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AIはロープレに利用できる?メリットやおすすめAIシステム6選を紹介!

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ロールプレイングAI

生成AIの進化により、接客や営業、新人研修などの「ロールプレイング(ロープレ)」にAIを活用する動きが広がっています。AIをロープレに取り入れることで、トレーニングの効率化や対応品質の均一化など、従来の課題を解決する新たなアプローチが可能になります。

本記事では、「ロープレを自動化したい」「ロープレにAIを取り入れたい」と考えている方に向けて、生成AIによるロープレの活用メリットや導入に適したシステム、実際の活用事例、注意点までを幅広くご紹介します。

生成AIのロープレ活用とは

生成AIのロープレ活用とはどのようなものかを解説しておきます。

AIによるロープレの概要

営業・接客・カスタマーサポートなど、対話が求められる業務において、ロープレは実践力を高める重要な手段です。生成AI、特にChatGPTのような対話型AIの登場により、実際の顧客を想定したリアルなやりとりをAIが再現できるようになりました。

近年では、生成AIの進化、特にChatGPTのような対話型AIの登場により、AIが人間の発言意図を理解し、自然な日本語で応答できるようになっています。このような生成AIをロープレに活用することで、実際の顧客を想定した質問ややり取りをAIがリアルに再現し、より実践的なトレーニングが可能になります。

AIとのロープレは、時間や場所を選ばずに実施でき、繰り返し練習が可能です。結果として、個々の対応力向上だけでなく、組織全体のスキルの底上げにもつながります。

ロープレでのAI活用シーン

生成AIは、さまざまな業界や職種におけるロールプレイング(ロープレ)に活用できます。ここでは、特にAIを活用したロープレが効果的なシーンをご紹介します。

ロープレは、顧客との対話が中心となる業務や、定型的な対応が求められる業務において特に有効です。事前に繰り返し練習することで、実際の現場でも落ち着いて受け答えができるようになり、対応品質や業務効率の向上につながります。

AIによるロープレが有効に機能する代表的な職種には、以下のようなものがあります。

  • 営業職
  • 小売店での販売職
  • コールセンタースタッフ
  • 店舗の接客スタッフ
  • 施設の受付スタッフ
  • 金融・保険業のカスタマー対応
  • 不動産業の営業担当

このように、人とのコミュニケーションが欠かせない多くの現場で、生成AIによるロープレは実践的なトレーニング手段として活用できます。

生成AIをロープレに利用するメリット

生成AIをロールプレイングに活用することで、これまでのロープレでは難しかった課題を解決し、より効果的なトレーニングが可能になります。ここでは、生成AIを導入することで得られる主なメリットをご紹介します。

対応品質を均一に保てる

生成AIをロールプレイ研修に取り入れることで、接客や応対の品質を一定水準に保つことが可能になります。従来のロールプレイでは、指導者や練習相手のレベルや指導方針により、対応内容にばらつきが生じやすく、対応品質の均一化が課題とされてきました。

しかし、生成AIに正しい対応例やシナリオをあらかじめ設定することで、すべてのスタッフに対して同一条件のトレーニングを提供することができます。このような形式の研修により、評価やフィードバックの基準も統一され、指導のばらつきがなくなります。その結果、チーム全体で均質なスキルを身につけることが期待できます。

さらに、生成AIは自然な日本語での会話が可能なため、言葉遣いや敬語表現のチェックにも有効です。場所や時間にとらわれず繰り返し練習できる環境を整えることで、個々のスキルアップだけでなく、組織全体の対応力向上にもつながります。

時間や場所を選ばずトレーニング可能

生成AIを活用することで、時間や場所に縛られず、いつでもどこでもロールプレイング研修や練習を行うことが可能になります。

従来のロープレ研修や練習は、参加者同士のスケジュール調整や会場の確保が必要で、実施までに手間と時間がかかっていました。しかし、生成AIを使えば、パソコンやスマートフォンさえあれば24時間365日、自宅や外出先でも即座にトレーニングを始めることができます。

