【2026年】AIロープレおすすめ11選|導入メリットから選び方のポイントまで解説


秋山 宗一
ビーモーション株式会社
マーケティング部 部長 DXソリューションサービス責任者
精密機器メーカー、プロモーション支援、人材サービス業界で法人営業・事業開発・マーケティングを経験。現在はビジネス向け対話AIソリューション領域で、接客、教育、採用業務における制度設計・導入支援を手掛けている。「人が行ってきた接客や教育を、テクノロジーでどこまで再現できるか」をテーマに、実運用に耐えるAI活用を研究・実装している。
「AIロープレは本当に効果があるのか」「接客や営業のロープレをAIで行うと効率化できる?」「AIロープレを導入したいけれど、何ができるのか具体的に知りたい」という疑問を持っている人も多いのではないかと思います。
AIの進化により、営業・接客・研修などのロールプレイング(ロープレ)にAIを活用する動きが急速に広がっています。ただし、AIロープレはどのシーンで活用できるのか、従来のロープレと何が違うのかを理解しないまま導入すると、失敗するリスクがあります。
そこでこの記事では、AIロープレのメリット・タイプ・サービス比較・導入手順・注意点を幅広く解説します。実際の導入事例なども解説しているので、営業・接客教育を担う方、研修の効率化を検討している方はぜひ参考にしてください。
AIロープレとは
AIロープレとはどんなツールなのでしょうか。まずはその意味や活用シーンを解説します。
AIロープレの概要
AIロープレとは、営業・接客・カスタマーサポートなど顧客との対話が発生する業務において、AIが顧客役を担いロールプレイングを行うトレーニングツールです。実際の顧客を相手にしなくても、営業トークや接客対応、クレーム対応など、実際のビジネスシーンを想定したシナリオをAIが再現し、受講者はリアルに近い対話練習を積むことができます。
想定する顧客の属性・課題・質問内容をあらかじめ設定できるため、実務に即したシナリオで何度でも繰り返し練習が可能です。また、会話内容を自動記録・分析し、回答の適切さ・言い回し・改善点を客観的に把握できる機能を持つサービスも多くあります。
AIロープレの活用シーン
AIロープレは顧客との対話が発生するさまざまな業務・業界で活用できます。具体的には以下のようなものが挙げられます。
- 営業・インサイドセールス
- 小売店・ショールームでの接客
- カスタマーサポート・コールセンター
- カスタマーサクセス
- 人事・採用担当(面接官のトレーニングなども)
- 店舗接客・施設受付
- 金融・保険・不動産業の対面営業
このように、営業や接客、カスタマーサポートなど、あらゆる顧客と直接対話する業務でAIロープレを活用することができます。特定の業界や職種に限らず、対話スキルの向上が業績に直結するあらゆる現場での導入が進んでいます。
AIロープレの6つのメリット
従来の対面ロープレと比較したとき、AIロープレには以下の比較表のように多くのメリットがあります。
| 従来のロープレ | AIロープレ |
|---|---|
| 講師・会場費が都度発生 | 初期導入後は低コストで繰り返し実施 |
| スケジュール調整が必須 | いつでもどこでも実施可能 |
| 担当者の主観に依存 | AIが客観的・定量的に評価 |
| 担当者スキルに限定 | 多様なペルソナを瞬時に切替 |
| 外国語講師の確保が必要 | 複数言語を学習させるだけで対応 |
| 議事録依存で不完全 | 対話ログを自動保存・分析 |
コストを抑えられる
AIロープレを導入することで、従来のロープレと比べてコストを抑えられます。
従来のロープレでは、実施のたびに講師や教育担当者の人件費、会場費が発生します。AIロープレであれば、各自がスマートフォンやPCから時間・場所を問わずトレーニングを受けられるため、移動費・会場費・講師の人件費をすべて削減することができるのです。
初期導入コストはかかるものの、導入後は追加費用をほとんどかけずに何度でも繰り返し実施できるため、長期的に見ると研修にかかるトータルコストを大幅に削減できるでしょう。
品質を保てる
AIロープレを活用することで、研修や教育の品質を安定して保つことができます。人によるロールプレイでは、担当者の経験や指導力によって内容やフィードバックが変わってしまうことがありますが、AIロープレであれば一定の基準で教育を行うことができるのです。
