ホーム > コラム > 対話AIシステム > 感情認識AIとは?おすすめサービス3選や活用シーン、事例を解説します

感情認識AIとは?おすすめサービス3選や活用シーン、事例を解説します

  • 公開日:
  • 更新日:
感情認識AI

AIの機能は進化しており、ChatGPTのように質問に自然な日本語で回答できるなど、あらゆることができるようになっています。そういった進化のなかで、AIは人間の感情も認識できるようになってきています。

ここでは、AIの感情認識がどのようなものか、どのようなシーンで活用ができるのかを解説するとともに、感情認識サービスをいくつか紹介します。

感情認識AIとは

感情認識AIとはどのようなものなのでしょうか。

感情認識AIとは、あらゆるデータをもとに人間の感情を自動的に推定・識別するAIのことです。人間が感じている喜怒哀楽などの感情をAIが認識します。

感情認識AIの仕組み

感情認識AIの仕組みは、膨大な人間のデータをAIが学習することで、AIが人間の感情を推定するものとなります。

人間は喜怒哀楽など特定の感情を抱くときに、共通する行動を取る傾向にあります。そういった表情や発話などの人間の行動から、学習したデータと共通する特徴をAIが読み取り、人間がどのような感情を抱いているかを推定するのです。

これまでコンピュータは人間の感情などは関係なく、特定の命令に一定の行動を返すだけでした。しかし、感情認識AIによって、人の発話や人間が書いた文章、表情、生体データなどをもとに、人間の感情や気持ちの変化に配慮した対応ができるようになりつつあります。

感情認識AIの種類

感情認識AIでは、感情認識のために用いるデータや感情を推定する方法に違いがあります。ここでは4つの方法を紹介します。

音声による感情認識

AIは人間が発する音声によって感情を認識することができます。

自然言語処理によって発話の内容をテキストにし、その単語や文脈などから意味を理解し、感情を推定します。喜怒哀楽の表現において用いられる単語で感情を判断するとともに、文章の指す意味から話者の感情を認識します。

さらに、発話における声の大きさや抑揚、イントネーション、スピードなどからも感情を読み取ることができます。膨大なデータから感情ごとの発話の特徴を分析し、音声と共通する特徴を把握し、感情を推定します。

テキストによる感情認識

テキストからも感情を認識できるAIがあります。これは、書かれている文章から感情を読み取るものです。

自然言語処理を用いたAIでは、膨大なデータから言語モデルを学習し、文章に書かれているテキストを理解できるようになります。そして、自然言語処理によって、AIは文章に書かれている単語や文脈、表現などを分析し、書かれていることのポジティブ・ネガティブを判定し、書いた人の感情を推定することができるのです。AIによる感情分析では、言葉遣いや言い回しなどの細かな特徴から感情を把握することもできます。

SNSなどの投稿データなども学習することができ、抱いている感情の判定をビジネスに活かすこともできます。

視覚情報による感情認識

視覚情報からもAIは感情を認識することができます。これは、カメラやビデオに映る人の表情やしぐさ、行動から感情を読み取るものです。

顔の表情には多くのことが表れます。AIは特定の感情を持つ際の顔のデータを学習することで、視線や部位の動かし方、瞳孔の大きさ、表情の作り方などから感情を類推することができるのです。どのような感情を持っているかを把握するとともに、戸惑っているのかや関心があるのかなど、現在の状態も理解することができます。

また、しぐさや行動などのデータも学習させることで、特定の動きをしたときの感情なども推定することができ、より体全体から情報を取ることができます。

生体データによる感情認識

生体データからもAIは感情を認識することができます。生体データとは、脳波や心拍数、発汗量、体温、呼吸数など、人間の身体から発せられる信号です。これらをカメラやセンサー、ウェアラブルデバイスなどの装置を用いて計測することで感情を推定するのです。