周囲の環境に左右されずに実施できるため、トレーニングや練習の頻度を高めやすく、短期間でのスキル習得にもつながります。また、他人の協力を必要とせず、自分のペースで繰り返し練習やトレーニングができるため、効率的かつ継続的なスキル向上が期待できます。

振り返りの効果を高められる

生成AIをロープレに活用することで、トレーニング後の振り返りの質を大きく向上させることができます。

近年のAIシステムには、会話の内容を自動でテキスト化したり、口調や話し方、声のトーンなどを解析してスコアリングする機能が搭載されているものもあります。これにより、「適切な対応ができていたか」「話し方に改善の余地があるか」などを、客観的な視点から確認することが可能になります。

従来のロープレでは、フィードバックが感覚的で、人によって評価がばらつくことも少なくありませんでした。生成AIを使えば、統一された評価基準のもとでフィードバックを受けられるため、公平性と精度が高まります。

また、多くのAIシステムではロープレの録画機能も備わっており、良かった対応や改善すべき場面を繰り返し見返すことができます。これにより、学びを定着させやすくなり、スキル向上につながります。

多言語対応が可能

生成AIを活用すれば、さまざまな言語に対応したロールプレイングを簡単に実施できます。

外国人のお客様への対応が求められる企業では、各言語を話せるスタッフが必要になるケースがあります。しかし、複数の言語に対応できる人材を揃えるのは容易ではなく、特にトレーニング用に人手を確保するのは大きな負担です。

一方で、生成AIを使えば、AIに必要な学習データを与えることで、多言語でのロープレが可能になります。特定の人員を確保する必要がなく、1つのシステムで複数言語の対応ができるため、効率的かつ柔軟に多言語対応のトレーニングを行うことができます。多様な言語を使う現場においても、AIを導入することで高品質な接客や応対スキルの習得が期待できるでしょう。

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ロープレにおすすめのAIシステム6選

ロープレにおすすめのAIシステムを紹介します。

1.接客オンデマンドAI

接客オンデマンドAI
「接客オンデマンドAI」は、人型アバターを用いたAI対話エージェントで、接客や営業のロールプレイを実践的に行えるシステムです。開発・提供はビーモーション株式会社によるもので、対面接客に近い形でのトレーニングを可能にするのが特長です。

利用者の音声をリアルタイムで認識し、それに対してAIアバターが自然な応答を返します。事前に接客・営業のシナリオを設定することができるため、ロールプレイにおける会話の流れをカスタマイズ可能です。GPT(大規模言語モデル)と連携しているため、膨大なデータを活用して幅広い質問への対応や、想定外の質問にも柔軟に応答できます。

また、目的に応じて、丁寧語・カジュアル語などの口調の変更や、アップセル・クロージングなどの営業手法の学習も可能です。対話内容はテキストでリアルタイム表示され、会話終了後にはログに対して○×評価やコメントでのフィードバック記入ができるため、トレーニングの振り返りや自己評価、他者評価にも活用できます。

サポート体制が充実しており、学習素材の準備や初期環境の開発・検証、稼働後のレビュー、FAQ作成まで、社内に担当者を用意せずとも導入や運用ができるようなシステムとなっています。

2.iRolePlay

iRolePlay
引用:iRolePlay(https://www.interactive-solutions.co.jp/service/iroleplay.html)

iRolePlayは、スマートフォン1台でオフラインでも利用可能なAIロールプレイングシステムです。外出先や電波の届かない場所でも使用できるため、場所や時間を選ばず、営業や接客などのトレーニングが行えます。開発元はインタラクティブソリューションズ株式会社です。

このシステムでは、動画・テキストなどの学習データをもとにAIが自動対話を生成し、シナリオなしでも即座にロールプレイが開始可能です。これにより、利用者は柔軟にさまざまなシチュエーションに対応する練習ができ、現場で求められる臨機応変なコミュニケーション力を養うことができます。

また、AIはやりとりの内容を分析し、発言の適切さや表現力、話の組み立てなどを評価。その評価を基に、より良い対応のポイントや改善点を具体的にフィードバックしてくれます。

3.AIロープレ

AIロープレ
引用:AIロープレ(https://videotouch.jp/ai-roleplay)