AIロープレではあらかじめ設定したシナリオや評価基準にもとづいてトレーニングを行えますし、すべてのロープレをAIが行うので指導内容や難易度、評価の結果にばらつきが出にくいです。また、会話内容をデータとして蓄積・分析できるため、改善点を客観的に把握しやすいというメリットもあります。
多様なロールを再現できる
AIロープレでは顧客の属性・感情・会話の流れを細かく設定でき、実際の業務で起こり得るさまざまなパターンを想定した練習が可能です。
たとえば接客では「常連客」「クレームを言う顧客」「外国人観光客」を、営業では「価格交渉を強く仕掛ける顧客」「導入に慎重な意思決定者」「即決しやすい顧客」など、実践さながらのシチュエーションを何度でも再現して対応力を磨けます。
時間や場所を選ばない
AIロープレを活用すれば、時間や場所を選ばずにトレーニングを行うことができます。
人によるロールプレイでは参加者や教育担当者の予定調整、会場の確保が必要になりますが、AIロープレはオンライン環境で利用できるので、シフト制の職場や複数拠点を持つ企業でも出勤前後の空き時間・自宅・移動中などにトレーニングが可能です。
研修機会の偏りを防ぎ、全員が同じ学習機会を得られるようになるでしょう。
振り返りの効果を高められる
AIロープレによって、トレーニング後の振り返りの効果を高めることができます。
AIロープレではロープレの姿や会話内容、対応の流れをデータとして記録・分析できるので、客観的な視点で自分の対応を確認できます。発言内容・対応スピード・言い回しを数値化して分析できるため、感覚的な指摘ではなく具体的な改善ポイントを把握しやすくなるでしょう。
ポジティブな表現の使い方やヒアリングの質、クロージングのタイミングなども可視化されるため、自分では気づきにくい強みや改善点を把握できます。
多言語対応が可能
人によるロープレでは対応できる言語や指導者が限られますが、AIロープレは複数の言語データを学習させることで、外国語での接客・対応を想定したトレーニングを実施できます。
ネイティブ表現や文化的な言い回しを踏まえた会話練習も行えるため、訪日外国人対応が求められる企業での人材育成において有効でしょう。

AIロープレのタイプ
AIロープレは活用目的によって4つのタイプに分けられます。自社の課題に合ったタイプを選ぶことが、トレーニング効果を最大化する鍵となります。
接客・カスタマーサポート型
主に店舗やコールセンターなどでの顧客対応を想定したAIロープレが「接客・カスタマーサポート型」です。顧客からの問い合わせやクレーム対応、商品の説明や案内といった、日常的に発生するシチュエーションをAIが顧客役となって再現します。
接客業やカスタマーサポート業務では、顧客ごとに異なる要望や感情への柔軟な対応が求められます。怒り・不安・要望が曖昧な顧客など、実際の現場で遭遇しやすい多様な顧客タイプへの対応力を鍛えられます。
営業・商談シミュレーション型
「営業・商談シミュレーション型」は、顧客との商談や交渉を想定して練習できるAIロープレです。
営業活動では、顧客の課題を引き出すヒアリング力や相手の反応に応じた提案力が成果を左右します。営業・商談シミュレーション型のロープレAIでは、顧客の業種や立場、検討段階などを設定できるため、初回商談からクロージングまで、さまざまなフェーズを想定したトレーニングが可能です。
また、競合との比較対応や、導入に慎重な意思決定者へのアプローチなど、つまずきやすい場面を繰り返し練習できます。
採用面接・人材評価型
採用活動における面接シーンを想定し、面接官と応募者のやり取りをAIで再現できるロープレAIです。AIが面接官役や応募者役を担い、質問や回答のシミュレーションができます。
面接官側にとっては、応募者に対する質問の切り出し方や深掘りの仕方、評価のポイントを確認・改善でき、より公正で一貫性のある面接スキルを身につけられます。応募者側は、自己PRや志望動機の伝え方、想定外の質問への対応力を繰り返し練習でき、本番の面接に強くなれます。
教育・研修型
業務知識の定着や対応フローの理解を目的とした研修向けAIロープレです。
