り入れましょう。

接客オンデマンドAIは、自社の情報を学習させることで、AIアバターが会話形式でナレッジを提供してくれます。社内Wikiやヘルプデスクのように、不明点があるときのサポートに利用することができます。

ナレッジの検索システムを使いこなすスキルがない場合や、ロールプレイング形式で社員を育成したい場合などにも有効です。お気軽にお問い合わせください。