商品をもっと魅力的に見せる陳列方法を知りたい、売上につながる商品陳列のアイデアを知りたい、という思いを持っている人も多いのではないでしょうか。
商品陳列は、ただ並べるだけでは十分な効果を発揮しません。お客様の視線や動線を意識したレイアウトや、季節感・ストーリー性のある陳列は、購買意欲を高め、売上アップにも直結します。商品陳列の手法にはさまざまなパターンがあり、目的や売り場の特性に合わせて工夫することで売れ行きが大きく変わってきます。
この記事では、陳列手法を紹介するとともに、売上アップに効果的な商品陳列のアイデアやレイアウトのコツ、すぐに実践できる工夫について紹介していきます。
まず、商品陳列とはどのような意味でしょうか。その概念や役割を紹介します。
商品陳列とは、店舗内で商品をどのように配置・レイアウトするかを指すマーケティング手法のひとつです。単に商品を並べるのではなく、購買意欲を高め、スムーズな買い物体験を提供するための戦略的な取り組みです。
商品陳列には、いくつかの役割があります。まず、お客様の目を引きやすい位置に売れ筋商品や注目商品を配置することで、購買につながる可能性を高められます。また、関連商品をまとめて展開することで、ついで買いを促すことも可能です。さらに、季節感やトレンドを取り入れた演出により、売場全体の魅力を引き上げる効果も期待できます。
このように商品陳列はただの商品の置き方でなく、売上や顧客満足度に直結する重要な販促活動なのです。
商品陳列が重要とされる理由は、売上に直結する購買行動を大きく左右するからです。消費者は、商品そのものの魅力だけでなく、「どこに」「どのように」置かれているかによって、購入するかどうかを判断する傾向があります。
特に店舗では限られた時間とスペースの中でいかに目を引き、商品を手に取ってもらうかが重要になります。適切に商品を配置すれば、滞在時間が延びたり、購入点数が増えたりといった効果も期待できます。また、ブランドの世界観や季節感を演出する手段としても、商品陳列は欠かせません。
さらに、同じ商品であっても陳列の仕方ひとつで売れ行きが大きく変わることもあります。このように、商品陳列は店舗運営における重要な戦略のひとつであり、売上アップや顧客満足度の向上を実現するために欠かせない要素となっています。
商品棚においては、限られた棚スペースの中でどのように商品を配置するかは重要なポイントです。ここでは、売上アップに効果的な、商品棚での代表的な陳列手法を紹介します。
縦陳列とは、同じ商品やカテゴリの商品を棚の上から下まで縦方向に並べる陳列手法です。消費者の視線は自然と上下に動きやすいため、縦に商品を並べることで視認性が高まり、見落としを防ぐ効果があります。
また、縦陳列はブランドやカテゴリーの印象を強める効果があり、「この棚は〇〇の商品が揃っている」と視覚的に伝えやすくなります。たとえば、同じメーカーのシャンプーや洗剤などを縦一列に揃えることで、ブランドの存在感が際立ち、シリーズ買いを促すことができます。
さらに、目線の高さによって高価格帯の商品を中段、低価格帯を下段に配置するなど、戦略的な価格訴求を行う際にも有効です。
横陳列とは、同じ商品やカテゴリの商品を棚の左右に横方向に並べる陳列手法です。お客様の視線は横方向にも自然に流れるため、複数の商品を比較しながら選んでもらいやすくなるという特徴があります。
特に価格や機能、デザインなどにバリエーションがある商品を横一列に並べることで、消費者の選ぶ楽しさを引き出すことができます。たとえば、同じ商品のサイズ違いや色違い、味の違いなどを横に展開することで、選択肢の豊富さを訴求できます。
また、アイレベルの位置に主力商品を配置し、その左右に補完商品や関連商品を置くことで、売りたい商品への誘導もしやすくなります。
シンメトリー陳列とは、棚の中央を基準として左右対称に商品を配置する陳列手法です。視覚的なバランスが良く、整然とした印象を与えるため、信頼感や高級感を演出したい売場でよく使われます。
人は左右対称な配置に対して安心感や美しさを感じやすく、自然とその売場に注目しやすくなります。例えば、中央に注目商品を配置し、その両脇に補完商品やバリエーション商品を対称的に置くことで、中心商品の存在感を際立たせることができます。
また、シンメトリー陳列はディスプレイに統一感を与え、売場全体を洗練された印象に仕上げる効果もあります。高価格帯商品やブランドイメージを大切にしたい商材との相性が良いのも特徴です。