新人研修や職種別研修、管理職向けトレーニングなど、対象やレベルに応じたロールプレイを実施できるため、座学だけでは身につきにくい実践力を養いやすい点が特徴です。受講者ごとの理解度や対応傾向に応じてフィードバックを行えるため、個別最適化された教育が可能です。
ロープレにおすすめのAIシステム11選
主要なAIロープレサービスを一覧で比較できるよう整理しました。サービス選定の参考にしてください。
| No. | サービス名 | 対象業務 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| 1 | 接客オンデマンドAI | 接客・営業・研修全般 | 音声・表情解析、シナリオ設定、アバター対話、充実サポート |
| 2 | iRolePlay | 営業・接客 | オフライン対応、動画データから高密度要約生成 |
| 3 | AIロープレ(VideoTouch) | コンタクトセンター | オペレーター育成特化、AIが応対内容を自動評価 |
| 4 | Sansan Labs | 営業 | 初級〜上級の3段階、業界・部署から顧客プロフィール自動生成 |
| 5 | カルティロープレ | 接客・販売・営業 | 動画録画、AIスコアリング+マネージャーFB |
| 6 | gaccoロープレ | 法人研修全般 | 100点満点スコア、進捗・履歴を一元管理 |
| 7 | mimik | 営業・接客 | ハイパフォーマーの話法をAIが学習・スコアリング |
| 8 | steach | 採用面接 | 表情・声のトーン解析、スコア・グラフで可視化 |
| 9 | AmiVoice RolePlay | 営業・接客トレーニング | 動画アップでAI自動採点、NGワード加減点設定可 |
| 10 | amptalk coach | インサイドセールス | 商談シナリオ設定、理解度・正確性・質問対応力を評価 |
| 11 | AIトークトレ | コンタクトセンター | 社内データからペルソナ自動生成、クレーム練習対応 |
以下では各サービスの詳細を紹介します。
1.接客オンデマンドAI
| ポイント |
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「接客オンデマンドAI」は、ターゲットシチュエーションに合った人格を持つAIアバターが対話形式でロープレを行うサービスです。GPT連携により膨大なデータを学習し、あらゆる質問に適切に回答します。目的に合わせた口調や、アップセルや誘導対話のような営業手法の学習も可能です。
会社が定めた評価基準をAIが学習し、接客・営業の流れをシナリオとして設定できます。表情解析・声のトーン・抑揚・話速の自動解析が可能で、対話ログへのフィードバック追加機能でロープレの振り返りも効率化できます。
サポート体制が充実しており、学習素材の準備や初期環境の開発・検証、稼働後のレビュー、FAQ作成、長年の人材教育の知見からのアドバイスまですべて代行してくれるので、社内に担当者を用意せずとも導入や運用ができるようなシステムとなっています。
2.iRolePlay
| ポイント |
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iRolePlayは、オフライン環境でも、スマートフォンでいつでもどこでもロールプレイができるシステムです。
動画やテキストデータをもとに、専門用語を含んだ高密度要約文を作成してくれるので、ロールプレイにおいてより良い対応や情報を学ぶことができます。
シナリオなしでも学習データに基づきAIが自動で対話を生成してくれます。やりとりはAIが
評価してくれます。
3.AIロープレ
| ポイント |
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「AIロープレ」は、コンタクトセンターに特化したAIロールプレイングシステムです。コールセンターのAI・動画トレーニングプラットフォームを提供しているVideoTouch株式会社が開発を行っており、コールセンターにおけるオペレーターの育成に特化したシステムを導入することができます。
いつでも待機時間なしにAIがさまざまな顧客を演じてくれるので、あらゆるパターンの対応をオペレーターは身につけることができます。さらに、AIがロープレ内容を評価してくれ、発言の良し悪しを構成にフィードバックしてくれます。指導のブレがなくなるので、対応品質を全社で統一することができます。