「AIロープレ」は、コンタクトセンター業務に特化したAIロールプレイングシステムです。コールセンター向けのAI・動画トレーニングプラットフォームを提供しているVideoTouch株式会社によって開発されました。

このシステムでは、AIが多様な顧客役をリアルタイムで演じてくれるため、オペレーターは待機時間なく、24時間いつでもトレーニングが可能です。AI顧客は、クレーム対応、問い合わせ処理、契約変更など、さまざまな応対シナリオに応じて会話を展開するため、オペレーターは実践に近いかたちで、幅広いパターンの対応力を身につけることができます。

さらに、AIはロールプレイ後に発言内容や対応のスムーズさ、顧客への配慮などを自動評価し、構成や表現の適切さについてのフィードバックを即時に提供します。これにより、従来の属人的な指導によるばらつきが解消され、対応品質を組織全体で標準化することが可能になります。

4.Sansan Labs

Sansan
引用:AIロールプレイング(https://videotouch.jp/ai-roleplay)

Sansan株式会社は、営業DX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するサービス「Sansan Labs」において、対話型AIを活用した新機能「AI営業ロールプレイング」を提供しています。

この機能では、AIが顧客役としてチャット形式で営業担当者と対話し、実際の商談を模したロールプレイを行うことができます。ロールプレイは初級・中級・上級の3段階に分かれており、営業担当者のスキルレベルに応じた実践的なトレーニングが可能です。

ユーザーが想定される顧客の業界や部署名などの基本情報を入力すると、AIは業界動向や有価証券報告書などの公開情報を基に顧客像(性格や業務上の関心事、課題など)を自動生成します。これにより、より現実に近い商談シナリオを再現でき、単なる反復練習ではなく、状況に応じたヒアリング力や提案力の向上につながります。

また、会話内容のフィードバック機能も備えており、ユーザーの応対内容に対するアドバイスや改善点の提示を受けることができます。これにより、自己学習型のスキル向上が可能となり、実務へのスムーズな応用が期待されます。

5.カルティロープレ

カルティ
引用:カルティロープレ(https://kartie-cloud.jp/roleplay/)

「カルティロープレ」は、接客・販売・営業のスキル向上を目的としたAIロールプレイングトレーニングシステムです。開発元であるビーモーション株式会社は、営業現場で活用されるトップセールスのノウハウや営業シナリオをAIに学習させることで、実践的かつ効果的なトレーニング環境を提供しています。

このシステムでは、AIアバターと実際の商談シナリオに基づいた対話形式のロールプレイを行うことができ、ユーザーは販売力・提案力・接客力の強化を図ることが可能です。AIは会話内容をリアルタイムで解析し、話し方や内容の論理性、表現の適切さなどを自動で評価します。

また、ロールプレイの様子は動画として録画保存され、トレーニング後にはAIによる評価だけでなく、マネージャーやトレーナーによるフィードバックも行える仕組みとなっています。これにより、客観的な振り返りと個別指導が可能となり、現場で即戦力となる人材育成をサポートします。

6.gaccoロープレ

Gacco
引用:株式会社ドコモgacco(https://gacco.co.jp/service/ai_roleplay/contact.html)

「gaccoロープレ」は、株式会社ドコモgaccoが提供する法人向けのAIロールプレイング研修サービスです。

このサービスでは、AIアバターとの対話を通じて、自由に設定したシナリオに基づいたロールプレイングが行えます。アバターは年齢、性別、職業、性格などをテキストで柔軟にカスタマイズできるため、実際の業務に近いシチュエーションを再現可能。

ロールプレイングの内容はAIが自動で評価し、100点満点でスコアを提示するとともに、フィードバックも自動生成されます。フィードバックの基準は企業ごとの方針や文化に応じてカスタマイズできるため、自社に最適な育成環境を構築することができます。また、受講者の進捗や練習履歴を一括で管理できる機能も備えており、企業全体での育成状況の可視化にも役立ちます。