トライアングル陳列とは、商品を三角形を描くように配置する陳列手法です。高さの異なる商品を組み合わせて三角形のシルエットを作ることで、視線を自然に中心に集め、注目商品への誘導効果を高めることができます。
人間の目は安定感のある形状に引き寄せられる傾向があるため、トライアングル型に並べられた商品は、無意識のうちに「目立つ」「整っている」と認識されやすくなります。たとえば、中央に最も高さのある商品を配置し、両脇に徐々に高さを抑えた商品を並べることで、自然な視線誘導が可能になります。
この手法は、特に新商品や売りたい目玉商品を中心に据えるときに効果的です。また、POPや装飾を三角形の構成に合わせて配置することで、売場全体に動きと奥行きが生まれ、立体的な印象を与えることもできます。
リピテーション陳列とは、同じ商品や同じパターンの並びを繰り返して配置する陳列手法です。視覚的なリズムを生み出すことで、お客様の注意を引きやすく、印象に残りやすい売場を作ることができます。
人の目は繰り返しのパターンに自然と引き込まれる傾向があり、同じ商品が一定間隔で並んでいると「人気がある」「売れている」といった心理的効果も働きます。また、リピテーション陳列によって売場全体に統一感が生まれ、見やすく整った印象を与えることもできます。
たとえば、同じ商品を横方向に繰り返し並べることで、在庫が豊富であることをアピールしながら消費者の購買意欲を刺激することが可能です。
スロット陳列とは、棚のスペースを細かく区切り、商品一つひとつが個別の枠や仕切りの中に収まるように配置する陳列手法です。主に化粧品や高価格帯の商品、アクセサリーなど、小型で特長のある商品を陳列する際に使われます。
この陳列方法の最大のメリットは、商品の一つひとつが際立つため、整然とした見た目で高級感や特別感を演出できる点です。棚がごちゃごちゃするのを防ぎ、消費者に選びやすさと安心感を与えることができます。また、スロットごとにPOPや説明カードを設置しやすく、商品の特徴や価格をわかりやすく伝えられます。
さらに、スロット陳列は商品がきれいに整理されるため、欠品や乱れにもすぐ気づけるメリットがあります。特に高価格帯の商品では、防犯面でも効果的で、管理しやすい売場作りにもつながります。
関連商品陳列とは、主力商品と一緒にその商品と関連性の高いアイテムをまとめて配置する陳列手法です。お客様がついで買いやまとめ買いをしやすくなるため、客単価の向上に効果的です。
例えば、パスタの棚の近くにパスタソースやオリーブオイルを並べたり、洗濯洗剤の隣に柔軟剤や洗濯ネットを置くなど、使い方や目的が連想しやすい商品同士を近くに配置します。これにより、買い物中のお客様は「これも必要だった」と気づきやすくなり、購買点数が自然と増える効果が期待できます。
また、関連商品陳列は買い物の利便性を高め、購買意欲を後押しする役割も果たします。特にギフトコーナーや季節特設コーナーなどでも活用されますし、利用シーンをイメージしやすくすることで衝動買いを促進する効果も発揮します。
前進立体陳列とは、商品を棚の前面に揃えて立体的に積み上げる陳列手法です。棚の奥行きを活用しながらも、常にお客様の目に商品がしっかり映るように配置するのが特徴です。陳列後もこまめに前出し・補充を行い、棚が常に満たされている状態を維持します。
この方法は商品が手に取りやすく、またよく売れている、人気があるという印象を与える効果があります。特に日配品や食品、日用品など回転率が高い商品で使われることが多く、補充しやすいというメリットもあります。
さらに、前進立体陳列では棚に凹みができにくいため、売場の鮮度感や活気を保つのにも有効です。商品が常に綺麗に並び、ボリューム感のある売場演出が可能になるため、購買意欲の向上に貢献します。
ランキング陳列とは、売上や人気順などのランキング形式で商品を並べる陳列手法です。お客様に「今売れている商品」や「人気商品」がひと目でわかるようにすることで、購買意欲を高める効果があります。
特に初めて買う商品や迷いやすい商品カテゴリーでは、「売れ筋」「人気No.1」といったPOPと組み合わせることで、お客様の意思決定を後押しします。また、他人の選択を参考にしたいという社会的証明の心理が働きやすく、購入率のアップが期待できます。
ランキング陳列は食品、コスメ、家電、書籍など幅広い分野で活用され、季節ごとやイベントに応じて柔軟に商品入れ替えができるのも利点です。定期的にランキングを更新することで売場の新鮮さも演出でき、リピーターの来店動機づけにもつながります。