4.Sansan Labs
| ポイント |
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Sansan株式会社は、営業DXサービスである「Sansan Labs」に、対話型AIを活用した機能「AI営業ロールプレイング」を実装しています。
営業のロープレにおいて、対話型AIが顧客としてチャット形式で対話を行ってくれます。初級・中級・上級の3段階が用意されており、さまざまなレベルで商談を取り付けるまでの流れを練習することができます。
想定顧客の業界と部署名などを入力することで、業界動向や有価証券報告書を分析した結果から、自動で商談相手の性格やプロフィールを生成してくれます。よりリアルに近いロープレを行うことができます。
5.カルティロープレ
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「カルティロープレ」は、AIに営業シナリオやトップセールスのノウハウを学習させることで、接客や販売、営業のロープレを行うことができるシステムです。
AIアバターと営業シナリオに基づいた会話を行うことで、販売力や接客力を向上させることができます。ロープレは動画に録画でき、AIが会話を評価するとともに、マネージャーによるフィードバックも可能です。
6.gaccoロープレ
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「gaccoロープレ」は、株式会社ドコモgaccoが提供する法人向けのAIロールプレイング研修サービスです。
このサービスでは、AIアバターとの対話を通じて、自由に設定したシナリオに基づいたロールプレイングが行えます。アバターは年齢、性別、職業、性格などをテキストで柔軟にカスタマイズできるため、実際の業務に近いシチュエーションを再現可能。
ロールプレイングの内容はAIが自動で評価し、100点満点でスコアを提示するとともに、フィードバックも自動生成されます。フィードバックの基準は企業ごとの方針や文化に応じてカスタマイズできるため、自社に最適な育成環境を構築することができます。また、受講者の進捗や練習履歴を一括で管理できる機能も備えており、企業全体での育成状況の可視化にも役立ちます。
7.mimik
| ポイント |
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「mimik」は、営業や接客における実践的なロールプレイを支援するAI対話プラットフォームです。実在する顧客データやシナリオに基づき、リアルな対話をAIが再現することで、実戦に近い訓練が可能です。
mimikは、ハイパフォーマーの対話データをもとにトークの構成・言い回し・間の取り方をAIが学習しスコアリングするので、成功している話し方を身につけることができます。また、ロープレの結果はAIが自動で評価し、トークの構成、話し方、質問の切り返し方などの観点から詳細なフィードバックを提供。トレーニング後の振り返りが効率的に行えます。
8.steach
| ポイント |
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「steach」は面接練習に特化したAIアプリで、ユーザーの話し方や表情、声のトーンなどを自動的に解析し、客観的なフィードバックを提供します。
話すテーマ/質問セットを入力し、回答する人、回答を評価する人を設定することで、AIが自動で質問を作成。ユーザーがスマートフォンやパソコンを使って面接の練習を録画・録音すると、AIがその映像や音声をもとに話の構成や説得力、表情の豊かさ、姿勢、視線の動きなどを数値化して評価します。
こうしたフィードバックはグラフやスコアとして表示されるため、ユーザーは自分の強みや弱点をひと目で把握することができ、繰り返し練習を重ねる中で着実にスキルを向上させることができます。
9.AmiVoice RolePlay
| ポイント |