AIをロープレに活用した事例

AIをロープレに導入した企業の事例を紹介します。

アフラック生命保険

アフラック生命保険は2022年春、保険代理店向けの「募集人教育AI」の機能として、AIによるAIロールプレイング研修を提供しました。AIロープレによって、保険会社や代理店の営業担当者は、AIアバターを相手にロールプレイングを繰り返すことで、営業話法の型を身に付けることができるようになります。

営業担当者のロールプレイング内容をもとに、挙げるべきキーワードを盛り込んでいるかどうかをAIが分析・評価。研修を受講し終えた営業担当者は、未完了の営業担当者よりも約1.3~1.5倍の成績となっているとのことです。

日本化薬株式会社

日本化薬株式会社はe-Learningを用いた一方向型の研修に課題を感じており、若手MRのロープレにAIを採用しました。

実際の営業と同じようなAIエクササイズを行い、その動画を提出することでアウトプット力向上とメンターの労力削減を実現。医師としっかり話し込みができるような力を身につけていきました。話すことへの苦手意識が軽減し、自身の課題に気づき、意識・行動が変化するという効果を得られたとのことです。

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ロープレAIを活用するときの注意点

ロープレにAIシステムを導入する際には注意すべき点があります。

AIへの学習が必要

ロープレに生成AIを活用するには、事前にAIへの学習が欠かせません。実際の接客や営業の現場で発生しうる質問や会話の流れを、AIにあらかじめ学ばせておく必要があります。

そのためには、シナリオや実際の顧客対応履歴、よくある質問(FAQ)など、現場に即したデータを整理・作成し、AIにインプットする作業が必要です。学習させるデータの質と量が充実していれば、それだけAIの応答の精度も高まり、より実践的なロープレが可能になります。この準備には一定の時間と手間がかかるため、導入前にその点を理解しておくことが重要です。

ただし、ロープレAIシステムを提供している企業の中には、こうしたデータ作成や学習設計を支援してくれるところもあります。システムを選ぶ際には、そうした支援体制の有無も検討材料にするとよいでしょう。

社内でサポート体制を作る

ロープレAIシステムを導入する際には、社内スタッフへのレクチャーや不明点への対応を行うためのサポート体制を整えることが重要です。

従来、対面でロープレを行っていたスタッフにとって、AIを活用したシステムはなじみが薄く、操作に戸惑ったり、活用方法が分からなかったりするケースも少なくありません。こうした戸惑いが原因で、せっかく導入したシステムが十分に活用されなくなるリスクもあります。

ロープレAIの効果を最大限に引き出すためには、操作方法の説明や活用支援、質問対応などを担う社内のサポート担当者を設けるとよいでしょう。また、導入を検討する際には、運用サポートが充実しているベンダーを選ぶことも、安心して活用を進めるためのポイントです。

調整を行う

ロープレAIは、導入して終わりではなく、運用を開始した後も継続的な調整が必要です。

実際の運用を通じて、会話の流れが不自然だったり、AIの回答内容に改善の余地があったりする場面が出てくることがあります。そうした課題に対しては、フィードバックをもとにシナリオの修正や追加学習を行うことで、AIの応答精度を高めていくことが求められます。

また、ロープレの評価に関しても、どの項目を重視するか、どういった基準でスコアリングするかといった点を見直しながら、運用目的に合った評価設計をしていくことが大切です。このように、細かな調整を積み重ねることで、より実践的で効果的なロープレAIシステムへと育てていくことができます。

まとめ

ここまで、生成AIをロープレに活用するメリットや注意点、システムなどを解説してきました。ロープレにAIを利用することで、多くのメリットが得られます。現在ロープレに課題があるという人は、AIシステムを導入するのがおすすめです。

「接客オンデマンドAI」は、LLMを活用した高精度なRAG構築により、ロープレに必要となる難解な日本語の解釈や、自然対話を実現するAIシステムの開発が可能。GPT連携なのであらゆる質問に回答でき、接客や受付、営業など幅広い業務のロープレを行うことができます。多言語対応も可能です。

シナリオを設定することもでき、シチュエーションごとの正しい対応方法の習得に活かすことができます。やり取りをテキスト化し問題箇所を振り返ることができるので、効率よく成長を促すことができます。ぜひご相談ください。