特定の感情を持つときには、人間の身体は共通のシグナルを身体から発する傾向にあります。このような身体から発せられるサインは意図的に隠すことができません。ですので、AIは常に対象の状態を把握することができ、楽しんでいる、怒っている、緊張している、恥ずかしがっているなどの状態を理解することができるのです。

『接客・受付業務を自動化、省人化するなら『接客オンデマンド』。AI対話からリモートツール、バーチャル空間制作まで、幅広く顧客対応のDX化を促進します。サービス資料を無料ダウンロードはこちら

感情認識AIの活用シーン

感情認識AIはさまざまなビジネスシーンで活用することができます。

メンタルケア

感情認識AIはメンタルケアに用いることができます。感情認識AIによって、スタッフのメンタルの状況を的確にとらえ、メンタルヘルスの問題の早期発見、症状の診断、経過観察などが可能になります。

感情認識AIはスタッフの話す姿や音声、内容などをもとに、感情を判定するとともに現在のメンタル状態を検出します。メンタルの問題は本人が気づかない内に進行していることも多く、専門医などに相談するのはかなり症状が進行してからということも少なくありません。感情認識AIを用いれば、スタッフの状態を定期的に確認することができ、早期発見が可能になるのです。

うつ病などのメンタル不調になるとスタッフは休職や退職をすることになるので、感情認識AIを用いることで、こういった損失を防ぐことができます。

接客

感情認識AIは接客の場面でも用いることができます。オンラインや店舗などでの接客では、AIアバターなどを用いることで接客を自動化することができます。モニター上のAIアバターはお客様の感情を理解しながら、最適な応対を行います。

お客様からの質問や求めるものに対して提案を行い、お客様の反応を見て要望に叶っているかどうかを判断したり、クレームであるかを判断したりといったことが可能です。

人が接客を行う場合には人件費がかかりますし対応時間も限られます。さらに、クレーム対応などは心理的な負担がかかってしまいます。感情認識AIを用いれば、コストを抑えながらも人と同じような感情に配慮した接客を行うことができます。24時間365日対応ができますし、人のスタッフのようにストレスがかかるということもありません。

教育

ビジネスシーンでの教育にも感情認識AIを活用することができます。

感情認識AIではスタッフの応対や営業、接客のトレーニングを行うことができます。感情認識AIは表情や音声などを判定することができるので、正しい表情、話し方ができているかをチェックしてもらえるのです。ロールプレイングでは相手役が必要ですが、感情認識AIを用いることでコストを抑えながらいつでもスタッフの教育が行えます。

学習の理解度や集中度のチェックなども可能であり、スタッフのトレーニングの習熟度なども測ることができます。

マーケティング

マーケティングにも感情認識AIは用いることができます。マーケティングにおいてはターゲットに対して販売促進を行いますが、この販促に対する反応を予測するとともに分析することができるのです。

感情認識AIは、SNSでの投稿や口コミ、コールセンターでの通話記録などをもとに、ターゲットがどのような感情を抱くかを判定し、より成果につながるマーケティング施策を考えることができます。そして、マーケティング施策に対して顧客がどのような感情を抱いているかを、AIが効率的に分析することができます。

感情認識AIサービス3選

感情認識AIサービスにはさまざまなものがあります。用途に応じて選ぶのがよいでしょう。

接客オンデマンドAI

接客オンデマンドAI
接客オンデマンドAIは、接客のDXソリューションを提供するビーモーション株式会社のAI運用支援サービスです。モニター上のAIアバターが感情を認識しながら接客を行います。

さまざまなAIサービスと提携しており、より最適な感情認識AIを設計、構築することが可能です。接客だけでなく、トレーニングやマーケティングにも有効なAIサービスを作ることもできます。

運用支援体制に強みがあり、専任の担当者がつきサポートをするので、社内にITに詳しい人材がいなくても運用・開発を行うことができます。VRやARなども提供しており、これらと感情認識AIを組み合わせることもできます。

Empath

Empath
引用:音声感情解析AI Empath(https://webempath.com/)