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AmiVoice RolePlayは、株式会社アドバンスト・メディアが提供するAI搭載の営業・接客トレーニングプラットフォームで、ユーザーはAIアバターやお客様役とのロープレの動画を録画・アップロードするだけで、AIが内容・話速・表情などを解析し自動採点・フィードバックを行います。
評価パターンやNGワードの加点/減点設定、話速や笑顔判定など柔軟なカスタマイズが可能で、自社の基準に応じたトレーニング設計に対応することができます。
10.amptalk coach
| ポイント |
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amptalk coachは、営業を即戦力化することを目的とした対話型のAIロープレツールです。AIとの商談ロールプレイングを通じて、現場で使える生きた営業ナレッジの定着と応用を行うことができます。
顧客のペルソナや商談シナリオ、想定質問を設定してトレーニングコースを作成でき、実際の商談に近い状況で繰り返し練習できます。ロープレ後は、AIが会話内容をもとに「ストーリーの理解度」「情報の正確性」「質問への対応力」などの観点から評価・フィードバックを行い、改善点を明確化します。
配属後の基礎知識の習得や製品アップデート時の学習、競合・市場変化への対応など、幅広い営業育成シーンで活用できるサービスです。
11.AIトークトレ
| ポイント |
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AIトークトレは、新人オペレーターを早期に戦力化することを目的とした、コンタクトセンター向けのAIロールプレイングツールです。顧客応対履歴や応対マニュアル、アンケート、口コミなどの社内データをAIに学習させることで、自社ならではのリアルなペルソナやシナリオを生成し、実践的なロープレと習熟度評価を行えます。
SVが不在でも、時間や場所を問わず何度でもロープレを実施できるため、実践機会不足という育成課題を解消できます。難易度の高いクレーム対応やカスタマーハラスメントなども、失敗を恐れずに練習できる環境を提供し、OJTのリスクや育成負荷を軽減します。

AIロープレを導入する際の手順
実際にAIロープレを導入するときには、どのような作業が必要になるのでしょうか。その手順を解説します。
1.目的や課題の整理
AIロープレを導入する際には、まず目的や課題を整理することが重要です。目的や課題が曖昧なままでは、シナリオ設計や評価項目にずれが生じ、AIロープレの効果を十分に発揮できない可能性があります。
「何のために導入するのか」「どのような接客・営業スキルを向上させたいのか」を明確にしましょう。達成したいゴールと育成プロセスの課題を整理することが出発点です。
2.学習データの準備・AIへのインプット
商品・サービス資料・トークスクリプト・応対マニュアル・FAQ・過去の商談履歴など、AIがロープレを成立させるために必要な情報を事前に整理してインプットします。社内資料が分散していたり、ノウハウが属人化していたりすると、整理・言語化するだけでも工数がかかるため、導入前に一定のリソースを確保しておくことが重要です。
また、最新かつ正確な情報を整理し、現場で実際に使われている表現や対応フローを反映させることで、AIの回答や評価が現場の実態とかけ離れてしまうリスクを防ぐことができます。
3.対話設計・評価基準設定
対話設計では初回対応・ヒアリング・提案・クロージング・クレーム対応など、育成したい場面を具体的に想定してシナリオを構築するのが重要です。
特に「最終的に何を上達させたいか」を明確にしたうえで、「何をスコア化してAIに評価させ、何を人が確認して評価するか」を最初に決めておくことがフィードバックの質と納得感を高めるうえで欠かせないでしょう。
シナリオについては、現場で実際に起きやすい場面を優先的に設計し、難易度の異なる複数のパターンを用意しておくことで、スキルレベルに応じた段階的なトレーニングが可能になります。
4.テスト導入・調整
本格導入の前にはテスト導入を行い、運用や内容を調整します。いきなり全社・全現場で導入すると、想定外の課題が発生し、現場に負担をかけてしまう可能性があります。