比較陳列とは、似たような商品や競合商品を並べて配置し、お客様がその場で比較しながら選べるようにする陳列手法です。特に、価格、容量、機能、デザイン、ブランドなど、違いが明確にわかる商品で効果を発揮します。
この陳列方法は、お客様がどれが自分にとって最適かを判断しやすくなり、納得感のある購買につながります。たとえば、家電コーナーで同じカテゴリーの複数ブランドの商品を並べたり、スキンケアコーナーで異なる価格帯の商品を横並びで紹介するケースが挙げられます。
比較陳列では、価格や特徴を記載したPOPや説明カードを活用することで、より効果的に商品選びをサポートできます。価格競争だけに頼らず、お客様のニーズに合った商品を提案できる売場づくりが可能になります。
商品棚とは別で、売り場のスペースを活かして陳列する手法もあります。これは通常の商品棚だけでなく、売り場の空いているスペースや動線上のエリアを活用して商品を効果的に陳列する方法です。その手法を紹介します。
島陳列とは、売り場の中央や動線上に独立した形で商品をまとめて配置する陳列手法です。棚とは別に島のようなスペースを作り、そこに商品を積み上げたり平台を使って展開したりします。
この陳列方法は、お客様の視線を集めやすく、思わず足を止めて見てしまう効果があります。特に、季節商品や期間限定商品、セール対象品の陳列に効果的で今買うべき商品を強く訴求できます。
また、島陳列は360度どの方向からでも商品を手に取れるため、回遊性が高まり、店内の滞在時間の延長にもつながります。立体的な積み上げやPOP、装飾を組み合わせることで視覚的なインパクトも演出でき、売り場全体の活気を出すのにも役立ちます。
エンド陳列とは、売り場の通路端や棚の側面といった場所に商品を配置する陳列手法です。特にメイン通路やレジに向かう導線沿いのエンド(棚の端)は、お客様の視界に自然と入りやすく、購買意欲を刺激しやすいのが特徴です。
この方法は、特売品や新商品、季節商品など、特に強く訴求したい商品を目立たせるのに効果的です。お客様がついで買いをしやすい環境を作り、売上アップに直結しやすいのが特徴です。また、限られたスペースでも大量陳列が可能なため、ボリューム感を出すことでお得感を演出できます。
エンド陳列は、商品の回転率を高めたり、特定のキャンペーンを効果的にアピールしたりする際にも活用されます。短期間で効率的に売上を上げたい場合に有効な陳列手法です。
ディスプレイ陳列とは、商品の使用シーンや魅力を具体的にイメージできるよう、実際に使用した状態や組み合わせた状態で見せる陳列手法です。主に家電量販店や家具店、アパレルショップなどで活用され、顧客が商品を使っている姿を想像しやすくすることで購買意欲を高めます。
例えば、家具売り場ではリビングセットを再現したスペースにソファ・テーブル・照明をまとめて展示することで、部屋全体のコーディネートイメージを伝えることができます。食品売り場であれば、調味料や食材を使ったレシピ提案として一緒に陳列し、使用方法を視覚的に訴えることも可能です。
装飾やPOPを工夫することで視認性を高め、購買の後押しになります。特に高単価商品や提案型販売に向いており、顧客の納得感や満足感を引き出すのに有効です。
ジャンブル陳列とは、商品を種類ごとにきっちりと分けず、あえて雑多にまとめて山積みにする陳列手法です。ワゴンやバスケット、カゴを使ってざっくりと商品を入れることで、掘り出し物感やお得感を演出できます。
この方法は、お客様に“宝探し”のような感覚を与え、思わず手に取って見たくなる心理を刺激する点が特徴です。主に在庫処分品やセール品、バラエティ雑貨など、価格訴求型の商品に多く用いられます。
整然と並べるわけではないため、一見すると雑多に見えますが、実は視線の流れや動線、色味のバランスなどを考慮する必要があり、売り場づくりの工夫が求められます。また、価格POPや「在庫限り」「掘り出し物」といった訴求ワードと組み合わせることで、お得感をさらに高められます。
飛び出し陳列とは、商品棚の枠を超えて前面や上部に商品やPOPを突き出すことで、視線を引きつける陳列手法です。棚の奥行きを活用し、文字通り飛び出すような形で配置することで、目に留まりやすく、商品に強いインパクトを与えることができます。
この方法は、視認性の高い陳列ができるため、販促キャンペーンや新商品のアピールに適しています。たとえば、商品パッケージを実寸大よりも大きく印刷したPOPや、立体的な装飾物を使って、思わず立ち止まって見てしまうような演出が可能です。