「Empath」は音声感情認識AIであり、数万人の音声データベースを元に「喜び」「平常」「怒り」「悲しみ」「元気度」を分析し、気分の浮き沈みなどを判定することができます。

Web API化をしておりWebサイトやゲームなどに埋め込むだけで簡単に感情解析技術を導入できるようになっています。メンタルヘルスのチェックやゲームにおいて感情に合わせて音楽を出し分ける、公共空間での口論や悲鳴の検知など、幅広い用途に使用できるAIです。

Affdex

Affdex
引用:人の感情を認識するAI「Affdex」(https://www.affectiva.jp/)

Affdexは、人間の表情から感情を推定・認識するAIです。世界90か国以上から収集された990万人以上の顔画像データベースをもとに、どのような感情を示しているかを推定します。

リアルタイム分析や録画した動画データなどの分析も可能であり、幅広い用途で利用ができます。「Affdex SDK」という開発キットのほかに、「心sensor」などの感情分析アプリなど、用途に応じた表情分析サービスを提供しています。

『接客・受付業務を自動化、省人化するなら『接客オンデマンド』。AI対話からリモートツール、バーチャル空間制作まで、幅広く顧客対応のDX化を促進します。サービス資料を無料ダウンロードはこちら

感情認識AIの活用事例

感情認識AIはさまざまな企業で活用され始めています。ここでは実際の事例を紹介します。

営業のトレーニングにAIを活用

明治安田生命は、全国3万2000人の営業職員が持つ社用スマートフォンに、表情チェックやトークスキルのトレーニングできるアプリ「AIロープレ」を導入しました。

スマートフォンのカメラに映る顔の表情筋の動きを解析して相手にどのような印象を与えるのかを採点してくれ、表情作りのポイントをレポートで確認できます。

また、トレーニング時に発話した内容を自動でテキスト化し、話す速度や頻出する単語などをAIが分析し、適切な話し方ができているかもチェックすることができます。営業職員として必要な能力をセルフトレーニングすることができます。

感情認識AI を活用した表情トレーニングアプリを開発

株式会社リクルートスタッフィングは、派遣スタッフ向けに、「笑顔を楽しく磨く」機能に特化したアプリを提供しました。派遣スタッフは場所や時間にとらわれずに笑顔トレーニングを行うことができます。

アプリには2つのモードがあり、第三者から自分の表情がどのように見えるかを見るものと、教材の動画に合わせて話している表情をAIが分析をしてアドバイスしてくれるモードです。アプリを用いて派遣スタッフが就業先で円滑にコミュニケーションを取るための支援を行っています。

AIがSNSの感情を分析

電通グループは、SNSなどに書き込まれたデータを分析し、どのような感情をユーザーが抱いているかを解析するテキスト解析プラットフォーム「mindlook®」を日立と協創しました。

これまでのソーシャルリスニングではポジティブ・ニュートラル・ネガティブといった違いしかわかりませんでしたが、より細分化した81種類の感情をタグ付けすることができます。それによって、企業はユーザーの投稿内容やインサイトをマーケティングに活用することが可能になっています。

まとめ

感情認識AIは、これまでのシステムでは不可能だった人間の感情にまで踏み込んだ画期的なシステムです。企業は感情認識AIを利用することで、より人間的なサービスを提供できますし、自社の教育などでもより成果を出すことができるでしょう。感情認識AIを開発する場合には、専門の企業に相談し、自社の用途に合ったAIシステムを作る必要があります。

接客オンデマンドAIは、さまざまなAIシステムと提携し、お客様に最適なシステムを提案・開発するサービスです。専任の担当者がどのような目的で感情認識AIを利用するのかをヒアリングし、最適なシステムを設計・提案いたします。

これまでに接客スタッフの教育や派遣を行うとともに、客に関するDXを提供してきたからこそ、現場のニーズに合った接客やトレーニングのためのAIを提案いたします。まずはお気軽にご相談ください。