テスト導入では、一部の部署やメンバーを対象にAIロープレを実施し、シナリオの難易度や対話内容、評価基準が適切かを確認します。また、実際に利用した現場からフィードバックを集めることで、使いづらい点や改善すべきポイントを把握できます。
こうした検証と調整を重ねることで、現場に定着しやすい形でAIロープレを導入でき、本格運用時の効果を最大化することにつながります。
5.運用設計・PDCAの仕組みを整える
AIロープレは導入して終わりではなく、運用設計とPDCAの仕組みを整えることが重要です。
多くの企業でAIロープレの導入・運用を支援してきた経験から言えることがあります。それは、サービスの導入はあくまで始まりに過ぎず、評価設計と運用設計こそが成否を決めるということです。導入後は、ロープレの実施状況・スコア推移・つまずきポイントを定期的にレビューし、シナリオ・評価基準・NGワードを継続的にアップデートしていく体制を整えることが不可欠です。
そして、KPIを設計しリマインド配信を行うことで、「環境は整えたが使われない」という最も多い失敗パターンを防ぐことができます。 AIロープレは、運用プロジェクトとして継続的に改善し続けることで、はじめて組織全体のスキルアップに直結する仕組みへと育つのです。
AIロープレで成果を出すためのポイント
ロープレにAIシステムを導入して成果を出すためには、抑えておくべき点があります。
社内でサポート体制を作る
AIロープレを導入する際には、社内のサポート体制を整えておくことが重要です。
これまで対面でロープレを行ってきたスタッフにとって、AIロープレシステムは馴染みのないツールです。操作方法がわからない、活用イメージが湧かないといった理由から、導入したものの使われないまま終わってしまうケースは少なくありません。
使い方のレクチャーや問い合わせ対応といったサポート体制を整備し、定期的なリマインドやKPI設計で利用を促進する仕組みを作ることが重要です。
AIまかせにしない
弊社の経験上、AIロープレを活用する際には、AIにすべて任せるという姿勢は避けたほうがよいです。
AIは客観的なフィードバックや定量的な評価には優れていますが、会話の文脈や感情、相手の表情の裏にある意図など、繊細な人間の機微をすべて理解することは難しいです。話し手の気遣いや場の空気を読む力、状況に応じた臨機応変な判断といった暗黙的なスキルは、AIだけでは十分に判断・評価できない領域です。
AIの評価はあくまで客観的な指標のひとつとして捉え、指導者や教育担当者が内容を確認しながら補足・アドバイスを加えることで、より実践的で状況に即した学びが得られるでしょう。
シナリオの粒度を適切に設計する
AIロープレで成果を出すためには、シナリオの粒度を適切に設計することが重要です。1シナリオを長くしすぎると、評価・分析の焦点がぼやけ、どの場面に課題があるのかが特定しにくくなります。
弊社の経験では、1シナリオは5〜10分程度で完結できる粒度に設計することで、評価・分析の精度が上がり、改善につながりやすくなります。初回対応・ヒアリング・提案・クロージングといった場面を細かくシナリオ分割しておくことで、スタッフが自分の苦手な場面だけを繰り返し練習できるようになり、トレーニング効率も向上するでしょう。
「企業独自の基準」と「専門的な視点」で評価する
AIロープレで現場の納得感を高めるためには、評価基準を「企業独自の基準」と「専門的な視点」の2軸で設計することが重要です。
各社のスキル・レベル表や模範トークスクリプトをAIに学習させて企業固有の基準を構築したうえで、専門家目線の評価を組み合わせることで納得感のあるスコアを算出できます。評価が「厳しすぎる」「甘すぎる」と現場が納得しないケースの多くは、この2軸の設計が不十分なことに起因していることが多いので注意しましょう。

AIロープレの活用事例
ここでは、AIロープレを導入した弊社のお客様の事例と、実績が公開されている例などを紹介します。
人材業界A社
弊社のお客様の事例です。誤案内や法令違反が重大事故に直結する若手営業の人材面談において、AIロープレを活用したA社では、「ヒアリング・論理性・法令遵守・共感」の4軸で評価基準を設計。初回面談から内定後までをフェーズ別に分割し、各シナリオを5〜8分に収めました。