また、飛び出し陳列は通路を歩いているお客様の斜め前方に目立つように設計されることが多く、視覚導線に沿って商品を訴求できるメリットがあります。特に競合商品が多いカテゴリでは、差別化を図るために効果的な手法です。
圧迫陳列とは、商品を棚や平台に所狭しと大量に詰め込むことで、視覚的にも物理的にも圧倒されるような売り場を演出する陳列手法です。商品を高く積み上げ、隙間なく陳列することで、お客様に強烈なインパクトを与えます。
この手法の狙いは、「安い」「豊富」「勢いがある」といった印象を与え、購買意欲を一気に高めることにあります。店内に足を踏み入れた瞬間、商品に囲まれるような感覚があり、掘り出し物を探す楽しさや、ついで買いを誘発する効果もあります。
また、「売れている感」「今のうちに買っておかなければ」という心理を刺激するため、特売品や注目商品、季節の目玉商品などとの相性が良いのも特徴です。
限られたスペースの中でお客様の視線を引き、購買行動へとつなげるためには、戦略的なアイデアと工夫が欠かせません。ここでは、売上アップに直結する陳列のアイデアをいくつか紹介します。
フェイシングとは、商品を正面に向けて陳列し、パッケージのデザインやロゴがはっきり見えるように並べる手法です。お客様の視界にしっかりと入り、印象に残りやすくなるため、売上向上に直結しやすい基本かつ重要な陳列テクニックです。
特に競合商品が並ぶ棚では、どれを手に取るかは一瞬の判断で決まります。その際、正面を向いた商品は視認性が高く、安心感や信頼感を与えるため、選ばれやすくなります。逆に角度がずれていたり、商品が奥まっていたりすると、見落とされてしまうリスクが高まります。
また、フェイシングを一定の面積で確保することで「売れている商品」のような印象を与え、購買意欲をさらに高めることも可能です。面を広く取ればボリューム感が出て、お得感の演出にもつながります。
グルーピングとは似た種類や用途の商品をまとめて陳列し、お客様に選びやすさや買いやすさを提供する陳列手法です。商品のカテゴリやブランド、使用シーンなどでグループ分けを行い、視覚的にも機能的にも分かりやすい売り場をつくります。
また、同じ価格帯の商品を集めて「●●円均一コーナー」にしたり、色やデザインでグルーピングすることで、統一感を演出し、売り場全体の印象も洗練されます。これにより、視線が分散しにくくなり、商品がより目に留まりやすくなります。
グルーピングは、お客様の行動心理や選択負荷を軽減し、複数購入を促すうえで効果的な陳列方法です。
ゴールデンゾーンとは、商品棚の中でも最もお客様の目線に入りやすく、手に取りやすい高さのエリアを指します。一般的には、床から約90cm〜150cmの範囲が該当し、売上に直結する最重要エリアとされています。
このゾーンに商品を陳列することで、視認性と手の届きやすさの両方を確保できるため、購買率が自然と高まります。とくに主力商品や利益率の高い商品、新商品などは、このゾーンに配置することでお客様の注意を集めやすくなります。
ゴールデンゾーンを意識した棚割り設計は、売り場の成果を左右する重要なポイントです。どの商品をこのゾーンに置くかは、シーズンや販促の目的に応じて柔軟に調整する必要があります。
売れる売り場をつくるうえで欠かせないのが「視認性」と「アイキャッチ効果」です。どれだけ良い商品でも、お客様の視界に入らなければ手に取られることはありません。まず気づかせることが、購買の第一歩になります。
具体的には、フェイシングで商品の正面をそろえる、色のコントラストで目立たせる、照明を当てて明るくする、棚の高さや角度を調整するといった工夫が重要です。また、視線を引きつけるためのアイキャッチ要素として、POPや装飾、立体物を活用するのも効果的です。たとえば「今だけ半額」「新商品登場」「テレビで紹介されました」など、興味を引くワードを大きく打ち出したPOPは、お客様の足を止めさせ、手に取るきっかけになります。
ちょっとした視覚演出が購買行動につながるため、常に試行錯誤を重ねながら、売り場の完成度を高めていくことが大切です。
売れる売場づくりにおいて、導線の設計は重要な要素です。導線とは、お客様が店内を歩くルートや流れを指し、この動きに沿って商品を配置することで、購買機会を効果的に増やすことができます。
たとえば、入口からメイン通路に向かう途中や、通路の曲がり角、レジ前などは、自然と視線が集まりやすい視認性の高い場所です。こうしたポイントに注目商品やお買い得品を配置すれば、お客様が立ち止まり、手に取る確率が高まります。
また、回遊性を高めるレイアウトも有効です。あえて通路をジグザグにしたり、中央に島陳列を設けて周囲をぐるりと回れるようにしたりすることで、お客様がより多くの商品に触れられる環境をつくれます。無理に売るのではなく、「自然に目に入って、自然に手が伸びる」仕組みを設計することで店舗全体の売上にもつながります。
売り場で商品の魅力を伝えるには、POPやサインの活用が欠かせません。
POPは、「売上No.1」「限定」「今だけ○○円」など、目を引くキャッチコピーを使って商品に注目を集める役割を果たします。たとえば、価格を赤字で大きく表示するだけでも、特価感やお得感を演出できます。また、手書きPOPやイラスト入りPOPは、親しみやすさや信頼感を与え、他商品との差別化にも効果的です。
サインは売場全体の案内や分類を目的とした表示物で、「調味料コーナー」「今週のおすすめ」など、視認性と回遊性を高めるために使われます。遠くからでも見つけやすい位置やサイズで設置することで、お客様の導線を自然に誘導できます。
売れる売場を維持するには、商品の補充とメンテナンスを日々徹底することが欠かせません。どれだけ魅力的な陳列や販促を行っていても、商品が欠品していたり、乱雑な状態になっていたりすると、お客様の購買意欲は下がってしまう可能性があります。
棚が空いていたり、前出しがされていなかったりすると、売り場全体が寂しく見え、「人気がない」「管理が行き届いていない」といったマイナスの印象を与えてしまいます。逆に、常に商品がそろっていて整然としていれば、「売れている=信頼できる商品」として好印象を与えることができるでしょう。
また、売場の乱れやPOPのズレ、装飾の破損などもこまめにチェック・修正することで、店全体の“清潔感”や“活気”を保つことができます。見やすく・買いやすく・選びやすい売場を継続するためにも、補充・メンテナンスは販売戦略の土台とも言える大切な業務です。
売れる売場をつくるには、今この瞬間に買いたくなる空気を演出することが大切です。そのためには、季節感やイベント感を取り入れた陳列が欠かせません。ここでは、売場に季節感や行事性を取り入れるための陳列アイデアを紹介します。
四季のある日本では、季節ごとにお客様の購買行動や興味関心が大きく変化します。売場にその季節らしさを取り入れることで、商品の魅力を際立たせ、自然な購買意欲を引き出すことができます。
たとえば春は、新生活や花見といった前向きなムードを感じさせる明るい売場が好まれ、夏には涼しさや開放感を演出することで、冷感グッズやレジャー用品への関心が高まります。秋には落ち着きや温かみのある演出が食欲や行楽需要を刺激し、冬には防寒やギフト需要を意識した華やかで賑やかな売場が効果を発揮します。
こうした演出は、お客様に今必要なものが自然と目に入る仕掛けとなり、季節の移ろいを感じさせる店づくりにもつながるでしょう。
年間を通じて訪れるイベントは、お客様の気持ちを高め、売上を大きく伸ばせる絶好の機会です。バレンタインやハロウィン、クリスマス、母の日などのタイミングでは、単に商品を並べるだけでなく、そのイベントの雰囲気を売場全体で表現することが重要です。
たとえばバレンタインなら、チョコレートやラッピング用品をまとめて展開し、赤やピンクを基調にした装飾で贈る楽しさを演出します。イベントの雰囲気を感じられる売場は、お客様の気持ちを引き込み、「せっかくだから買っておこう」という行動を自然に引き出します。
売るだけでなく楽しませる視点を持つことが、イベントでの陳列を成功させる鍵かもしれません。
売場に季節感を持たせるには、POPや装飾を上手に活用することが効果的です。色づかいやモチーフ、素材感などを工夫することで、お客様は瞬時に季節を感じ取り、自然と商品にも関心を向けるようになります。
たとえば、春なら桜や若葉のイラストを使った淡い色味のPOP、夏なら水や空をイメージさせる涼しげな演出。秋は紅葉や木の実など温かみのある色調にし、冬は雪や星、イルミネーションを思わせる装飾で売場に華やかさと温もりを添えることができます。
こうした視覚的な演出は、商品だけでは伝えきれない情緒や季節らしさを補完します。お客様の気持ちに寄り添う売場づくりは、購買意欲を高める大きな後押しとなるでしょう。
商品陳列は、単に見栄えを整えるだけでなく、購買行動を促進する重要なマーケティング施策です。ただ、陳列や売場演出を継続的に実施・改善していくには、専門的な知識と現場力が求められます。
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