導入当初は評価が「厳しすぎる」という現場の声を受け、必須要素とNGワードのみを減点する方式に変更。スコア推移を月次で可視化し、低スコアだった「条件交渉」シーンを重点復習に充てることで改善を実現しました。現在は求人市場の変化や法改正に合わせ、四半期ごとにシナリオを更新しながら継続的なPDCAを回しています。
教育業界B社
これも弊社のお客様の事例です。保護者対応(お迎え報告・電話・面談)におけるトラブルリスク軽減を目的にAIロープレを導入したB社では、法人理念を企業基準として組み込みながら共感・発達理解・安全など5軸で専門評価を設計。導入当初はAIの口調が丁寧すぎて「現実味がない」という声を受け、1発話1〜2文の短文制約を設けることでリアルさを改善しました。
運用後は「障害について伝える面談」で低スコアが集中していることが判明し、断定語の頻度を追跡しながら月3〜4回の実施をリマインドで促進。感染症対策など運用ルールの変更に合わせた随時アップデートと、半期ごとの現場フィードバック収集によって継続的な改善を続けています。
コールセンターC社
解約抑止・プラン変更対応における誤案内やヒアリング不足の改善を目的にAIロープレを導入したC社では、5軸の評価基準と顧客3タイプのシナリオ分岐を設計。
運用開始から3か月で累計1,200回超を実施し、解約抑止の提案力が15%低い傾向を発見して台本を改修しました。料金プラン変更に合わせた月次更新とSVによる月1レビューで継続的なPDCAが定着しています。
アフラック生命保険
アフラック生命保険は2022年春、保険代理店向けの「募集人教育AI」の機能として、AIによるAIロールプレイング研修を提供しました。AIロープレによって、保険会社や代理店の営業担当者は、AIアバターを相手にロールプレイングを繰り返すことで、営業話法の型を身に付けることができるようになります。
営業担当者のロールプレイング内容をもとに、挙げるべきキーワードを盛り込んでいるかどうかをAIが分析・評価。研修を受講し終えた営業担当者は、未完了の営業担当者よりも約1.3~1.5倍の成績となっているとのことです。
参考:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01302/110800008/
日本化薬株式会社
日本化薬株式会社はe-Learningを用いた一方向型の研修に課題を感じており、若手MRのロープレにAIを採用しました。
実際の営業と同じようなAIエクササイズを行い、その動画を提出することでアウトプット力向上とメンターの労力削減を実現。医師としっかり話し込みができるような力を身につけていきました。話すことへの苦手意識が軽減し、自身の課題に気づき、意識・行動が変化するという効果を得られたとのことです。
参考:https://umujapan.co.jp/interview/nipponkayaku/
日本生命
従来の集合研修や対面ロープレでは、時間・場所の制約が大きく評価基準にもばらつきが出やすいという課題を抱えていた日本生命では、AIを活用したロープレシステムを導入しました。
営業職員がスマートフォンで自撮り動画形式のロープレ演習を行い、AIが発話内容に盛り込まれるべきキーワード・話す速度・表情などを自動解析・評価することで、職員が自分の課題を客観的に把握しながら繰り返し練習できる環境が整い、営業トークの質向上につながったとのことです。
参考:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/02991/
まとめ
ここまで、生成AIをロープレに活用するメリットや注意点、システムなどを解説してきました。ロープレにAIを利用することで、多くのメリットが得られます。現在ロープレに課題があるという人は、AIシステムを導入するのがおすすめです。
「接客オンデマンドAI」は、LLMを活用した高精度なRAG構築により、ロープレに必要となる難解な日本語の解釈や、自然対話を実現するAIシステムの開発が可能。GPT連携なのであらゆる質問に回答でき、接客や受付、営業など幅広い業務のロープレを行うことができます。多言語対応も可能です。
シナリオを設定することもでき、シチュエーションごとの正しい対応方法の習得に活かすことができます。やり取りをテキスト化し問題箇所を振り返ることができるので、効率よく成長を促すことができます。ぜひご相談ください。


